プロ野球チームも
つくろう!

SS セガ 1998年2月19日発売

5800円 CD-ROM

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つくろうシリーズ
セガサターンではおなじみの「つくろうシリーズ」の初のプロ野球編がこの「プロ野球チームもつくろう!」だ。

プロ野球シミュレーション自体は、かのベストプレープロ野球をはじめとして過去いくつものゲームがリリースされていったが、それに経営という要素が加わったゲームは少なかったので、サターンユーザーのプロ野球ファンの関心は大きいものがあった。

実際プレイしてみるとやや不満点が目立つ感があるが、それでも野球ファンであれば十分楽しめる作品であった。





監修と解説
まずこのゲームの売りとして、監修にドジャースの野茂英雄投手、解説に故パンチョ伊東氏、実況にはNHKのアナウンサーとして活躍なされた西田善夫氏などの著名人が関わっているということがある。

ゲーム中ではFA期間が3年になっていたり、外国人枠の撤廃、トレード期間が8月31日までというゲーム独自のルールが採用されているが、これらは日米両球界での経験を活かした野茂投手自身のアドバイスによるものだ。

パンチョ伊東氏の出演は、ゲーム中のドラフト会議であのパンチョさんの名調子を再現して欲しい、という開発者の要望から生まれたものだ。

そのためドラフト会議ではもちろんだが、試合中の解説でもパンチョさんの解説を聞くことが出来る。そして実況はNHKのアナウンサーとして、主にスポーツ中継などを担当なされた西田善夫氏が担当されている。

西田氏はかつてNHKで放送した「野球殿堂物語」という番組でナレーションと聞き手を担当したのだが、私はこの番組をビデオに録画し何度も繰り返して観て西田氏の喋りのうまさは十分知っているため、西田氏の実況がゲーム中で聞けるのは嬉しい限りだ。


ゲーム内容
まずは12球団の中から好きなチームと本拠地、秘書などを決める。本拠地は日本のほとんどの都市から選択することが出来るので、自分の出身地を選択すれば思い入れも深まることだろう。

全て選択し終わったら、日本一、そして世界一を目指して30年間そのチームで闘っていくことがゲームの最終目的となる。そのように目的自体は至って普通なのだが、初期状態はチーム能力や球場の設備などがあまりにもショボいため、しっかりとチームを育てていかなければ日本一はおろかリーグ優勝するのさえ難しい。



特に1年目が辛く、ゲームオーバーの条件にオールスターまでに20勝しなければならない、というものがあるのだが、1年目ではこの条件をぎりぎりでクリア出来るか出来ないほどにチーム能力が低いため、ストレスが溜まることこの上ないのだ。よって1年目から優勝は絶対に狙えないため、とりあえず開始から数年はチーム力をアップさせていくことに専念しよう。

うまく経営していけば5年目以降には日本一になることが出来、チーム人気も上がり資金がどんどん増えていくため、そこまでいけば後は金の力に任せて常勝軍団を作り上げることが出来るだろう。しかし某球団のように目先のことばかり考えず、常に2〜3年後を考えながらチームを作り上げていくのがコツだ。

そのためには逆指名を有効に使い、Sクラスの選手を獲得していく必要があるのだが、ドラフトがある以上そう簡単に選手を獲得することは出来ない。

その場合は他球団に入団したSクラスの選手を、成長しきっていない低い評価状態の時に、自チームの評価の高いベテラン選手複数とトレードしていく。そのように常に将来を見据えたチーム作りをしていけば、最後まで日本一に輝いていけることが出来るだろう。





試合モードは試合結果のみ、ダイジェスト、オーナー自ら口出しの3つの中から選択することが出来る。当然口出しが一番面白いのだが、いかんせん試合開始前のロードが長いため全試合口出しなどとてもすることは出来ず、結局結果のみのことがほとんどだろう。それでも前述のように試合開始前のロードが非常に長いため、結果のみのモードにしても1ヶ月が終わるまでに30分もかかってしまう。

このロード時間の長さは「やきゅつく」の大きな欠点だったので、出来ればベストプレープロ野球のようにAUTO MODEが欲しかった。


OB選手
このゲームの各12球団の選手は、'97年シーズン終了時のものを参考に選ばれているのだが、30年もゲームが続いていく以上それだけではとても足りないため、現役選手以外にもOB選手と架空選手が用意されている。

OB選手はプロ野球史に詳しいファンならおなじみの顔ぶればかりで、王貞治や稲尾和久などかつてのスーパースターを自チームに入団させるのが可能だ。これはプロ野球ファンにはたまらない魅力なのだが、出演OBは発売当時ご健在の方々のみで、故人の方たちは含まれていない。

出来れば伝説的な名選手も使いたい、というのがファン心理としてあるため、この辺りはやや残念といったところだ。


個人的な思い入れ
私は昔から記録好きなプロ野球ファンなだけあって、この「やきゅつく」にはかなり楽しませてもらいました。その中で私がこのゲームをプレイする上で拘ったのは、やはり背番号です。ご存知のように、日本のプロ野球というのはOBを大切にしない傾向があるのですが、その傾向が最も顕著に現れるのが背番号です。

大リーグでは偉大な記録と、ベースボールに対して多大な貢献を残した選手の背番号というのは、まず間違いなく永久欠番となり、その背番号は本拠地のボールパークの外野フェンスなどに描かれて後世に永遠に語り継がれます。

もちろん日本でも永久欠番は存在しますが、'89年の王貞治を最後に現れておらず、現時点でわずか14人しか永久欠番は存在しないのです。それどころか入ったばかりの新人や、大した成績も残していない選手に対しても平気で偉大な選手の背番号を与えています。

球史に素晴らしい記録を残した福本豊氏や稲尾和久氏などの背番号が永久欠番にはならず、何でもない選手に平然と与えられている…私にはどうしてもこれが許せませんでした。

そこで私はこの「やきゅつく」で偉大な記録を残した選手の背番号は自主的に「永久欠番」とし、ゲームが終わるまで誰にも付けさせることはしませんでした。ゲーム自体に永久欠番のシステムはないので、当然空白のままとなってしまうのですが、その空白が何とも言えない重さをかもし出している感じがし、現実のことがあるため私にはとても満足と言えるものでした。

私はずっとそのようにしてプレイしていきましたので、続編のDC版では改めて永久欠番が取り入れられたということを知った時は本当に嬉しく、皆やはり同じ気持ちなんだな、としみじみ感じたものです。


ゲーム成績表
キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
3.90 3.26 3.55 3.55 3.60 3.91 21.76



PLAYSTATION AND SEGASATURN FOREVER 90's

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