ゼクセクス


コナミ 1991年10月23日発売

横画面 横スクロールシューティング

8方向レバー 自機の8方向移動

ボタン1:ショット
  ボタン2:フリント着脱

開発コード=GX-067
「ゼクセクス」は、1991年10月にコナミから発売された横スクロールシューティング。

当時はコナミと言えばまだまだ横シューの雄というイメージが強く、コナミが横シューをリリースすると言えば注目が集まるは当然のことだったのだが、このゼクセクスに関しては発売の5ヶ月も前から、ゲーメスト誌上で紹介されていた。

いくらコナミの横シューとは言え、アーケードゲームで発売のこれだけ前から注目が集まるということは異例中の異例だったが、開発スタッフがグラディウスシリーズ最高傑作と謳われるグラディウスIIのスタッフが中心とくれば注目が集まるのも無理はなかった。


ゲーメスト'91年10月号において初めて画面写真が発表され、当時の2Dゲームのグラフィックを遥かに凌駕しているそのグラフィックに誰もが目を見張った。直後のAMショーでも人気1位を獲得するなど、発売前の期待感は最高潮に膨れ上がった。

そして10月下旬になっていよいよ発売となったのだが、発売直後はかなりの注目を浴びたものの、当時のストIIブームの影響や、ややパターンにはまりがちなそのゲーム性などが響いてしまい、思ったほどのヒットには結び付かず、期待とは裏腹に素早くゲームセンターから姿を消してしまうこととなった。それでも横シューとしてはかなり水準の高いゲームということは間違いなく、横シューのファンであれば確実に満足出来る作品と言えるだろう。


フリント
このゲームの最大の特徴は、オプションである無敵の生命体「フリント」だ。

フリントは最初は1本しか足がなく、黄色いフリントのアイテムを取ることにより最大で3本まで足が増えていくが、フリントのアイテムを取るのは自機なのに、何故フリントがパワーアップするのかは未だに疑問だ。

フリントは右のボタンで自機への着脱・誘導が出来るようになっており、自機がロックしている時は前方シールド、離れている時は敵を見つけ次第破壊してくれるという、非常に使いやすいオプションとなっている。まるで某メーカーの横シューのフォースや触手のようだ。


そして自機がロックしている時にショットボタンを押し続けると気合が溜まり、フリントが青くなった時にショットボタンを離すとフリント地獄突き、フリントボタンを押すとフリントを前方へと飛ばすことが出来る。

どちらもボタンを押し続ける長さにより2段階に威力が分かれているが、ゲームを進めるためには欠かすことの出来ない技なので、しっかりとマスターしていこう。








システム
フリントだけではなく、自機もアイテムによってパワーアップするようになっているが、こちらは特に目新しさはなく、アイテムを取るだけでパワーの段階もないというオーソドックスなものとなっている。

エクステンドはスコアでは行われず、隠しアイテムが出現する場所で32分の1の確率で出現する1UPアイテムを取ることのみによって行われる。

その場から復活するのではなく、いくらか戻されてしまうので、2周エンドとは言え1度ぐらいスコアでエクステンドするシステムにして欲しかった。



難易度は当時の観点からしたら極めて易しいレベルであり、初心者でもちょっとプレイすれば楽に4面ぐらいまでは進めるようになっている。

後半はやや難しくはなるが、開発者曰く、知っていなければ死ぬというのをなくしたかったというだけあって、しっかりとやり込んでいけば特別うまい人ではなくても十分クリア可能な難易度となっている。

まあ易しい分上級者には物足りなさも残るのは事実だが、その分2周目の難易度はかなり手ごたえのあるものとなっている。




アニメーションとVGM
この「ゼクセクス」には、惑星イースクウェアという星のイレーネ王女が、その星を狙う悪者のクラウス・パッヘルベルに捕まってしまい、彼女を助けにフリントロックで連中を助けに行くというストーリーが存在する。

そのストーリーは単なる付け足しではなく、ゲーム中のオープニングデモや中間デモでしっかりと展開され、さらに全てのセリフが声優によって語られるという、非常に凝った作りとなっているのだが、絵がバリバリのアニメ絵で好き嫌いの分かれるものだったため、ゲーマーの間でかなりの賛否両論が巻き起こった。





まあ絵はともかく、当時ゲームでセリフを使うためにはCDを使うしかないと思われた時代だったから、基板であるアーケードゲームでこれだけ良く喋るのを聴いた時にはかなりの衝撃があったものだ。

VGMはほとんどPCM音源によって鳴らされており、本物の楽器にも引けをとらないぐらい凝った作りとなっているのだが、皮肉にもその分ゲームらしさが失われた感があり、ゲームの音は単に本物に近ければ良い、ということではないことを思い知らされた感があった。






個人的な思い出
私が初めてゼクセクスを見たのは、当時全国一のレベルの高さを誇った町田のプレイタウンYOU2ででした。

その日は西武対広島の日本シリーズ第7戦が順延された月曜日で、本来ならゲーセンなど行く暇はなかったのですが、その日に限っては何故か行くことなり、友人と一緒に電車で町田へと向かいました。

そしてYOU2へ着き、店内へ入ると、すでにゼクセクスの筐体に人だかりが付いており、私たちはしばらく人のプレイを見ていたのですが、そのグラフィックの素晴らしさに見ているだけでも楽しめたものです。



その後他のゲーセンに行き私たちもプレイしたのですが、友人が4面ぐらいまで行ったのと対照的に、私はすぐにゲームオーバーになってしまったので、プレイ初日はあまり良い思いをすることなく町田を後にしました。

それからはちょくちょくプレイはしたのですが、当時はまだ1度もシューティングをクリアしていない頃で、まだまだアーケードゲームはクリア出来るという感覚がなかった頃でしたから、クリアを目指そうとなんて考えも付かなかったため、やり込むことは一切なく、置いてあったらプレイする、という程度ものもでした。




そんなことが続いていくうちにゼクセクスは消え始め、ストIIダッシュが発売されるとそればかりプレイするようになっていきゼクセクスのことはすぐに頭から消えていったのですが、'92年末に沙羅曼蛇を1周したのをきっかけとしてシューティングをプレイするようになっていくと、ゼクセクスもクリアしておこう、と思い始め、発売から1年経ってようやく真面目にプレイするようになっていきました。

7面でやや苦戦した感がありましたが、'93年2月11日、当時のハイスコア掲載店だったゲームセンターコパIIIにおいて遂にゼクセクス1周クリアを果たすことが出来ました。


あとがき

今作はDC製作時に公開されたものです。ただ現在のページはほとんどPCでのリメイク時に新たに書き直されたもののため、当時とは全く内容が異なっています。内容的にはリアル世代と言う事ももちろんですが、グラフィックにBGM、そしてキャラクターと大きな特徴があるため、ほとんど悩む事なく書き上げる事が出来ました。攻略もPCでのリメイク時に公開されたものですが、要所要所がはっきりしているためこちらも書き上げるのは楽でした。





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