イースI・II

PCE CD-ROM2システム

ハドソン 1989年12月21日発売

7800円 CD-ROM

アクションRPG

バックアップメモリ対応



永遠の名作
世界のゲーム史に燦然と輝く大傑作「イース」のIとIIをカップリングし、ひとつのゲームとして続けてプレイ出来るように移植されたのが、このPCE版「イースI・II」だ。

国産PC用のソフトとして発売されて以来、ありとあらゆるハードに移植されてきたこのイースであるが、このPCE版が当時のゲーム業界に与えた衝撃と言うものは計り知れないものがあり、発売直後からすでに「生ける伝説」と化した趣さえあった。






世の中名作と謳われてきたゲームは山ほどあるが、このPCE版「イースI・II」ほどプレイしたほとんどの人々を驚かせ、熱中させ、そして感動させるに至ったゲームは他にないのではないだろうか?そう断言しても過言ではないほど、この「イースI・II」はゲームの枠を超える感動を私たちに与えてくれたのだ。

当時のゲームの常識を遥かに超越したビジュアルシーン、ゲーム史上最高と言っても過言ではないほどのあまりにも素晴らしいBGM、そして声優たちの見事な演技…。すでに発売されてから15年近くも経つが、今でもPCE版「イースI・II」の輝きは色褪せない所か、この世からゲームが消えない限り永久に輝き続けていくことだろう。








ゲーム内容
イースと言うゲームは87年に日本ファルコムが国産PC用のソフトとして発売し、88年には続編であり完結編とも言えるイースIIが発売されたのだが、このPCE版はその2作をCD-ROMの大容量を活かし2本まとめて移植された。

ただIIからプレイする事は出来ない、IとIIではレベルが共通、ストーリー的にもダルク・ファクトを倒すとエンディングを迎える事なくデモの後すぐにIIのオープニングが開始されるなど、IとIIの単純なカップリングではなく改めて1作のゲームとしてリメイクされている印象が強い。




総合タイトル画面はIのものが表示されるが、BGMが無音でありあのBGMは聴く事が出来ないのが若干物足りなさを感じる。

ゲーム本編の内容としては多少難易度は下げられているようであるものの、基本的にはオリジナルに忠実であるが、高解像度モードを使用しているためとてもグラフィックがきめ細かく、もちろん文字もPCに負けず劣らず美しい文字体であり、それまでHuカードしか知らなかったプレイヤーにとって、CD-ROM2を使用しただけであのPCEがここまで見違えるのか、と思わず唸ってしまう事だろう。



そしてCD-ROM最大の難点であるロード時間だが、この「イースI・II」においては頻繁に画面が切り替わるゲーム性は持たないため、ほとんどと言っていいほど気になる部分はなく、この点もCD-ROMにとっては好都合なゲームと言えた。

コンティニューはセーブとパスワードの2種類が選択でき、セーブ可能数は基本的には5つのみであるが、パスワード入力画面で「いわさきひろまさ」と入力し元の画面に戻ると、10箇所以上のセーブが可能となり、さらにサウンドテスト等も行う事が出来る。




まあいくらセーブが出来てもPCEのバックアップRAMなどたかが知れてるので、その数の少なさが唯一の欠点らしい欠点でと言えるかも知れない。














極上のビジュアルとサウンド
そしてこのPCE版「イースI・II」が、今なお伝説的名作として語り継がれている最も大きな要因が、当時としては考えられなかったほどの美しいビジュアルシーンと、原作の持つイメージを崩さずさらに豪華にアレンジさせたCD-DAによるBGM、そして全編CD-DAによるプロの声優たちの完璧な演技である。

オープニングはPC版で没になったと言われる「テーマ・オブ・アドル」が流れる中、アドルを始めとするIのメインキャラが次々登場するが、フィーナの大きなアップや、ダルク・ファクトが上から出現するシーンなどは見ていて鳥肌が立つほど見事なものであった。



ゲーム中では重要なシーンのみキャラの顔が表示され、台詞を喋ってくれるが、上記のようAD-PCMではなく全てCD-DAなので、いずれも高音質で再生されるためとても臨場感に溢れた出来であった。特にIのダルク・ファクトのシーンなどはあまりにも格好良く、何度もプレイしていったので自然と台詞を覚えてしまったものだ。

Iをクリアするとダームのデモが流れ、その後あのテーマと共にIIのオープニングが流れていくが、これも当時のゲームの常識を遥かに超えた素晴らしいものだった。




輝きながらイースの国へと向っていくアドル、フル画面で表示された中現れるイースの国、そしてそして何と言っても振り向き画面一杯に表示される、イース最大のアイドルリリアのグラフィックに、当時のゲーマーたちは何の言葉もなく口をポカーンとさせながらただただゲーム画面に見とれるだけであった。

ゲームの歴史上最高と言っても過言ではない素晴らしいBGMも、主要な曲はほぼアレンジされCD-DA化されているが、このアレンジも単体でアルバム発売されてもおかしくないほどのクオリティの高さであり、このおかげで長い間同じ場面を徘徊する事があっても全く苦にならなかった。



またダルク・ファクトを倒すと「ファクトの章」を入手し、その本を読む事によってイースIは完結を見るが、その時に流れる「REST IN PEACE」がとてもその場面に合っており、あの激闘の後の静寂の雰囲気が個人的に物凄く好きだった。


個人的な思い出
私は「イースI・II」が特集されていた時のファミ通などは全く読んでおらず、ほとんど情報が分からずじまいであり、さらにアクションRPGと言うのも縁のないジャンルでしたから、SUPER CD-ROM2本体を購入した時も特に購入しようとは思いませんでした。

本体購入後しばらくして、近所のゲーム店に2000円ほどで中古が置いてありましたので、PCE版の「イースIII」の内容に圧倒された私は前作もプレイしておこうかな、と思い購入していきました。




その時点でもほとんど知識はなかったため、さほど期待もせずにプレイしていったものでしたからその衝撃たるや物凄く、購入してからしばらく1日1回はあのオープニング画面に見とれていたものでした。

内容的には、Iはそれほど詰まる事もなくクリアは出来たのですが、IIは「サルモンの神殿」で思いっきり詰まってしまい、さらにその途中友人がある事をしてメモリのデータを全て消してしまいましたので、再びIからプレイする羽目となってしまいました。





その後再開して何とかIIもクリアは出来たのですが、その後これ以上の衝撃や感動を与えてくれたゲームと言うのはさすがにほとんど見当たりませんでした。特にBGMに関してはいわずもがな、イースに匹敵するようなサウンドを奏でるゲームなどないと言い切ってもおかしくはないでしょう。

昔テリー伊藤氏がターザン山本に、「何故今のプロレスはつまらないか?」と言う質問をした事があり、ターザンは返答として「俺たちは馬場さんや猪木さんのプロレスを見てきたのだから、今のプロレスがつまらないと思うのは当然だ!」と言い放ち、私も妙に納得してしまったものですが、そのターザンの台詞は私のゲーマー人生にも当てはまりましょう。


つまり私が今のゲームに関心がないのも、「イースI・IIのような超名作をプレイしてきたのだから今のゲームにはもう感動も何も出来ない」、と言う訳であり、これは「イースI・II」をプレイしてきた人であればほとんどの方が納得してくれる事でしょう。











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