スーパーダライアス | |
PCエンジン CD-ROM2システム NECアベニュー 1990年3月16日発売 6800円 バックアップメモリ対応 8方向移動 Iボタン 対地ショット IIボタン 対空ショット |
家庭用初のダライアス |
この「スーパーダライアス」は、アーケードゲームで大ヒットを記録したダライアスの初の家庭用移植版だ。 PCEのCD-ROM2のゲームは、発売以来大半がRPGとアドベンチャーが占めていたので、アーケードの伝説的ゲームであるダライアスの発売はシューティングファンにとっては待ちに待った瞬間だった。 元々3画面のゲームを、一体どのようにして家庭用に移植するのかに注目が集まったが、その出来はとてもPCEというハードのゲームをプレイしているとは思えないほど素晴らしい出来を誇っていた。 |
ゲーム内容 |
アーケード版は3画面だったが、家庭用はもちろん1画面しかないので、アーケード版の一番左の画面を元に移植されている。 そのため画面外から弾を撃ってくるなどの攻撃はないが、ボスがかなり近くから攻撃してくるので、ボスの攻撃パターンにもよるが、ボス戦は難易度が高い。 ゾーンはアーケード版と同じ全26ゾーンだが、アーケード版はボスが11体だったのに対し、PCE版は26体、つまりゾーン毎に個別のボスが用意されている。 新たに用意されたボスは、新たに描き起こされたものではなく、アーケード版で没になったボスらしいので、違和感などはまるでない。 ただしアーケード版で可能であった二人同時プレイは不可能となり、復活時もアーケード版とは異なり、死んだその場所から復活していく。 そのためかスコアではエクステンドせず、1UPアイテムのみによるエクステンドとなっている。 難易度設定は隠し操作であり、タイトル画面でセレクトを押しながらRUNボタンを押せば難易度が選べるようになっている。 |
2重スクロール |
色々このゲームには発売前から売り文句があったのだが、まず最初に触れなければならないのは、パッケージの裏にもあるように、やはり全面全て完璧な2重スクロールを実現しているというところだろう。 スプライトを使って2重スクロールを再現しているのだが、実際天井の敵などに自機の縦座標を重ねない限りチラつきは起こらず、一見するだけでは従来の多重スクロールと本当に見分けが付かないぐらい良く出来ていたため、当時のプレイヤーはこれが本当にPCEなのか、と驚嘆せずにはいられなかった。 その分画面が上下にかなりスクロールしてしまったり、地形がアーケードそのままではなく、多少アレンジされているなどの違いはあるが、これほど見事な2重スクロールを実現されては文句が出るはずもなかった。 今のポリゴンを使ったハードでは、いくらでも多重スクロールなど可能な時代だけに、このスーパーダライアスをプレイした時のような感動は味わうことが出来ないだろう。 |
ドルビーサラウンド |
そして2重スクロールと並ぶ、このゲームのもうひとつの売りが、CDのサウンドをフルに活かしたドルビーサラウンドだ。 普通の機器に繋ぐだけでも、あのアーケード版そのままのBGMを聴きながらプレイすることが出来るのだが、サラウンド対応の機器に接続すればさらに迫力のある音でプレイすることが出来る。 ただいくら迫力があるとは言っても、正直な所このような環境でゲームをプレイ出来る人はほとんどいない訳なので、普通に考えたら何故採用したのかという疑問が残る。 これは完全に私の推測なのだが、おそらく何としてでもアーケード版に極めて近い音源を入れたいために、サラウンドという口実を付けたのだと思う。 というのはアーケード版の音源をそのまま収録する場合、PCE版はNECアベニューの移植である以上、タイトーやCD化の権利を持つサイトロンに対して、当然著作権の問題が発生してしまう訳で、両社が許可しなければ収録することは出来ない。 過去のアーケードからCD-ROM2への移植作のほとんどが、アレンジという形を取っていたのも、表向きはCDの特徴を最大限に活かすため、というものなのだが、実際はアーケード版のBGMをそのまま収録すると著作権料が発生し、ソフトの値段が跳ね上がってしまうという理由もあったはずだ。 そこでNECアベニューは、アーケード版そのままではなく、「ほとんどアーケード版と同じBGMながらアーケード版とは異なる音源」であれば収録しやすいのだろう、と考え、それで行き着いた結論が、サラウンドシステムというものだったのだろう。 あくまで推測だが、何はともあれアーケード版のVGMはアーケードゲーム史に永遠にその名を残すほど素晴らしいVGMだっただけに、サラウンドというほとんどの人にとっては意味のない選択肢を選んでまで、スタッフたちがオリジナル音源に拘った気持ちはとてもよく理解出来る。 |
個人的な思い入れ |
私にとって初めてのCD-ROM2のシューティングが、このスーパーダライアスでした。 アーケード版のダライアスは、ダライアスIIを少しプレイしたことがあるぐらいで、初代のダライアスは雑誌で画面写真を見たことしかなかったのですが、このPCE版は発表直後からファミ通の記事をずっと読んでいましたし、発売後の評価も非常に高かったので、迷うことなく購入しました。 初プレイ時の第一印象は、やはりとにかく「凄い」でしたね。 PCEとは思えないほどの見事な2重スクロール、細部まで書き込まれた背景、大迫力のBGM…とてもPCEというハードでプレイしているとは思えないほど、私が受けた衝撃というのは凄まじいものがありました。 難易度も簡単なルートを選べば、当時の私でも難なくクリア出来る難易度でしたし、見た目だけではなくシューティングとしての完成度も完璧に近いのではないか、と思います。 プレイ内容に関しての思い出と言えば、Xゾーンのタコをなかなか倒せなかったのが印象に残っています。 対空ショットはミサイルのままずっと進んでいたのですが、そうすると一番奥の足に届かず、ボムで撃とうとしても他の足を全て破壊した頃にはヤズカが出現してしまうので、結局ミサイルでは一度も倒すことが出来ませんでした。 |
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