WIZARDRY I・II

PCE SUPER CD-ROM2システム

ナグザット 1993年7月23日発売

8400円 CD-ROM

3DダンジョンRPG

バックアップメモリ対応



中途半端
ナグザットによるPCE版ウィザードリィ第2弾の「WIZARDRY I・II」。

当時家庭用では初期のウィザードリィはファミコン版しか発売されておらず、久々にファミコン以外の機種で初期のウィズがプレイ出来ると言う新鮮さから、PCE版に期待するファンはそれなりに多かった。

しかし前作VよりもPCEオリジナル色を強く出したこのPCE版は奇妙な部分が多く見受けられ、ファミコン版のファンには到底納得の出来る出来栄えとはいかず、期待はずれも良い所であった。





内容紹介
まずつまずく点と言えばバックアップメモリを全て使用してしまう事だろう。

ウィズのゲーム性を考えればある程度予想は付く事ではあるが、それなりにプレイしていると全部使用しても容量が足りていないのでは、と思わせる部分が多いので、多少ユーザーの負担が大きくなるとは言えメモリベース128専用ゲームとして発売するべきだったように思う。






文字表記面では前作Vでは漢字が表示され、とても読みやすい字体であったが今作ではロード時間の短縮を考えたのかどうかは知らないがデモ以外においては漢字はカットされ、それでいて高解像度モードを使用しているため文字のサイズが若干小さめであり、画質の悪いビデオ出力ではボケてしまい読み辛い事この上ない。その上文章以外は全て英語のみのため、慣れていない人はかなりとっつき辛い出来となっている。






キャラクターの特性値はアスキー版を意識したのかどうかは知らないが、基本特性値+12となっており、また全く意味はないが性別も選択する事ができ、さらにレベルが常時ウィンドウに表示されるようになっている。

戦闘シーンはV準拠であり、レイアウト等はほぼそのままであるがモンスターのデザインがあまり良くはなく、ファミコン版に慣れたプレイヤーにとっては違和感バリバリだろう。

リセット技は普通に使えるが、リセットをしても起動画面ではなく城に戻るだけであり、すぐに再開する事が出来るのだが、そのためメモリにリセット回数が記憶されていき、嫌らしい事にシナリオクリア時に回数が表示されるようになっている。


ゲーム本編に関しては国産PC版を参考にしているが、PCE版はこれまたいやらしい事に独自のイベントを追加しており、Iではブルーリボンを取っただけではエレベータを使う事が出来ず、あるポイントをクリアしなければ自由に使う事が出来ない。

そして私が最高に気になった点として、いくら強い敵を倒しても似たような+1程度のアイテムしか出現せず、カシナートの剣程度のアイテムも全く出現しないので、盗賊の短刀を見つけて忍者に転職を狙った私は結局出来ずじまいであった。





IとIIのシナリオの行き来は自由に可能であるが、何とシナリオ移動時にHPが半分(!)になってしまうと言うとんでもない設定が存在するため、パスワードを使って別の名前で移動させなければならない羽目となる。

本当に良い部分のないこのPCE版であるが、BGMの出来だけは良く、一部のBGMはCD-DAとPSGの切り替えが可能であり、さらに音源とは別に城と戦闘はBGMのレベルそのものが高く、特に戦闘などは内蔵音源で鳴らしてもかなり良い出来であった。


個人的な思い出
私がこのPCE版を購入したのは発売年の翌年の春ぐらいの事でした。

一応SUPER CD-ROM2を購入したきっかけのひとつにウィズと言うのがありましたので、その事を思い出したかどうかは忘れましたがとにかく欲しくなり、購入を決意したのですが新品と中古をどちらで購入するかがちょっと迷いましたね。

価格を考えれば中古の方が遥かに安かったのですが、やはりウィズと言う事なので新品にしようとも思い、かなり葛藤がありましたが結局中古の方を購入していきました。



最初はファミコン版よりも性能の高いPCEと言う事で、それなりに満足して久々のウィザードリィをプレイしていったのですが、やはりしばらくするうちに不満が出始め、中古で買って良かった所か買った事そのものを後悔するようにもなってしまいました。

PCエンジンFANにおいて厳しい評価があったのを読んだ時は少し立腹したものですが、実際にプレイしてみると初めてのウィズがこれでは不満に思うのも当然だな、と納得したものです。







RETRO CONSUMERSへ戻る。


inserted by FC2 system