ドリームキャスト
アーケードスティック改造講座

ドリームキャストの純正コントローラーというのは見ての通りアーケードからの移植ゲームには向かず、まともにシューティングや格ゲーをプレイしたいのであれば、必然的に本体と同時発売されたアーケードスティックを購入しなければならないのだが、このDC用アーケードスティックの操作性は悲しいぐらい悪く、とても万人におすすめ出来る代物とは言い難い出来となっている。

海外の非ライセンスメーカーからは非純正のスティックがかなり発売されてはいるものの、そのほとんどがHORIがかつてPS用スティックで採用したことで猛烈な不評を買った振動機能付きのスティックなので、こちらも正直おすすめ出来る代物ではない。


新たにDC用スティックを購入しなくても、非ライセンスメーカーから発売されている変換アダプタなる商品を使えば使い慣れたPSやSSのコントローラーがDCで使えるようにはなるのだが、最近は改良されているらしいものの、私は過去2度もタイムラグが発生する製品をつかまされているためとても改めて買う気にはならなかった。

それでは、一体DCでまともにシューティングをプレイするにはどうしたらいいのか、という話になってしまうのだが、そこで私が出した最終結論が、ここで扱う「DC用純正アーケードスティックに、三和電子のアーケードVF4純正レバーを取り付ける」ということだった。

鉄拳4スティックのように、簡単に取り付けることは出来ないのだが、それでもスティック本体は改造に向いている作りとなっているため、アーケードのレバーを取り付けることは十分可能だ。

それでは、私が実行したアーケードスティックの改造方法を紹介していこう。


※DCスティックの改造は、かなりの手間がかかり、失敗した時のリスクも大きいため、こういった改造などが苦手な人に対しては、改造することはおすすめ出来ません。

またこの改造に関しては、全て自己責任でお願い致します。

失敗して2度とスティックが使えなくなっても、当方は一切関知は致しません。


改造は出来ないけど、どうしてもDCでVF4純正のレバーを使いたい、という人は、下記のHPを参考にPS用の鉄拳4のスティックを改造し、海外製のDC用アダプターである、トータルコントロールPLUS5に改造した鉄拳4スティックを接続し、DCをプレイするのがいいでしょう。


鉄拳4スティックの改造ページ


用意するもの
まずは三和電子で、アーケードのVF4純正レバーという、JLF-TP-8Yと、それに繋げるJLF-Hというハーネスの2つを購入します。

通常はレバーのボールを別に購入する必要があるのですが、ボールはDCアーケードスティックのものがそのまま使えますので、それを使うのであれば購入する必要はないでしょう。

そして改造である以上、実行する以上はそれなりに工具を揃えることが必要となってきますが、特別な工具は必要はなく、どこのホームセンターでも売っている工具で十分改造は出来ます。

とりあえずここでは、私が実際に使用した工具を紹介します。

工具 用途
プラスドライバー ネジを取り付ける・ネジ穴を開ける
ペンチ・彫刻刀・カッター 本体の、スティックを取り付ける台座を削り取る
はさみ リード線を加工する
キリ ネジ穴を開けるための穴を開ける
ビニールテープ リード線の結合部分をカバーする


新たに用意するネジは、ネジ穴を開けるための先がとがっている直径3mmのネジ(長さは適当で良い)と、スティックを固定するための裏ぶたを止めているネジと同じぐらいの大きさのネジ(3×10mm程度)を用意しておきます。













本体の加工
まずはDCアーケードスティックの裏ブタを外し、スティック部分を外します。

スティック部分の外し方は、スティック部分を特に分解する必要はなく、スティックを固定している4本の長ネジを外し、レバーボールを外せば簡単に外せます。

レバーボールが外せない場合は、ペンチでスティック部分を押さえながらボールを回せば、簡単に外すことが出来るでしょう。

そうしたら本体とレバー部分を接続している、ハーネスをはさみで切るのですが、本体側のコネクタに近い部分を切ってしまうと、後々大変なので、ここではレバー側のコネクタ近くギリギリの付近を切断します。

そして三和のスティックを取り付ける訳なのですが、ネジ穴の位置が全く違い、さらに元の純正スティックを合わせるための突起部分が回りを囲っているため、そのままでは絶対にスティックを取り付けることは出来ないようになっています。

そんな訳で、スティックの台座部分のネジ穴と、突起部分を台座部分が平らになるまで完全に削っていきます。

削るコツとしては、まずある程度の間隔を開けながら、彫刻刀の大型の半円状の刀で縦に切り込みを入れます。

そしてその切り込みを入れた間に、今度はカッターで横に切り込みを入れます。

それだけ切れ目を入れれば、後はペンチで簡単に折ることが出来ますので、それを全部の突起部分が取れるまで繰り返します。

そのままではまだ段差が残ってしまい、しっかりとスティックを付けることが出来ないので、スティックが完全に密着するまで彫刻刀で削っていきます。

ネジ穴の削り方も、上記のように彫刻刀をうまく使えば、簡単に取ることが出来るでしょう。


スティックの取り付け方
スティックを完全に付けられるぐらいに削ることが出来たら、今度はスティックを完全に取り付けられるようにネジ穴を付けます。

まずはスティックを固定している、透明のストッパーと、その下に付いている基板部分を外し、ネジ穴が見えるようにし、うまく本体に合わせてテープなどで仮止めします。

DCアーケードスティックにネジで固定するためには、スティックの一番外側の四方に付いている穴を使いますので、その穴に合わせて、本体にキリで少しだけ穴を開けます。

穴が開いたら、その穴にネジを入れてドライバーで回せば、うまくネジ穴を付けることが出来ます。

スティックに開いている穴は、ネジの本体部分よりも若干大きく出来ているので、スティックがちょうどいい位置に来るように調整してからネジをいっぱいに締めて固定するようにしましょう。



         このように取り付ける                      上から見るとこんな感じ


配線の仕方
スティックを固定出来たら、後はリード線を繋げばいいのですが、DCのスティックはホリのと違って配線の位置が把握し辛いので、よく調べてから配線する必要があります。

三和のスティック側のコネクタを、どの位置に持ってくるかで配線も変わってくるのですが、とりあえずここでは私がやったコネクタを右下に置いた場合の配線の仕方を書いておきます。

ただしこのやり方だと、DCスティック本体の円柱の部分を削らなければならないので、それが嫌なのであれば自分で調べて配線した方がいいでしょう。



   右下だとこのように円柱を削る必要がある  接続が終わったら、透明のカバーを取り付けて完成だ

スティック側のリード線 本体側のリード線
茶色
黄色 オレンジ
オレンジ 黄色


配線が終わったら、スティックとハーネスを接続し、DCのユーティリティー画面などでちゃんと入力が出来ているか確認しましょう。

4方向にちゃんと入力が出来ていれば、後は裏ぶたを取り付けて完成です。










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