鉄拳3 | |
PS ナムコ 1998年3月26発売 5800円 CD-ROM 3D対戦格闘 メモリーカード対応 十字キー キャラクター操作 ボタン1 左パンチ ボタン2 右パンチ ボタン3 左キック ボタン4 右キック (コンフィグ可能) |
ナムコの実力を再び天下に見せ付け |
前年に発売された「鉄拳3」のPS移植版。 前作のアーケード版は元々がPS互換基板の使用だっただけに、PS版の出来が良いのは極当たり前の事であった。しかし今作のアーケード版はそれにさらに改良を加えた基板を使用しており、特に背景が大幅に強化されていたため、これはさすがに忠実な移植は不可能だろう、と誰もが思ったものだ。 よって専門誌においてPS版の画面写真が初公開された時は、その出来の凄さには誰もが目を見張ったものだ。確かに背景は1枚絵でこそあったものの、前作のように単に背景が1枚描かれている訳ではなく、ちゃんと画面に沿って回転・拡大・縮小しつつスクロールしているのがはっきりと分かったからだ。 もちろんキャラクターのグラフィック自体も前作を遥かに上回るものであったし、当然60フレームもキープしているのだから、そんな記事を見せられて期待するな、と言うのは到底無理な話であった。 完成後も各専門誌においての評価は極めて高く、特にファミ通PSのクロスレビューにおいては皆が10点を付けるなど、本当に誰もかれもが大絶賛していたものだ。 |
ゲームの特徴 |
基本的なインターフェースは前作同様であり、コンフィグ、BGMなど何から何まで前作以上の充実振り、これで不満を抱く人などまずいないであろう出来だ。 特にサウンドテストはCDを入れ替える手間こそあるものの、ディスクさえあえれば前作1,2のSTも可能と言うおまけまである。 グラフィックに関しては前述通りであり、PSの限界を超えてしまっていると言っても過言ではないほど凄まじい。確かに背景そのものは1枚絵に簡略化されてはいるが、これだけでもPSにおいては絶対に無理だと思っていたものだから、ナムコの技術力にはただただ驚かされるばかりであった。 キャラクターやその他背景はハイレゾで表現されており、このおかげでS端子以下の接続でもかなり綺麗に見えたものだ。 特にPSでもSSのようなポリゴンのハイレゾ表示が出来るとは知らなかっただけに、SS派の私でもさすがにここまでされては、ポリゴンでは絶対にPSには太刀打ち出来ないと痛感したものだった。 |
本物のモーション |
これはアーケード版の話であるが、本作ではモーションキャプチャリングに当時パンクラスの鈴木みのる選手と、テコンドーの黄秀一選手の2人が協力している。もちろんそれぞれの得意分野である関節技と、蹴り技を中心にキャプチャリングされており、真似ではない本物のモーションがゲーム画面で再現されている事になる。 もちろん私自身は二人とも前から存じていましたが、特に鈴木に関してはパンクラス旗揚げの当時から見ていましたので、あの鈴木のモーションが見れる、と言うだけでもかなりわくわくさせられたものです。鈴木みのるは業界では有名なゲーム好きであり、中学生の頃から親の金を〜でゲーセンに通っていたそうでしたから、彼にとっても十分満足の行くお仕事だったのでしょう。 |
Bleem! |
PSエミュレータの黎明期、秋葉原などでこっそり売られていた「Bleem!」と言う有料エミュをご存知の人も多いだろう。その後SCEIとの裁判に負けて、現在は廃盤となってしまったが、そのDC版のラインナップのひとつがこの「鉄拳3」であった。 ずっと後になって私も入手し、早速使ってみたのですが、これが予想を上回るほどの美しさであり、PS2における起動時も遥かに凌駕しているほどだったのです。 もちろん操作性やセーブに使い辛さがありますから、続けてプレイするような事はありませんでしたが、このポリゴンの美しさだけは一生に一度は拝んでおく価値はあるでしょう。 PC版のエミュでもポリゴンはさらに綺麗になりますが、やはり個人的には発色の美しいブラウン管で、本当のポリゴンの美しさを堪能してもらいたいものです。 |
個人的な思い出 |
前作には相当ハマッたのですが、ゲーセンには通っていなかったため、鉄拳3の事はPS版の発表まで知りませんでした。 なのであまり関心もなかったのですが、前述のよう、ファミ通において初めてその画面を見た時には久々の衝撃を受けたものですから、これはどうしても買っておきたい、と思うようになりました。もちろん発売日に購入したのですが、事前に知っていてもやはりそのグラフィックには圧倒されたものです。 しかし3D格闘の宿命か、ゲームそのものの基本的内容に関してはあまり違いは分かりませんでしたので、前作ほどに熱中する事はなかったように思います。 それでも全員でクリアするまでにはやり込み、個人的にお気に入りになったキャラはファランでありました。 ブルース・リーも映画で多用している事からも分かるよう、蹴りと言うのは非常に見栄えのする技でありますから、その影響もあってテコンドーに惹かれていましたので、ファランはその影響からでした。 しかしご存知のよう、ファランの操作は非常に難しいため、全く持って思うようなプレイは出来なかった記憶がありますが、それでもそれなりに楽しめるように作られているのがまた凄い所です。 余談でありますが、本シリーズのマーシャル・ロウは見ての通りブルース・リーをモデルにしているのですが、対戦中は今見ると「カンフーハッスル」の周星馳に見えて仕方がありません。 もっともその時の服装自体、「燃えよドラゴン」のブルース・リーそのまんまなので、別におかしい事もないのですが、ロウの技そのものはブルース・リーの影響は受けているようには見えないので、余計にそう思ってしまうのでしょう。 |
PLAYSTATION AND SEGASATURN FOREVER 90's |