リブルラブル


SFC ナムコ 1994年9月22日発売

6300円 4Mbit

操作は3種類からの選択制



11年の時を越えて
SFC版「リブルラブル」は、ナムコ黄金時代の真っ只中であった83年にアーケードゲームとして発売された同名ゲームの唯一の家庭用移植版。

当時としてはずば抜けて美しいグラフィック、PSGならではの金属的音色が印象的な素晴らしいVGM、そしてレバー2本のみ操作と言う当時のナムコならではの独特な操作性などで当時のユーザーを魅了し続けた、ナムコ黄金時代を代表する歴史的な名作だ。

しかし出回り自体は少なかったためか、後年はレトロゲームを売りとしている店でもなかなか見かける事は出来なかった。




よって当然ゲーメストに掲載されていた基板店でも10万越えはザラであり、かねてから家庭用への移植が切望されていたものだった。そんな声がナムコに届いたか、94年に遂に発売11年にしてSFC版において復活するに至った。

当時はまだレトロゲーム復刻ブームと言うものなどはなく、特にナムコはSFC以降の任天堂ハードにおいてはアーケードの移植物と言うのは少なかった(はず)ために、発売から11年後の移植と言うのは異例中の異例、まさに青天の霹靂というに相応しい移植であったが、それだけファンの要望が強かったかという事の証明だろう。


ゲーム内容
タイトル画面後にSFC版のみの紙芝居風ストーリー紹介デモが追加されているが、本編はもちろんアーケード版の忠実な移植だ。

となると肝心なのはやはり操作性であるが、基本は十字キーでリブル、右ボタンでラブルを操作する。

当然ラブルは操作し辛くなるため、右ボタンに被せる十字キー型アタッチメントが同梱されている。これだけでも随分プレイしやすくなるが、プレイ中すぐに外れてしまうため、もうちょっと強く付けれるよう工夫が欲しかったものだ。




その他にももちろん2Pコントローラを使用してのプレイもでき、ボタンと合わせ計3種類の操作系統が用意されている。これはコントローラが2個同梱されているSFC版ならではだろう。

コンフィグはわざわざディップスイッチ画面が用意されており、ここで難易度などの各種設定をする事が可能だ。

実際の操作感覚は若干ぎこちない感があり、アーケード版のようにスムーズではない。まあゲーム進行に支障があるほどでもないので、慣れれば気にはならないであろう。




またマニュアルには当時配布されていたと言うバシシブックの復刻版も収められており、本当に「アーケードゲームをやり込んでいた人へのプレゼント」を実感させてくれる。この辺りはさすがアーケードで黄金時代を築き上げたナムコとしか言いようがない。


BGM
アーケード版はあの独特の金属音と美しいメロディが大変に印象的であり、それは一度聴いたら忘れられないほど素晴らしいものであったが、もちろんPCMの利点を活かしほぼそのまま再現されている。

微妙にアーケード版と違う感じもあるが、気のせいの範囲だろう。さらにサウンドテストも可能だ。

またデフォルトではステレオ効果が取り入れられているので、モノラルで聴きたい場合はDSにおいて変更する。





当時はすでにSFC発売から4年近くが経過し、容量の増加と共に音色もさらに豊富となっていったが、そんな中でこのリブルラブルのPSG音は、まさにビデオゲームのBGMが最もゲームらしかった時代の音を甦らせてくれたものだった。

今ならCDやDVDがあるから楽勝であるが、ROMカセットではそうもいかなかったために、この出来は本当に良くやってくれた、としか言いようがない。当時を知らない私でさえその出来には偉く感激したものだったのだから、リアルタイムでプレイしていた人はまさに感涙ものだっただろう。


個人的な思い出
リブルラブルは家庭用に移植されていなかったので、その名を知ったのは「ザ・ベストゲーム」においてでした。

当時ほとんど見た事もないようなタイプのゲームでしたから、知らないゲームにも関わらずかなり興味津々で山河氏の文章を読んでいった覚えがあります。しかし83年発売のゲームでは当然見かける事もなく、プレイする事はかないませんでした。

その後行き着けとなったナムコのレトロゲームがよく設置されていたゲーセンでも入る事はなく、都心に行っても見かける事はなかったため、私にとっては長らく幻のゲームでありましたが、93年に当時存在した地元の駅前ゲーセンに突然リブルラブルが設置されていたのです!


筐体は当時の最新のものでしたので、ラブルは2Pレバーでプレイする事になっていましたが、遂に対面に至る事が出来た私はえらく感激しすぐにコインを入れていったものです。

しかしこんな小さなゲーセンではさすがにリブルラブルを知っている人も少ないため、あっさりと撤去されてしまい、結局それが最初で最後のプレイとなってしまいました。

翌年に本作が移植される事をファミ通で知り、その記事はもちろんインプレッションなどもじっくり読んだものでしたが、リアルタイムで思い入れがあった訳でもないのでゲームは購入する事はありませんでした。



しかし11年前のゲームでありながら、そこまで大きく扱ってくれたファミ通にはちょっと嬉しくなったものです。

その後数年が経ち、偶然ブックオフで見つけた私は十字キーカバーが付属されているのを確認してから、購入しました。SFCで復刻版レトロゲームをプレイすると言うのは初めての事でしたが、PSやSSのように「完全移植が当たり前」と言うハードとは異なり、「よくここまで再現!」と言う感覚に久々になる事ができ、それは懐かしく、嬉しい気持ちになれたものです。


     右下の部品が十字キー型アタッチメント            バシシブックの復刻版

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