ファイナルファンタジーIII


スクウェア 1990年4月27日発売

8400円 4M+64KRAM

フィールド型RPG

キャラクター・コマンド操作 Aボタン 決定
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シリーズ第3弾
ドラゴンクエストと並ぶファミコンRPGの看板タイトルである、ファイナルファンタジーシリーズの第3作目。

IIIの発売が発表されたのは89年の10月頃の事であったが、当初はゲーム内容はほとんど公開されず、代わりにアメリカで制作されていることばかりがクローズアップされており、そのおかげで今作は「アメリカで作られているゲーム」というイメージばかりが先行していた。

結局年内は全くと言っていいほど新たな情報は公開されず、ドラクエIVがあれだけ延び延びになったものだから、これは発売は当分先かな、と皆思っていたものだが、90年初頭ファミマガのゲーム発売スケジュールのページに「FFIIIの発売日は4月27日に決定!」なる文が掲載された。



3月ぐらいになり初めて画面写真付きの記事が載ったのだが、初公開の時点でゲームはほとんど完成していたために、初公開の画像は開発中が当たり前だったゲーム業界にとって、FFIIIの発表はちょっとした衝撃があったものだ。




処理速度
前作と比較した時に一番進化している部分と言えば、やはり戦闘シーンの著しい高速化に尽きる。

前作では集団に魔法をかけると、とにかく時間がかかってしまいイライラすることこの上なく、メッセージを早くすると今度は何が表示されているかわからなくなってしまうなど、実にテンポの悪い戦闘であった。しかし、このFFIIIではMMC5なる高性能の基板により、武器のモーションと、敵へのダメージのアニメーションは同時、さらにダメージはウインドウではなく、敵の上部に直に表示される。

集団魔法は同時とはいかないものの、立て続けに魔法のアニメーションが表示されていき、ダメージは最後にまとめて表示されるため、前作をIIIの発売直前にまでプレイした私にとっては非常に衝撃的だった。


敵キャラのグラフィックも原画そのものとはいかないものの、色彩がとても豊かになっており格段に表現力が上がっているので、前作とは段違いに戦闘が楽しく感じられたものだ。戦闘中はSEが頻繁に鳴らされていくので、戦闘のBGMが一部消えてしまいショボく感じられてしまうことが残念だったが欠点といえばそのぐらいで、出来はほぼ完璧と言っていいだろう。




ジョブシステム
そして戦闘シーンと並び、このゲームを語る上で絶対に欠かすことの出来ないシステムが、ジョブシステムと呼ばれる職業のシステムだ。従来のRPGにおいて、ほとんどの場合転職というのはレベルが1に戻るなどのリスクを背負うため、そう手軽に出来るものではなかった。

しかし、このFFIIIでのジョブシステムの内容は、敵を全滅させるとギルと経験値と一緒にキャパシティなるものが手に入り、それを各ジョブごとの数値まで溜めればどこでも転職が出来るという、それまででは考えられなかった職業システムが使われているのだ。

後半は特定のジョブでなければ倒せない敵が出現し、これに関しては面倒だという意見も多かったが、これだけのジョブがあれば使わないジョブがあるままゲームを終えてしまう、という可能性もある以上、多少強制的なイベントがあっても良いと思う。

あえて苦言を呈するならば、ジョブチェンジの際には装備を全て解除しなければならないので非常に面倒なのと、4人が4人同じジョブになっても、グラフィックに個性を付けてもらいたかった事だ。




私の思い出
当時はファミマガをずっと読んでいましたから、FFIII初掲載のファミマガももちろん購入してありますが、やはり初掲載でいきなり完成版が披露された時のインパクトは大変大きなものがありました。

同時期にFFIIをプレイしており、FFに興味を持ち始めた頃とは言えこの記事が私に与えた影響は大変大きく、すぐに購入を決意しました。もちろんドラクエIVの2の舞は繰り返してはならないため、今度のFFIIIはすぐに親に頼んでキープしてもらい何事もなく発売日に入手出来ました。

しかし、IV以降こそFFの発売日というのは行列が定番となりましたが、この当時はドラクエはやるけどFFはやらないという人がかなり多かったためか夕方に行っても在庫がありましたので、あんまりコネのありがたみがありませんでしたね。


ゲーム自体は特に詰まることもなくさくさく進んで行ったのですが、暗黒騎士にジョブチェンジせざるを得ない洞窟あたりからキツくなっていき、特にクリスタルタワーからエンディングを迎えるまでが本当にしんどかったですね。

クリスタルタワーの地下にある、エウレカに行けば忍者と賢者の最強のジョブや、手裏剣を筆頭に強力な武器や防具を得ることができ、それらを有効に活かせばエンディングまで割と楽には進めるのですが、私は忍者にジョブチェンジしたままゲームを進めることはありませんでした。 というのは、私は忍者のグラフィックが非常にダサく感じたため、このジョブでエンディングを迎えるのは嫌だと思ったことと、あとは性格的に同じジョブを複数人に使いたくなかったのです。

そのためクリスタルタワーに辿り着いてから、実に10もレベルを上げる羽目になってしまったのですが、エンディングで4人が名前入りで紹介されたのを見た時には、それまでの苦労がそれなりに報われた気分にはなりました。しかし今にして思えば、あんなに時間をかける事なくまずは忍者2人、賢者2人でクリアしておけば良かったかなと思います。





最後にセーブ出来る地点から、最後のボスと闘うまで50分ぐらいかかってしまうのに、私の場合は暗闇の世界まで行きながら4匹の中ボスを倒さずに暗闇の雲と対面してしまい、それまで費やした時間を一瞬にして無駄にしてしまったこともありましたから、やっぱり素直にジョブチェンジしておけば良かったですね。

また最強の武器・防具であるオニオンシリーズは、本当ならばクリスタルタワーに低確率でしか出現しないドラゴンたちを倒さなければ入手出来ないのですが、私はファミマガに載ったウル技を使いましたので、何の苦労もなく入手することが出来ました。

この技はファミ通には載っていませんでしたし、その後発売された徳間書店の大技林にも何故か載っていませんでしたので、知らない人が多かったかも知れません。






ファイナルファンタジーIII ファミ通クロスレビューへ行く。


キャ 音楽 操作 熱中 買得 独創 総合
4.62 4.58 4.37 4.62 4.10 4.31 26.60



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