新世紀エヴァンゲリオン


SS セガ 1996年3月1日発売

5800円 CD-ROM

ニューパッケージ版 1997年2月14日発売

2800円 CD-ROM

エヴァンゲリオン初のゲーム化
このSS版「新世紀エヴァンゲリオン」は'95年10から翌'96年3月に放映され、それから2年以上に渡って大ブームとなった大ヒットアニメをゲーム化したものだ。

発売日が'96年3月1日ということは当然放映が始まった頃にはすでに製作が開始されているのだが、当時はまだ一般には知られていなかったため、元々セガと協力していたとはいえ開発スタッフたちは先見の明があったと言える。

ゲーム内容は完全にゲームオリジナルストーリーのアドベンチャーゲームとなっており、原作の「アスカ、来日」と「瞬間、心、重ねて」の間のストーリーとなっている。



ゲームは完全にアニメーションと声優によるフルボイスで進行され、オープニングにはビスタサイズになっているもののアニメのオープニングがそのまま再現されており、もちろん「残酷な天使のテーゼ」も聴くことが出来るので、ファンにとってはたまらないだろう。

'97年2月、劇場版エヴァンゲリオンの公開とSS版の第2作目「2nd Impression」の発売が間近に迫り、エヴァンゲリオンのブームが一般にも飛び火し始めた頃には、新たに廉価版のニューパッケージ版も発売された。








ゲームシステム
ジャンルとしてはアドベンチャーゲームというようになっているのだが、通常のアドベンチャーとは異なりコマンド選択しながら進むのではなく、たまに出る選択肢を選んでストーリーを選ぶようになっている。

この選択肢はさほど出現しないので、ゲーム性はやや薄い感があるのだが、アニメ部分がなかなか良く出来ているので飽きることはないだろう。

アニメの絵はTV版からの流用も多いが、ゲームオリジナルの絵も多く用意されているので、TV版を見尽くした人も楽しめる。

ただ製作者が後に語っていたように、キャラクターが正面を向いているだけの絵が多いのがやや気にはなる。

BGMは全てアニメと同じものが使われているが、内蔵音源なのでクオリティはやや落ちている。1回のプレイは40分ほどかかるが、当然1回のプレイで全てのシーンを見ることは不可能であり、エンディングもマルチエンディングとなっているので、全てのストーリーを見るのは根気が必要だ。

エンディングもオープニング同様、アニメと同じ映像が使われており、最後には脚本としてプレイヤーが登録した名前なども表示されるほど凝ったものとなっている。

1度クリアしたらムービー保存が出来るため、普通のアニメとして見ることも可能となっている。




ストーリー
ストーリーは完全にゲームオリジナルのものとなっており、オープニングでシンジが使徒の攻撃により記憶を失くしてしまう場面から始まる。

記憶喪失ということで一見暗そうなストーリーのようにみえるが、原作でまだ明るい話が続いていた頃のストーリーということなので、シンジのギャグが見れたり、アスカがシンジとヒカリに嫉妬したりするなど、原作ではあまり見ることの出来なかった二人の姿も見れたりする。

しかしこのSS版のエヴァンゲリオンならではのオリジナル設定と言えば、やはりシンジ、トウジ、ケンスケの三人による地球防衛バンドだろう。


ストーリー上では最初はボーカルがおらず、進め方によってヒカリをボーカリストとして迎えることになるのだが、シンジが演奏している姿や、ヒカリがマイクを持って熱唱しているシーンなどは原作では見ることが出来ないため、これらは必見のシーンと言えるだろう。

またこのシーンを見ることが出来た時点でヒカリはシンジに対して好意を持っているため、ヒカリがシンジに対して照れているシーンがあるのも、原作ではトウジ一筋だったこともあるようにゲームならではのシーンだ。

なおこの時ヒカリが歌う「奇跡の戦士 エヴァンゲリオン」の曲はCD-DAとして収められているので、別にゲーム中でなくとも聴くことが出来る。


戦闘シーン
原作でもエヴァと使徒による戦闘シーンはかなりの迫力があったが、ゲームでも戦闘シーンはかなり凝った作りとなっており、エヴァならではの戦闘を十分堪能することが出来る。

流れとしてはスロットによりターンを決定、その結果により攻撃か防御となり、移動してシンクロ率の上下やライフの回復を行う、という流れだ。

攻撃と防御は近距離か遠距離か、ATフィールドを張っているか否かで攻撃方法が変わってくるため、最初のうちはやや戸惑うかもしれないが、親切な戦闘訓練モードが付いているため、数回練習してしまえば慣れることだろう。



なかなか凝った作りになっているのだが、進め方によってはかなりの時間こなさなくてはならないため、ずっとやっていると飽きてしまうのが難点だ。

また初号機、弐号機、零号機がそろって闘うシーンもあるのだが、このゲームの製作が開始された時点ではまだ原作は1〜2話、5〜6話しか出来てなかったらしく、そのため「アスカ、来日」以後の頃の話なのに零号機の色が黄色となってしまっている。

なお再生モードの場合はダイジェストとなるため、遥かに時間は短縮される。





個人的な思い出
「新世紀エヴァンゲリオン」がTV放映開始されたのは1995年10月の事でしたが、私はこの世界の事は完璧に無関心ですのでその当時は存在自体全く知らず、初めてその名を知ったのは96年の年末の雑誌に掲載されたSS版2nd Impressionの記事によってでした。

全く知りませんでしたので大ブームとか言われても何の事やらわかりませんでしたが、翌年の劇場版公開頃から一般メディアでもやたらと取り上げ始められていましたので次第に興味は持ち始めてはいきました。





同年夏の完結編の公開直後にテレビ東京で3日に分けて再放送がなされましたので、とりあえずどんなものやら、と気になった私はビデオをセットし、そこで初めてまともにエヴァの本編を見る事が出来ました。

まあTVでの特集で映し出された方たちほどまでにハマりはしませんでしたけども、それなりに楽しめた私は廉価版として発売されていたこのSS版を購入し、後に2ndやDCLなども購入していきました。

ゲーム自体はゲーム性よりも、オープニングやエンディングがちゃんとゲーム上で再現されているのが嬉しく、とりあえずそれを見れただけでも買う価値はあったと思います。




ゲーム成績表
キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
4.34 4.02 3.57 3.70 3.74 3.84 23.21



PLAYSTATION AND SEGASATURN FOREVER 90's

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