ウィザードリィV
災渦の中心


SFC アスキー 1992年11月20日発売

9800円 8M+64KRAM

バッテリーバックアップ

十字キー:カーソル・ダンジョン移動

Aボタン 決定
        Bボタン キャンセル・キャンプ



SFC初のウィザードリィ
88年11月にAPPLEIIで発売された、ウィザードリィVのSFC移植版。

発表されたのはSFCが発売された直後の90年12月頃であったが、延期につぐ延期で一向に発売される気配がなく、ファンをやきもきさせる中、発表から2年近く経った92年11月にようやく発売へと至った。

発売が遅れた事で、後発のナグザットから発売されたPCE版ウィザードリィVに先を越されてしまったが、やはり当時はまだまだ家庭用ウィズと言えばアスキーのイメージが強かっただけに、SFC版を待ち望んだプレイヤーは多かったものだ。





システム面
SFC版Vでも、ファミコン版I、IIIのように一部のアイテム名が固有のものに変えられ、特性値もIIIや外伝に習って種族の基本特性値+10に変更されていたりするが、基本的にはPC版に忠実な移植となっている。

忠実ということはファミコン版ではアイテム交換などに変更されていた単語入力方式の謎解きもそのまま移植されており、実際に十字キーで単語を入力して回答するようになっている。

NPCとの会話は自動的に行われるので非常にそっけないが、さすがにキーボードのないSFCではまともに会話するのは厳しいと思ったのだろう。




戦闘時の画面レイアウトは、PC版と同じように先頭の2体が表示され、ウィンドウのレイアウトもほぼ同じだが、SFC版ではモンスターは背景に直に表示されるようになった。不確定グラフィックはファミコン版とは異なりモザイク表示となったが、これには賛否が分かれた。

ダンジョンのグラフィックもこれまで通り線画と塗り壁の2種類が選択出来るが、移動速度が非常に速く、前作までより遥かに大きいダンジョンのVでもストレスは感じさせない。

セーブは地上では行動ごとにセーブされるが、ダンジョンでは任意セーブとなった。もちろんその分難易度が易しくはなったが、当然リセット技も使い辛くなったので、安易にそれを使う訳にはいかなくなった。


そしてデュマピックの呪文を使うと、GB版と同様これまで移動したフロアのマップが表示されるようになった。当然これにも賛否があった訳だが、ダンジョンの広さとハードのユーザー層を考えれば妥当な選択と言えるだろう。

キャラクターの転送はアスキーから発売されたターボファイルアダプターを使えばファミコン版から転送出来るが、勲章が3つあってもそのシナリオの勲章しか持ち込めないため、勲章に拘るプレイヤーにとっては辛いが、それでも初めからロードや忍者を連れて行けるのは楽だろう。


ウィズVの特徴
外伝的なIVを除き、それまでのウィズではシステム面の変更はほとんどなかったが、このVでは基本部分は伝統のシステムを受け継ぎつつも、あらゆる部分に改良点が加えられより完成度の高いシステムとなっている。

最も手を加えられたのが戦闘で、武器に距離の概念が設定されたため、射程Lの武器を持てば後衛からでも直接攻撃が可能となった。

呪文も大幅に変更され、これまで迷宮では回避不可能だった、落とし穴を避けられる呪文リトフェイト、魔物を召還出来るバモルディとソコルディなどが加わり、プレイヤーの行く手を助けてくれる。



そしてこれまで宝を開ける時にしか役に立ってくれなかった盗賊に活躍の機会が与えられ、戦闘時に大ダメージを与えることが出来る「奇襲」、鍵付きの扉を開ける技能、そしてNPCからアイテムを盗むことが出来るなど、忍者に転職するのが当たり前だった後半でも十分役に立ってくれるようになった。

ダンジョンはこれまでの20×20から全フロア不定形となり非常に広くなり、イベントもNPCから泉があったりするなど、イベント面で弱さの見られたウィズの欠点が解消されている。当然難易度も高くなっており、SFC版の発表当時では国産PC版を最後まで解いたプレイヤーはかなり少なかったらしいが、そこは家庭用、オートマップや自動会話システムなどのおかげで多少は万人向けとなっている。


そしてウィズではモンスターの経験値が強弱にあまり関係ない、というのがあったが、Vでは強さに比例するようになっており、特に地獄で出現するボス級のモンスターにおいては、60万以上の経験値を持つモンスターも出現する。これにより従来のグレーターデーモン稼ぎなどは一切不要になっているが、強くなると簡単にレベルを上げられ、さらにSFC版ではほぼ確実に村正やオーディンソードなどの超強力アイテムが入手出来てしまうため、かなりそっけない感じがしてしまうかもしれない。

ただ、ソーンの前に4回戦闘することになる敵キャラは、いかにこちらが強くなっても苦戦を強いられるため、レベルが高くなってもクリアは容易にはいかない所がさすがにウィザードリィといったところだ。


個人的な思い出
Vが発表された当初は、私はファミコン版のウィズにハマりにハマっており、それはそれは発売を楽しみにしていたものでした。

しかし、その後アーケードゲーマーとなりRPGからは離れ、そしていつまで経ってもウィズVは発売どころかロクに開発状況も紹介されなかったので、プレイヤーズフォーラムのハガキが届くまで存在はほとんど忘れていました。

その発売当時も私はPCE版グラディウスIIのことしか頭になかったので、発売日を過ぎても購入はしませんでした。




しかし、当時仲の良かった友人が購入し、かなり面白いと聞いていましたので私も興味を持ち、93年3月になってターボファイルアダプターと同時に購入しました。

当然転送してプレイしたのですが、当時の私のメインのパーティには忍者とビショップがいなかったため、わざわざこの二人を新たに作ってからプレイしました。それで春休み中ずっとプレイしていたのですが、やはり謎解きが本当に悩みましたね。

特にフェニックスやロードの問いなどは本当にわからず、何時間も入力の画面で悩み続けましたので、今でもこの時のBGMを聴くと悩んでいたあの頃が蘇ってくるものです。


それでも大体は自力で解けたものですが、ひとつだけどうしても正答出来ない問題があり、どうしようもなくなった私はアスキーの情報に電話をかけたのですが、たまたまウィズVの答えが流れており、それでようやく回答することが出来ました。


RETRO COMSUMERSへ戻る。


inserted by FC2 system