三國志III


SFC 光栄(コーエー) 1992年11月8日発売

14800円 12M+256KRAM

歴史シミュレーションゲーム

バッテリーバックアップ

敷居
シミュレーションゲームというのは元来複雑なものが多く、一見さんには敷居の高いジャンルとなっているのが普通だが、この三國志IIIは前作とは比較にならないほどシステムが複雑化しており、初心者には非常にとっつき辛いゲームとなっている。

一番の特徴は武将に官職制が取り入れられ、将軍、軍師、武官、文官の4つの官職から選択することになっていることだろう。

武官は戦争、徴兵、訓練など軍事に関すること、文官は開発、外交などに関することなどのように、それぞれ専門とする役割しかすることが出来ず、かなり行動が制限されてしまうのだが、ひとつの仕事に6ヶ月まで連続して従事させることが出来る。


将軍と軍師は君主のみの行動以外ほぼ全ての行動が可能だが、こちらは1ヶ月のみしか行動出来ない。ほとんどの武将は武官か文官タイプにはっきりと分かれているので、行動が制限されてしまう弊害などはさほどないのだが、武将の数が少ない時などはやはり厄介なシステムだ。君主のいる以外の国は、将軍・軍師でないと命令を出すことが出来ず、武官・文官だと自動的に委任となってしまう。つまり出陣時に自国に残す武将に将軍・軍師レベルの武将がいない場合は、新たに他の都市から呼ばなければ1ターンフイにしてしまう訳で、この辺りが三國志IIIのプレイしていて一番面倒なところだろう。

内政や訓練は1ターンで結果は出ず、翌月の命令前に結果が出るようになっている。開発などは問題ないのだが、訓練などは兵士の数が増えるにつれて訓練度が上がりにくくなるため、周りに強国がいる時はかなり怖い。

中国全土のマップは、今作では国から都市という概念となり、各都市は道で繋がれているので、新たに戦場での戦闘が可能となった。

つまり、官渡の戦いや、赤壁の戦いなど、三国志史上の有名な戦いをゲーム上で再現することも可能なのだ。

そして、ある一定の条件を満たすと、「三顧の礼」などの歴史イベントを発生させることも出来る。

これらは後のシリーズでも受け継がれているので、三國志シリーズの基礎はある程度このIIIで固まった、と言っていいかも知れない。




武将データ
今作では新たに政治力、陸戦指揮、水戦指揮のパラメータが加わり、武将データは一気に6つへと増え、画面に表示されないマスクデータも豊富となり武将にかなりの個性が生まれた。政治力は開発や外交、陸戦指揮と水戦指揮はそれぞれ70以上あると、陸戦・水戦で一斉攻撃が可能、などという特徴がある。

武将が一度に持てる兵士の数は陸戦指揮の数値で決められており、数値を100倍した数に10000を足した数が最高となっている。ただ陸戦指揮は兵士数に影響するなど一応重要なパラメータではあるものの、実際はやはり武力が最も戦闘で重要なパラメータな訳で、両指揮のパラメータの重要性はいまひとつ実感出来ないのが難点だ。次作の三國志IVではカットされたことを考えると、作者も失敗だと感じたのだろう。


戦闘は完全に一新され、フィールドはよりリアルになり三国志の戦闘の雰囲気を出すことに成功しているが、地道な作業が続くため、あまり面白いとは言えないだろう。



新武将
「三國志III」では、新たに武将も登録出来るようになり、新君主を選択した場合2人まで選択出来るようになった。新君主の設定方法は前作とほぼ同じだが、新武将はパラメータを自由には設定出来ず、武官タイプか文官タイプを選び、スロットで数値を決定するようになっている。

そのためプレイヤーの思い通りに作るのは難しいが、ちょっと頑張れば武官タイプなら武力、両指揮、文官タイプなら知力・政治力を90以上には出来るだろう。新武将は史実モードの場合は新君主が選択した武将のみだが、仮想モードならば全武将を出現させることが出来る。ファミコン版の前作とは異なりちゃんと漢字で名前を入力出来るが、文字はゲーム中に登場する文字のみに限られるので、割と簡単な漢字も入力出来なかったりするのは辛いかも。


個人的な思い出
ファミコン版の三國志IIをプレイしてしばらく経った後に購入したのですが、最初の内はシステムがとても面倒に感じたため、ほとんど面白さは感じることは出来なかったのですが、2〜3日もすると時間を忘れて深夜までプレイしてしまうほどハマっていきました。この三國志IIIでは既成の君主でプレイしたことは1度もなく、全て新君主でプレイしていったのですが、中古で購入した私のソフトは裏技を使用して君主のステータスがALL100となっていたのです。

個人的にはこういった個性のないキャラ作りは嫌いなのですが、'96年度の大技林を購入するまでこの裏技は知りませんでしたので、そのまま名前を変えて使っていきました。新武将は何人も作りましたが、原作のイメージが壊れる仮想モードではプレイしたくはなかったので、ほとんどの新武将はゲームに登場することはありませんでした。



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