ウィザードリィ・外伝I
女王の受難

GB アスキー 1991年10月1日発売

4500円 2M バッテリーバックアップ

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初の日本オリジナル
ゲームボーイ初のウィザードリィであり、初の日本完全オリジナルのウィザードリィでもあったのがこの「ウィザードリィ・外伝I」だ。

「魔界塔士Sa・Ga」が発売されようとしていた頃、誰もがGBでドラクエやFFがプレイ出来たらいいだろうな、と思ったことがあると思うが、さすがに情報量の多いウィザードリィとGBを結び付けた人は少なかったと思うので、まさかGB発売から1年ちょっとで発表に至るとは誰もが予想しえなかったことだろう。






発表は90年7月発売のファミ通増刊である「ゲームボーイ通信」誌上だったが、やはりGBという低年齢層中心のハードということもあってかゲームバランスの調整に手間取り、先にサントラ盤が発売されるなど発売が遅れに遅れ、一時は本当に発売されるのか、と思わせたほどであったが、91年10月になって無事発売されるに至った。

GBということで難易度が低めに設定されていると思われたが、実際は自力でクリアするにはかなり厳しい難易度であり、GBというハードでプレイするということを考えているのか、と思わせる部分もあったが、RPGとしての完成度はかなり高く、マニアには好評の作品だった。


演出面の強化
これまでのウィズの画面のイメージと言えば、「線と文字の世界」というイメージが強かったが、この外伝Iではダンジョンはもちろん、リルガミンの各施設などもグラフィックで表現されているなど、かなり大胆なイメージチェンジが行われている。慣れれば良い感じではあるが、やはりグラフィックのみで施設を選択する画面は最初は違和感があったものだ。

ダンジョンでは天井と床にグラフィックが加わり、モノクロとは言えそのグラフィックの見事さはファミコン版より勝っているといっても良いほどだ。戦闘ではファミコン版とは異なり戦闘の2種類のモンスターが表示され、エフェクトをONにした状態で攻撃や呪文を使うと、アニメーションとSEによって表現される。



キャラクターグラフィックはファミ通のイラストレーターでお馴染みだった池上嬢が担当し、末弥氏のイラストのイメージを崩さずなかなか見事な絵に書き上げているが、BGMに関しては好みが分かれるところかも知れない。





外伝Iの特徴
基本的には従来のウィズを踏襲しているが、呪文や戦闘システムにVの要素を取り入れているため、ファミコン版しか知らないプレイヤーには「新しいウィズ」というイメージがあった。

ダンジョンはオートマップの関係上、従来の20×20から16×16へとスケールダウンしたが、その分ダンジョンは表裏計12フロアという、ウィザードリィIVにつぐ大きさとなっている。

イベントも非常に豊富で、ほぼ全フロアにイベントが用意され、かなり難しい謎も用意されているが、あまりにもイベントが多いため、ファミコン版Iの好きなプレイヤーだとややウィズっぽさに欠けるのでは、と思うこともあるだろう。


当然レベル13程度では終わらず、30近くになってやっとクリアが来るというレベルなので、かなりの長丁場になるのだが、Vにならいモンスターの経験値はかなり高めに設定されているため、経験値稼ぎ自体に時間はかからないので、ゲームの展開は割りとスムーズだ。

最終目的は異次元6階にいるソークスを倒し、ソークスの剣を城に持ち帰るとエンディングを向かえ勲章が付き、異次元1階へと入ることが出来る。異次元1階のボス級の敵はレベルが40ぐらいにならないと互角に戦えないほど強いモンスターばかりだが、それだけに経験値も非常に高く、1回周れば1〜2レベルは軽く上がるだろう。





個人的な思い出
外伝Iが発表されたGB通信を買った頃はまだウィザードリィというゲームはプレイしていませんでしたが、GBとは思えない見事なグラフィックの画面に私はすぐに目を惹かれ、GB通信の中で最も興味を持ったゲームでした。

その時点で開発がまだ3ヶ月ということもあって、その後しばらく記事はなく、情報はぱったりと途絶えてしまいましたが、私自身その間ファミコン版ウィズにハマッていきましたので、外伝Iの情報がとても楽しみになっていきました。年末ぐらいになってまた紹介されるようになり、かなり完成に近く見えましたのでいよいよ発売か、という期待が膨れ上がったのですが、最初に触れたように延期に次ぐ延期でいつまで経っても発売されず、発売されるのか一時期は本当に不安になったものです。


発売日も行きつけのゲームショップでは購入出来ませんでしたが、昔良く通っていた今はない模型屋にありましたので、何とか発売日に購入は出来ました。

その時は年配の方が店番だったのですが、ゲームを買う時に「これはちょっと難しいゲームなのかな?」とか聞いてきたり、そして午後6時半頃という子供としてはやや遅い時間帯だったため、親父さんにかなり感謝してもらい、スタンプを少しおまけしてもらえるなど、凄く感じの良い親父さんでしたので、今でもその時の様子が目に浮かんできますね。

プレイに関しては、前半は直接攻撃が当たり辛いということもありなかなか思うように進めず、その後もいまひとつゲームに乗れなかったので、異次元に入った辺りでプレイをやめてしまいました。

それから何ヵ月経った後に、本屋で「ウィザードリィ・外伝Iのすべて」を購入するとまたやる気が起こり、攻略を読みつつプレイしたところかなりのめり込むことが出来ましたので、最後までクリアはもちろん、「転生の書」も入手するほどやり込みました。その後データが消えてしまいましたが、スーパーゲームボーイを利用して2度目のクリアをするなど、結果的には私にとってはかなり楽しめたゲームでした。





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