グラディウスII
−GOFERの野望−

コナミ 1988年3月24日発売

横画面 横スクロールシューティング

8方向レバー 自機の8方向移動

  ボタン1:パワーアップ
ボタン2:ショット
ボタン3:ミサイル



衝撃の登場
グラディウスシリーズの第4作目として、1988年のAOUショーの直後に発売されたのがこのグラディウスIIだ。

普通これほどのビッグゲームであれば、まずゲーメスト誌上で発表されるのが通例なのですが、このグラIIの場合は極秘に開発が進められ、何の前触れもなくAOUショー当日でいきなりの発表だったため、当時のゲーメストライターやゲーマーたちは大変な衝撃を受けたという。

発売されると筐体の周りが黒山のひとだかりになるほどの大ヒットを記録し、もちろん88年のゲーメスト大賞を受賞したのだが、このグラIIがゲーメスト大賞における横スクロールシューティングの最後の受賞となってしまった。

そういう意味では、この88年という年が、ゲームセンターにおける最後の横スクロールシューティングの華だった年と言えよう。


4つの機体
このグラディウスIIというゲームにおいて、前作から最も進化している部分と言えばやはりパワーアップの種類をスタート時に4つから選ぶことが出来ることだろう。

開発者によると4つのパワーアップは全て同じ強さにしたかったようだが、実際はかなり強さに差が出ており、これによって難易度にかなりの差が生まれた。

大きく分けるとレーザー系とリップル系の2つに分かれるのだが、レーザーは初代や沙羅曼蛇に比べると上下の当たり判定がかなり小さく、押しっぱなしにした時の間隔も長くなっているため、かなり使い辛くなっている。


逆に沙羅曼蛇やライフフォースでは見向きもされなかったリップルは、威力こそプレイヤーの連射能力に委ねられるものの、速度が速いことや、当たり判定がかなり大きいことなどが手伝って、とても使いやすい。これはライフフォースでリップルが全く使われなかったことの影響らしいが、いかんせんレーザーが弱くなりすぎ、もうちょっとバランスの調整が必要だったのではないだろうか。

他のパワーアップはミサイルが初代と同じミサイルの他に、敵や地形に当たると爆発するスプレッドボム、真下に落ち雑魚を貫通するフォトントーピド、沙羅曼蛇のように地形を進んではいかないものの、上下に同時に撃てる2WAYが新たに加わり、ダブルも背後に撃てるテイルガンが新たに加わっている。

ミサイルで一番目立つのはスプレッドボムで、見た目が格好良いことや、3面の結晶や5面のモアイに対し圧倒的な強さを誇っていることなどがあったため、グラIIをプレイして間もない人は2番装備を選ぶ人が多かった。しかし、上に撃てる装備がないため、最後の最後の8面で大苦戦を強いられるので結局2番装備では1周するのは難しいのであった。

最終面では上に撃てる装備がないと厳しいとわかった以上、1周クリアに最適な装備は2WAYを使える4番装備とわかり、最終的には4番、3番、2番、1番の順で使いやすいと言われた。




バリアは全装備共通となっており、初代と同じシールドと、全方向を守ることが出来るフォースフィールドの2種類から選べるようになっている。

発売当時はバリア16発、フォースフィールド3発という耐久力の差から、バリアを選ぶプレイヤーが多かったようですが、後半面や高次周まで進めるようになると、やはり全方向守れるというフォースフィールドの利点が有利になってくるため、次第にフォースフィールドを選ぶプレイヤーが増えていった。全方向守れるという利点もそうだが、何より装備していて格好良いというのもフォースフィールドを選びたくなる理由としてあるだろう。


グラディウスIIの特徴
このグラIIでもグラディウスシリーズの伝統通り、火山や結晶などの様々なスタイルのステージが用意されているのだが、全8面中プレイヤーに与えた衝撃が最も大きかったのは、やはり7面に控えるボスラッシュであろう。

それまでのグラディウスシリーズで出現したボスキャラが次々と要塞内から現れてくるさまは、初めて見たとき何て格好良い演出なんだろう、と思ったものだ。

このボスラッシュという手法を最初に使ったのはスペースハリアーという話なのだが、過去のシリーズで出現したボスがパワーアップして復活し、再出撃してくるというのはもちろんグラディウスIIが初めてだ。

もちろんその手法を用いるためには、ある程度シリーズが長続きしないといけないわけで、それだけでもこのグラディウスシリーズの偉大さがわかるというものだ。

それ以外のグラIIオリジナルのボスも、1面のフェニックスや3面のクリスタルコア、6面のビッグコアMk-II、そして8面のクラブなど、開発者の素晴らしいセンスを見せ付けられるような、格好良く独創性に溢れたボスが多数出現し、我々プレイヤーを楽しませてくれた。またボス以外では、オプションを食べてしまうオプションハンターなる敵も登場した。

オプションを4つ付けている状態が一定時間経つ度に出現するため、出現する場所によっては非常にやっかいとなる敵なのだが、オプションを4つ付けない限りは絶対に出現はしない。

そのため、3面や2周目以降の4面のみで4つめのオプションを付け、それ以外の面はオプション3つのままで進んでいくという戦法が流行した。


個人的な思い出
私はグラディウスIIというゲームはファミコン版から入りましたので、アーケード版がどういうゲームだったのかはその時点ではほとんど知りませんでした。

それからしばらくして私がアーケードゲーマーになった頃、CDショップにアポロン盤のアーケード版グラディウスIIのサントラ盤がありましたので、アーケード版のBGMだけでも聴いてみようと思い購入しました。






そのように私はアーケード版のグラディウスIIに関しては、ゲームよりもサウンドから入っていった訳ですが、CDに収録されている曲は聴きなれない曲ばかりでしたので、そこで初めてファミコン版はアーケード版とは全く違うゲームであることを知ることとなりました。その後ザ・ベストゲームを購入しゲームについての詳細を知ることができ、その直後に本厚木のゲームセンターでグラディウスIIを見つけた私は早速プレイしていきました。

ザ・ベストゲームを読んで4番装備が一番強い、ということは知っていたのですが、それ以前にプレイしていたアーケード版とSFC版のグラIIIはリップルが弱そうに見えたので全然使っていなかったこと、ファミコン版では2番装備が一番有利でスプレッドボムの強さが気に入っていたことなどがあったので、初プレイでは迷わず2番装備を選んでいきました。

当時はまだまだゲームは下手だったのですが、グラIIIをやり込んでいたおかげでゲーセンに行き始めた頃よりは多少鍛えられていましたので、思ったよりもすいすい進み、何と4面のボスまでたどり着いてしまったのです。

レバー操作に自信がなかったため、1速でプレイしていたためにデスMk-IIのミサイルがよけられず、そこで終わってはしまいましたが、この予想外のプレイに私はとてもいい気分になったものです。

後日のプレイでは4番を選んだところ、この時も楽に進めてしまい、前回終わったデスMk-IIも倒すことができ、モアイの道中も難なく進めてしまいモアイのボスまではたどり着くことが出来ました。

私が終わった後にプレイしていた方が最終面のカニまで進んでいったのでボスなどのパターンも見ることが出来ましたので、もっと練習を積んでいけば1周は狙えたかも知れませんが、そこまでやり込む事はありませんでした。

というのはやはりグラIIより先に、ゲーム的にあまりにもインパクトのあるグラディウスIIIをプレイしていたおかげでこのグラIIは何か物足りないゲームと感じてしまったからです。

さらにその後ストIIにハマってしまったため、シューティング自体から離れてしまい、結局グラIIはやり込むことがないままグラIIはウルトラマンに変えられてしまいました。


そんな訳で初プレイの当時はほとんどり込む事はなかったのですが、ゲーメスト91年9月号の「なんですか」にグラIIコピーサービスなる企画が載り、当時何でもいいからグラディウスの記事が読みたかった私は、早速500円分の切手を送りグラIIのコピーを依頼しました。

しかしゲーメストを読んですぐに切手を送ったのに夏休みが終わってもコピーが届かず、これは郵便事故でも起こったのか、と途中でかなり不安になったものですが、2学期が始まってしばらくした頃にようやくゲーメストの文字が印刷された封筒が届いてくれました。



前述のようグラII自体はあまりプレイしていなかったのですが、当時はまだアーケードゲームの記事自体あまり読んだことなかったこともあって、ひとつの読み物としてもかなり楽しめたものです。因みに配送が遅れた理由というのが別紙に書いてあり、予想以上の50通もの応募があったため、コピーするのが非常に大変だったから、だそうです。

時は経って翌年7月、新宿に行き10ヶ月ぶりにグラIIをプレイした時は自己最高だった5面はクリアすることが出来ましたが、ルートがわからない私は6面で終わってしまい、それからは再びグラIIとは縁が遠くなってしまいました。そしてその年の10月下旬、雑誌でPCEのSUPER CD-ROM2にグラIIが移植されることを知った私は狂喜乱舞し、同時期に発売予定だったFF5など目にもくれず、発売日にすぐにPCE版グラIIを購入していきました。

オリジナル面などという余計なものはあったものの、それ以外は極めてアーケード版に忠実だったこともあって、アーケード版の良い練習台になり、特に6面やカニのパターンを覚えるのにはとても有効でした。一応PCE版を1周クリア出来るようになった私は、これならアーケード版もクリア出来るだろうと思い早速新宿へ行きグラIIをプレイした所、無事1周クリアを達成する事が出来ました。

先月に沙羅曼蛇を1周していたとはいえ、まだまだ1周出来るゲームなんて稀でしたから、やはり大変嬉しいものがありました。


あとがき

アーケード版の中で最も作成に苦労したのがグラIIです。どうしても上手い文章が浮かび上がらず、パワーアップとボスラッシュのテーマを見付けるまでは本当にキーボードが進みませんでした。その反面思い出話はそれなりにありましたので、こちらの方はすらすら書き上げる事が出来ました。

攻略はずっと後になって製作したものですが、当然私ひとりの力では無理なので、過去のアーカイブなどを参考にして頂きました。グラIIはずっと苦手意識が強かったのですが、この時にそれなりにやり込んだためようやくコツを掴んだのと同時に、新たなグラIIの魅力等にも気付く事も出来ましたので、個人的にも思い出深いページです。





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