ストリートファイターZERO


PS版 1995年12月22日発売

SS版 1996年1月26日発売

カプコン 各5800円 CD-ROM

十字キー キャラクター操作

パンチボタン×3(弱・中・強)
キックボタン×3(弱・中・強)
(ボタン配置は任意で設定可能)



次世代機の性能を改めて
PS・SSが発売されてから1年、ユーザーたちは発売されるゲームを見るたびに次世代機の凄さというのを実感していったが、アーケードゲーマーにはどうしても気になる部分があった。

それまで多くのレースゲームや3D格闘ゲーム、2Dシューティングやレトロゲームなどのアーケード移植版が発売されていったが、2D格闘ゲームだけはなかなか発売されなかったため、果たしてストIIを代表する2D格闘ゲームの忠実移植は次世代機でも可能なのだろうか、という疑問がずっと残り続けていた。

カプコンの初の格闘ゲームの移植は「ストリートファイター リアルバトル オン フィルム」であり、その後「X-MEN」なども発売されたが、やはり看板シリーズであるストリートファイターの移植でないとハードの真価は見出せないものがあった。

そして95年年末、遂にPSにおいてストリートファイターの新作、「ストリートファイターZERO」が発売され、それまでの疑問に答えが出される日がやってきた訳だが、プレイすると同時にそれまでのユーザーの不安は全くの杞憂だったことに誰もが気付く事となった。画面構成こそ家庭用TVに合う様に調整されているものの、キャラクターのグラフィックや動きは何らアーケード版と変わる所はなく、PS・SSはCPS2の格闘ゲームの移植も何ら問題なく出来るということが、この作品で完全に証明されたのだ。

この「ストZERO」はPS・SS両機種合わせて50万本ほどのセールスを記録し、カプコンはその後発売するシリーズでもヒットを続けていくなど、VF2の発売で3Dに世論が傾いていた時代に、再びユーザーを2D格闘ゲームへと引き込んでいくことに成功していった。


アーケードとの相違点
この「ストZERO」はPSとSSの両機種で発売されたが、見た目やプレイ感覚にはほとんどと言って良いほど違いはなく、いずれも極めてアーケード版に近い出来となっている。

隠しキャラはアーケード版と同様のコマンドで選択出来るが、必要条件を満たした状態でクリアしても選択可能であり、さらにその場合はデータを消さない限りずっと簡易セレクト出来るようになる。

エンディングのスタッフロールはランク5つ以上で見ることが出来る。篠原涼子の「恋しさと 切なさと 心強さと」は収録されていないのは残念だが、収録すると値段が高くなってしまうのでやむを得ないだろう。



PS版とSS版
画面構成や著作権等の問題で多少のアーケード版との違いはあるが、本編に関しては両機種とも極めて忠実なのは確かなので、プレイに関しては全く問題のないレベルだ。

しかし両機種同士の違いとなればやはり多少の違いは出てきてしまう訳で、その最たるものがロード時間の違いだ。

両機種共にステージ前に読み込みが入るが、PS版はこのロード時間が何と12秒もあり、さらに勝利デモへも移る時にもロード時間がかかってしまうため、ここまでロード時間が長いとさすがに辟易してしまう。




最初にオープニングデモを読み込むのでゲームをプレイするまでとても時間がかかるし、さらにそれだけ時間がかかりながらもデモの対戦キャラがリュウVSリュウの同キャラ対戦となってしまっているなど、ロード時間による弊害がかなり大きく表れてしまっている。

これに対し、SS版はロード時間が約5秒と、PS版をPS2の高速モード使用時で起動させた時とほぼ同等であり、オープニングの対戦もリュウVSケンとなっているため、快適さという点では圧倒的にSS版の方が上だ。

もっとも現在ではPC上のエミュレータを使用すれば読み込み時間が大幅に短縮出来るので、どうしてもPSという人はPCでプレイすれば良い。

画面サイズはPSと比べてSSは解像度が低いため、若干画面が横長になってしまっているので、通常の家庭用TVだと画面左右が若干隠れてしまうことが多い。

PS版もゲージの上の隙間がやや広く、左右にも隙間が出来ているなどの違いがあるが、画面比率自体はアーケードに近いので、PS版の方がアーケード版に近い感覚でプレイ出来るだろう。

音源に関しては両機種とも全く同じであり、オリジナル・アレンジの2種類がCD-DAで収録されている。ただアレンジはいまひとつで当然Qサウンドでもないため、アレンジをカットしてオリジナルを長めに収録して欲しかったものだが、サントラ盤との兼ね合いが色々あったのだろう。

本編以外の違いとしてはPS版にはバイオハザードとストリートファイターIIMOVIEの予告デモが収録されており、当時はまだムービーが新鮮だった時代だったこともあって、これはなかなかのお得感があった。





SS版の画像紹介
基本的にここで紹介されている画像は全てPS版を使用しているが、ここではSS版の画像を紹介しよう。

ゲージ部分がずれているのはこれはPCで動作させたための不具合であり、実際は普通に表示される。











個人的な思い出
私が初めて購入した次世代機の2D格闘ゲームがこのPS版の「ストリートファイターZERO」でした。

アーケード版は少ししかプレイしていませんでしたが、やはりあのストリートファイターシリーズとくればどうしても気になりましたので、安い所を探して中古で購入していきました。

それまで所有していたソフトはグラディウスDXパックやナイトストライカーなどのレトロゲームばかりでしたから、最新2D格闘ゲームがここまでのレベルで移植出来る次世代機の凄さをこのストZEROで改めて認識し、同時に何てゲーマーにとって良い時代が来たものだと、大変感慨深い気持ちになったものです。



ロード時間の長さもPCE版のアーケードカード対応ゲームのロード時間も体験している私は、この出来であればこのロード時間も仕方ないか、と勝手に納得してプレイしていきましたが、8月の終わりに、ゲーメストEX発売の攻略本を購入したところ、そこで初めてSS版の方がロード時間が圧倒的に短いことを知りました。

極パロの出来の良さを知っていたため、SSもずっと気になっていたハードではあったものの、極パロはもうプレイし尽くした頃でしたし、購入はずっと見送っていたのですが、このロード時間5秒にはさすがに気持ちが大きくSS購入へと傾き、PS購入から半年後、遂にSSを購入するに至りました。




その後は一転してSS派となり、SS中心のゲームライフを送るようになっていたのですが、もしSS版のロード時間の短さを知る事がなかったらその時点ではまずSSは購入していなかったと思いますし、購入したとしてもかなり先の話になったと思いますので、このストZEROというゲームの存在は、今なお私にとって思い出深い作品となっています。










*SS版の画像紹介以外の画像は、全てPS版の画像を使用しています。


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