三國志VI

PS版 1998年10月8日発売

DC版 1999年3月25日発売

コーエー 9800円

PS版・CD-ROM DC版・GD-ROM

DC15KHzRGB出力 画質2

歴史シミュレーションゲーム



歴史シミュレーションゲームを代表するシリーズの第6作目。

前作では名声システムにより、人心を掴むことに重点が置かれたシステムになっていたが、今回のVIでは武将の心を掴むことを重視したシステムとなっている。

武将にはひとりひとりに夢が存在し、大きく分けて皇帝を擁立して全国統一を果たす「礼教主義」、支配都市を安定させつつ領土の拡大を図る「中庸主義」、そして使える群雄を皇帝に即位させ統一を果たす「覇権主義」の3つに分かれ、さらに夢の信念の強さにより各主義それぞれ3段階分かれている。

つまり、史実における劉備、曹操、孫権の性格を、そのまま夢として表現しているという訳だ。

各夢には好きな仕事と嫌いな仕事が分かれており、基本的には夢に沿った仕事を担当させていくのが基本だが、武将数が多くなると配下武将が全て同じ主義にくくられる夢ということはまずないので、夢に沿わない仕事を担当させている武将には、「会見」コマンドを使い武将の不満を取り除いてやることが大切だ。

もし不満が溜まっても何もしないと、忠誠度が下がったり、野に下ったり、さらには同じ夢同士の武将で派閥を作り、他の派閥と対立してしまうなどロクなことがないので、群雄はこれまでよりも遥かにうまい武将の使い来なしが必要とされる。

このように、今作では担当する仕事により忠誠心が上下するシステムとなっているので、これまでの作品のようにお金で忠誠度を上げるということは出来ず、忠誠度を上げるには好きな仕事に従事させ少しづつ忠誠度が上がるのを待つしかなくなっている。

個人的には、曹操にいくら厚いもてなしを受けても劉備への忠誠心が変わることがなかった関羽のように義に厚い武将も、呂布のように利益に目がくらむ武将と同じように金で忠誠を得るという、これまでのシステムはどうにも違和感があると思っていたので、このような忠誠度のシステムはリアリティがあり良いとは思うのだが、やはりゲームとして見た場合はやや辛い部分がある。







内政と徴兵のシステム
このコーエーの三國志シリーズは本数を重ねる事に内政コマンドが簡略化されていったが、このVIにおいては最初に担当を設定しておけば後はプレイヤーは何もすることなく内政が上昇していってくれる。

このため1ターンにかかる時間がかなり短縮されているが、余程武将の能力や相性が良くないと上がり幅は少ないため、最大値にするまでにはかなり時間がかかる。

そして兵士のシステムも大幅変更され、訓練度が一切なくなったため徴兵さえ出来ればすぐに戦闘が可能となった。




よって兵士数を増やすのは容易なのだが、その分ひとつの街で可能な徴兵人数の制限が厳しくなり、小さい街だとあっという間に徴兵が頭打ちとなってしまうので、何も考えずに徴兵ばかりしていると瞬く間に詰まってしまう。

この辺りが三國志VIにおける非常に難しい部分なのだが、主に国境や海沿いに存在している異民族を支配することが出来れば強力な兵士を相当数徴兵することが可能となるため、いかに異民族を支配するかが攻略の鍵となるだろう。


戦闘システム
戦闘のシステムも大幅に変更され、最初に3日間における全部隊の行動を決める方式が取られている。

その3日間の間はプレイヤーは成り行きを見守ることしか出来ず、予期せぬ状況となってもどうすることも出来ないため、より一層先の状況を見抜く力が必要となった。

当然各部隊が同時に行動するようになっているのだが、そのため非常に処理に負担がかかり、部隊数が多いとやたらと時間がかかってしまうのが難点だ。

DC版であれば多少は処理がスムーズになっているのだが、それでももたつきを感じてしまうので、それが嫌なのであればWindows版でプレイするのが良いだろう。

Windows版は7年前の作品であるため、昨今のギガヘルツのCPUを積んだPCであれば一切の処理落ちなく進行してくれ、ゲーム性も家庭用版と大差がないため全くストレスを感じることなくプレイ出来るだろう。





官職
群雄には実際の物語同様官職なるものがあり、これが高ければ高いほど武将に将軍位を任命することが可能となり、より多くの兵士を持たせることが出来る。

この官職を得るためには皇帝からの勅命を受諾すれば良いのだが、群雄が多いとなかなか勅使は来てくれないし、勅命が実行困難だと信用度が下がってしまうのでそう思い通りにはいかない。

自らが皇帝を擁立すれば謁見コマンドが使用可能となるので、とにかく皇帝の居る都市を占領することが極めて重要となってくる。




武将の能力値
これまでの三國志シリーズではアイテムを所有している時のみ能力値が変化し、基本となる能力値は一生変化することはなかったが、このVIでは最大値こそ設定されているものの年齢や経験などによって上下するようになっている。

この成長度合いにも武将ごとに差があり、劉備や曹操などの比較的長生きした群雄は高齢になってから能力値が上がるようになっていき、諸葛亮などの天才は若い時から高齢となるまで常に能力値が高くなっている。

そしてIIIから導入された武将エディットが、このVIでようやく完成の域にまで達したのも見逃せない。



ただ家庭用は相変わらず名前入力が大変だし、データが増えた分武将登録人数が30人のみとなっているなど欠点も多いため、武将を作るのはかなりの根気が必要だ。





歴史イベント
前作では主にムービーが流れるようになっていた歴史イベントだが、このVIではアドベンチャーのような画面に移行して進行されていくようになった。

ムービーと比較すると若干寂しい感じはするが、その分各イベントの説明やキャラクターの台詞などは非常に詳しく書かれているので、より一層三國志の物語に入り込むことが出来るだろう。










PLAYSTATION AND SEGASATURN FOREVER 90's


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