新日本プロレスリング
闘魂烈伝2

PS トミー 1996年12月21日発売

5800円 CD-ROM

メモリーカード 1〜15ブロック

8方向移動 ○ボタン 投げ技
      ×ボタン 打撃技
      △ボタン 関節技
            □ボタン 相手を起こす 走る



遥かにパワーアップして
PS初のプロレスゲームとして好評を博した、闘魂烈伝の第2作目。

さすがに2作目だけあって、前作で目に付いた不満点の多くが解消され遊びやすくなり、かなり完成度の高い作品となっている。レスラーの数は前作より増え、特にライガーと金本しかいなかったジュニア勢に大谷やペガサスが加わり、ジュニアヘビーが活性化され、もちろんレスラー自身のグラフィックも大幅に美しくなり、タッグマッチも出来るようになった。

しかし何と言ってもこのゲーム最大の売りは、新日本の創設者にして日本プロレス界のスーパースター、アントニオ猪木が実名で初めてゲームに登場したことに尽きるだろう。



猪木が帰ってきた
新日本公認のゲームは過去SFCやPCEでも発売されたが、スポット参戦とはいえまだ現役だったA猪木がゲームに登場することはなかったため、ファンたちは猪木をゲームに登場させることは無理なのか、と思っていただけに、猪木が実名で登場すると発表された時の衝撃はかなり大きいものがあった。

当時の雑誌は、ゲームシステム云々よりもまずその件を大きく扱っていたし、CMも「猪木が帰ってきた」のナレーションから始まって、ゲーム画面もポリゴンの猪木が登場するシーンばかりで構成されていた。そのようにゲーム的には非常に盛り上がったのだが、対照的に現実のプロレス界ではすでに猪木の居場所はなかったのが実情だ。



かつて新日本のドーム大会には必ず猪木の名前があり、猪木の存在なくしては大会の成功はありえない、と誰もが思っていたものだったが、ゲーム発売前年の'95年10月9日に行われた新日本VSUWFインターの大会が大成功に終わった辺りから風向きが変わり、猪木がいなくてもドーム大会は成功するという認識が強まっていった。

実際に新日本は翌年から猪木がいなくてもビッグマッチを次々と成功させ、ゲームが発売される頃には猪木の存在はほとんどのファンが忘れかけていたほど、猪木の商品価値というのはなくなっていたのだ。よって猪木登場で騒ぐ雑誌やCMを見た時は何か複雑な思いがしたものだ。


闘魂烈伝2の特徴
闘魂烈伝2をプレイしてまず見ることになるのは、猪木と武藤、橋本、蝶野らが登場するCGによるオープニングムービーだ。

まずIWGPのベルトを持った猪木が、マイクを持ちながら「その気で来るんならてめえら受けてやるぜ、てめえらの力で勝ち取ってみろコノヤロー!」と叫んでいるのだが、この時のセリフは'87年6月の両国国技館にて、マサ斉藤とのIWGP決勝戦に勝利した時の試合後に言ったセリフだ。いわゆる世代闘争が始まった時のことで、猪木が長州力、藤波辰爾、前田日明らに対して絶叫したあのシーンだ。

その後新日本の道場で猪木がスクワットやブリッジをしていくシーンへと移るのだが、やり方が実際のものと全然違っているので、この辺りはもうちょっと研究して欲しかった。

そこからシーンはIWGPのベルトと、三銃士の登場へと移り、最後に猪木の「ダーッ!」で終わるのだが、ただでさえ顔が似ていないのに加え広背筋の広がりの表現がなされていないため非常にレスラーがショボくなっているのが残念だ。

またこのムービーが流れている間は炎のファイターが流れているのだが、これはポニーキャニオンが出していた猪木のビデオシリーズ用の音源なので、オリジナルではなくカバーバージョンとなっている。

そしてこの2でも前作同様鈴木修氏がBGMを担当しているのだが、この時はほとんどのレスラーのテーマ曲がウッドベルレーベルの曲になっていたため、前作のように試合中に鈴木氏作曲のテーマ曲のカバーバージョンは使われることはない。

そのため烈伝2の曲は、全て鈴木氏がこのゲームのために新たに作曲した曲が使われているのだが、さすがに数々のプロレステーマ曲の名作を作り上げてきた鈴木氏だけあって、タイトル画面を筆頭に格好良い曲が揃っているのはさすがといったところだ。


PLAYSTATION AND SEGASATURN FOREVER 90's


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