スーパー
ストリートファイターII


カプコン 1993年9月発売

横画面 対戦格闘

8方向レバー パンチボタン×3(弱・中・強)

       キックボタン×3(弱・中・強)




ストIIの進化系
カプコンのCPSの後継基板である、CPS2を使用したストIIのニューバージョンがこの「スーパーストリートファイターII」だ。

ゲーメストにおいて紹介されたのは、通巻100号記念号となった93年の10月号の巻頭記事であったが、前号の予告において「超大人気格闘ゲームの続編情報!!」なる紹介文が掲載されていたので、この時点でストIIの続編が発売されることを予感させた。






その10月号の待望の巻頭記事では、コンボシステムなどの新たなシステムや、CPS2によるQサウンド、全て入れ替わった背景、そして4人の新キャラクターなどが大きくページを割かれて紹介されていったが、旧キャラクターのグラフィックそのものに変化は全くなかったため、期待感はさほど高くはなかった。

発売当初こそ高い人気を誇っていたが、やはりゲーム自体に新鮮味がなかったのと、ほぼ同時期に発売された餓狼伝説SPECIALが2以上に高い人気を誇っていたため、台が空いていく事に時間はかからなかった。






強烈なインパクトはなく
発売当時はさすがに4作目ということで「またか…」の声が相次いだものだが、開発自体はSFC版ストIIが発売された当初から始まっており、1年以上の開発期間が取られたため安易な焼き直しではなく一からちゃんと製作された作品となっている。

しかし画面構成の違い、総入れ替えされさらに綺麗になった背景、そして立体感抜群のQサウンドと確かにストIIの正当進化系とも言える作品であるのだが、やはり前述のように旧キャラクターのグラフィックも操作感覚もまるで変わった所はないため、ユーザーとしては相当不満の残る出来であった。



確かにゲーマーの目が慣れた当時では、ストII発売当時のような衝撃というものは生み出しにくくなっていたと言う不利な点はあったものの、、やはり単に見た目が進化しただけではすぐに飽きてしまうものだ。

ゲーム速度はダッシュ以前と同様になったが、ターボに慣れすぎた当時としてはまるでスローモーションを見ているかのごとく遅く感じたため、これも相当不評であった。

システム的にはリバーサルやコンボなどの新たなるボーナスや、ピヨった時の状態などさらにわかりやすくはなったものの、全体的にはストII世代のプレイヤーを引き付けるだけのインパクトはなく、正直な所私などはスーパーの存在意義すらわからなかったものだ。


トーナメントモード
新たなる試みとしては4つの筐体を使用する事によって、最大8人参加可能なトーナメントモードが導入されたが、1コインで最高でも5ラウンドまでしか行えず、場所も取るため失敗に終わった。

私の周辺では町田のいこいのみに設置されていたのを覚えているが、やはりほとんどプレイしている人はいなかった。








Qサウンド
CPS2となりPCM音源に生まれ変わったBGMは非常にクリアでゲーセンでも良く聴こえたものだが、音色自体は機械的な音が中心でFM音源でも出せるのではないか、という音色であったため、「PCM音源=現実の楽器に近い」という固定概念が出来ていた私には違和感がある出来であった。

もっとも出来自体は良いものも多く、特にザンギエフやバイソンのBGMは非常に格好良くアレンジされ、新キャラも同様に良く、特にキャミィステージが個人的に大好きだったため、キャミィが対戦相手に来ると嬉しくなったものだ。




Qサウンドも非常に効果的な役割を果たしており、BGM、SE、ボイスがプレイ中頭の回りを駆け巡って行ったものだ。もちろんサントラ盤の発売は心待ちにしており、購入してからは何度も聴いていたものだが、カプコンのサントラ盤はスーパーのアルバムからメーカーがサイトロンからソニーレコードへと移り変わり、他社と差別化を図るためかキャラ事にステージ曲、エンディング曲、ボイスに分かれているという最悪の構成となってしまったため、非常に聴き辛い作りであった。


新たなる挑戦者たち
ストIIも4作目にして、遂に4人の完全な新キャラクターが追加された。

その4人とはメキシコ代表・T・ホーク、ジャマイカ代表・ディージェイ、香港代表・フェイロン、そしてイギリス代表のキャミィの4人だ。それら4人の新キャラにまず共通する点と言うのは、通常技の攻撃判定が旧キャラよりも非常に大きい事だ。

開発者によると単に多くの人に使ってもらったから、という事らしいが、確かにストIIから2年以上発売が経っている以上、プレイヤーは愛用キャラに対する愛着がかなり沸いているだけに、何らかのアドバンテージは必須と考えたのだろう。

しかしそれでもゲーメスト増刊における人気投票ではキャミィ以外軒並み低く、嫌いなキャラに関しては上位4位全て新キャラが占めてしまうなど、やはり旧キャラを愛用するプレイヤーの方が圧倒的に多かった。


T・ホーク

ゲーム中ではT・ホークだが、正式名はサンダーホークと言う。

昇龍拳コマンドで出せるトマホークバスター、スクリューコマンドのメキシカンタイフーンなど、リュウ・ケン+ザンギエフと言った感のあるキャラであり、新キャラの間では最も強力なキャラとなっている。

CPUのホークも強く、対空兵器の弱いキャラでは苦戦を強いられること必至だろう。






ディージェイ

キャラ担当の女性が格闘技好きということで、必殺技のローリングソバットなどはなかなかリアルなものがあるのだが、いかんせん風貌があまり良くなく、ダントツの不人気No.1キャラであり、私は家庭用、エックスも含め一度たりとも選択した事はない。

エックスでは最強を誇ったため、都心のあるゲーセンでは「ディージェイ村」なる対戦台までも存在したそうだが、強い弱いではキャラ選択はしない私にとってはこういうのは絶対に嫌だった。






フェイロン

モデルは一見してわかるようあのお方だが、筋肉の付き方などはここまで太くないし、技などにも影響は見られないので、似ているのはアップ画面だけだ。

キャラの能力自体はさほどでもないが、やはり相手を燃やせる必殺技の熾炎脚、連続で3段まで入る烈火拳など決まるとスカッとする技が使えるのが、このフェイロンの最大の魅力だ。








キャミィ

新キャラ中唯一の女性キャラがこのキャミィだ。

明らかに狙ったキャラであるのだが、さすがカプコンだけあって見た目だけではなく内容もしっかりと作られており、新キャラで最も使いやすいキャラとなっている。

オーロラ等ステージの凝り様、BGMの格好良さなどからもわかるよう、キャラ以外の部分にも力を入れて作られていたので、プレイヤーの目を引くのに最も一役買っていたキャラであった。






12人のファイターたちは
旧12人のキャラたちにも一部ではあるがグラフィックや必殺技が追加され、特に四天王には通常技が大幅に追加された。

通常技の判定なども相当調整され、わかりやすい所ではリュウでもキャラによっては3段アッパー昇龍拳が入るようになり、逆にケンはうまく繋げないと3段昇龍拳が入り辛くなってしまった。

しかし調整されたとは言えグラフィックそのものは変わらないため、見た目が同じなのでは正直手抜き感がどうしても拭えないものがあった。



新キャラも含めた対戦ダイヤグラムは、サガットが最強であり以下ベガ、ガイルと続き、最下位はやはりザンギエフと、ターボの見事な調整は一体何だったのかという結果になってしまった。CPU戦の難易度はスピードが落ちた事も手伝いかなり低くなり、パーフェクトは取りにくいかも知れないがクリアするのは容易だ。

エンディングは四天王がそれぞれ独自のエンディングが追加されたが、8人はグラフィックが豪華になったのと、春麗エンディングに選択肢が出るようになった程度で、基本的な内容はほとんど変わらない。個人的に気になった点としてリュウのエンディングはモーションがなめらかになったが、表彰式の場面はほぼダッシュのままだったので、出来れば初代のようなちゃんとした背景を入れて欲しかったものだ。


個人的な思い出
このスーパーがゲーメスト93年10月号で発表された当時は、私はゲーセンから完全に離れており、発売されてもしばらくプレイする事は全くありませんでした。

10月初旬になった頃町田へと向かった私は、今はなきYOU2へと向かい、そこの対戦台で初めてスーパーをプレイし、その後ゲームファンタジアでCPU戦をプレイし、CPU戦は初プレイでクリア出来ました。

前述のようスーパーの難易度は低いので、初プレイクリアなど全く持って大したことはないのですが、嬉しいのは間違いありませんでしたので、それが私のゲーム熱を再び熱くさせる要因となりました。


しかし熱くなったのは餓狼SPなどで、スーパー自体にはたまにCPU戦をプレイするぐらいで全く熱くはならず、当然対戦もすることはありませんでしたので、私にとってはそれほど思い出深いゲームとはなりませんでした。








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