グラディウス


コナミ 1985年5月29日発売

横画面 横スクロールシューティング

8方向レバー 自機の8方向移動

   ボタン1:パワーアップ
 ボタン2:ショット
 ボタン3:ミサイル



シューティングの革命
1979年にスペースインベーダーが大ヒットして以来、シューティングゲームはナムコのギャラクシアンやゼビウスを中心として、アーケードゲーム業界を支えてきたジャンルであったが、ほとんどのゲームが縦画面であり、自機は下の方で位置し、上方から飛来してくる敵機を撃っていくというタイプのゲームばかりであった。

そのように「シューティングゲーム=縦画面」という方程式が完全に成り立っていた時代、全く正反対のコンセプトを持つ、横画面の横スクロールシューティングがコナミから発売された。





そのゲームは、単に画面の向きが変わっただけではなく、地形やパワーアップなど、それまでのシューティングには見られなかった斬新なシステムを思い切って取り入れていき、当時のゲームメーカーやアーケードゲーマーたちに大きな衝撃を与えていった。

そのゲームこそ、今なお伝説的な名作として謳われるグラディウスだ。


斬新なシステム
グラディウスが初めてゲームの中に取り入れた要素というのは本当に多い。

カプセルを取って好きなパワーアップを任意のタイミングで選択出来るパワーアップ、面ごとに雰囲気が全く異なる面構成とBGM、それまでの縦シューには見られなかった地形の要素など、今日のゲームではすっかりお馴染みとなっているシステムなどは、全てこのグラディウスが初めて取り入れたものだ。

一応地形の要素などは、グラディウスの原型とも言えるスクランブルがすでに取り入れていたものの、その後のシューティング与えた影響などを考えると、やはりグラディウスが元祖と言うに相応しいだろう。




グラディウスの魅力
グラディウスのどこに魅力があるのか、ということを論議したら、出てくる答えは人それぞれだと思うが、個人的にこのグラディウスの面白さを最大限に引き出しているとものと言えば、やはりあの美しい水色のレーザーに尽きると思う。

それまでのシューティングゲームの敵というのは、ゼビウスやスターフォースなどに代表されるよう、ひとつひとつの敵のアルゴリズムが非常に細かく練られており、プレイヤーはそれらの動きを読みつつよく狙ってショットを撃っていく、というスタイルが主流だった。





しかし、このグラディウスは全く対照的なスタイルを取っており、フル装備であればどんなに多くの敵が出現しようと1回のレーザーで全滅させることが出来るという、それまでのシューティングでは体験することの出来なかった爽快感を実現させている。

もちろん前述した2ゲームもシューティングである以上、爽快感も十分に堪能することが出来るのだが、やはり敵を一瞬で一掃してしまう気持ち良さは、このグラディウスでなければ体験出来ないものだ。

逆に爽快感を重視している以上、敵がやられ役という立場が強められており、アルゴリズムなどもさほど練られて作られてはいないため、ゼビウスなどと比べると敵の印象が薄くなっている、という欠点もあるのだが、それだけにザブやビッグコアなどのボス級の敵が引き立てて見える、という利点もある。

このレーザーのアイデアがあまりに素晴らしかったため、レーザーといえばグラディウスというイメージが完全に付いてしまったせいか、さすがに他社はシューティングにレーザーを取り入れるということは出来なかったのだが、東亜系のシューティングにみられた広範囲にショットを撃てるワイドショットなどは、グラディウスのレーザーの影響を受けていると言っていいだろう。

このようにレーザーはまさにグラディウスの象徴と言えるほどの要素なのだが、グラII以降レーザーが弱体化されリップルが主流になってしまったため、後のシリーズではレーザーの印象が薄くなってしまったのは残念だ。


パターン性とランダム性
前述したように、グラディウスというゲームは爽快感も十分に堪能することが出来るのだが、やはり地形が存在する横シューだけあって、縦シューよりも緻密な戦略が要求されるのは確かだ。

そのためグラディウスはパターンゲームとも言えなくもないのだが、それだけでパターンゲームと決め付けるのはいささか早計と言えるだろう。

2周目以降の撃ち返し弾に対してはとてもパターンだけではよけていくことは不可能だし、2面でのザブよけもパターン化出来るとはいえ、プレイヤーが人間である以上、毎回1mmの誤差もなく動くことは不可能なわけで、パターンが崩れてしまった時にはアドリブでよけられる実力が要求される。


それはグラディウスにおいてレーザーと並ぶ代表的なシステムである、オプションに対しても言えることだ。5面や7面などはオプションを一定の形のフォーメーションを組んでいくことがとても重要になっていく訳だが、これも敵弾などに邪魔されてしまった場合は理想のフォーメーションを組むことが出来ないこともある訳で、その場合もプレイヤーの実力が試されることとなる。

このように、グラディウスはパターン性とランダム性を非常に良いバランスで併せ持っているという、究極のゲーム性を持っているゲームということがわかってもらえただろう。

ちょっとプレイしただけで、グラディウスはパターンゲームと決め付ける安直な姿勢は、まさに愚の骨頂としか言いようがない愚かさだ。



サントラ盤
グラディウスのBGMが歴史的な名曲揃いだと言う事は誰もが知る事実であるが、これほどの名曲が収録されているのにも関わらず、完璧なサントラ盤が発売される事は長い間実現されることがなかった。

最初に収録されたサントラ盤は、コナミ初のサントラ盤でもあったアルファレコード発売の「コナミ・ゲーム・ミュージック Vol.1」であったが、当時のアルファのサントラと言えば「ビデオ・ゲーム・ミュージック」の流れからかゲームの流れのままSEもBGMに乗せて収録されるのが当たり前であり、グラディウスのBGMもそれにならって収録された。





BGMをじっくり聴きたいからサントラ盤を購入するのに、SEが入ってしまっているのではまさに本末転倒と言える話だが、やはりそれに不満の声が上がったのか、コナミはアルファからサントラが発売されているのにも関わらずドラクエのアルバムで有名になったアポロンと契約し、新たに同社からもサントラが発売されることとなった。しかし当然この世界の常識として、オリジナルをそのまま収録することは出来なかった。

その結果アポロン盤は思いっきりエコーがかかった出来となり、アルファ盤にあった曲名も載せる事が出来ず、またもやゲーマーの不満の募るサントラ盤となってしまった。

88年からコナミのCDは全てキングレコードから発売されるようになり、当然グラディウスのサントラ盤も期待されたが、これらの問題が色々絡んでいたせいかなかなか発売されることはなかった。

89年に発売された千両箱のCDに他のアーケードゲームと同時に収録されたが、6800円という値段ではグラディウスのためだけに購入するのは厳しいものがあり、以後もパーフェクト・セレクションやミディパワーなどのアレンジ盤が発売されるばかりでオリジナルのサントラ盤が発売される気配は一向になかった。

96年に発売されたPS・SS版の「グラディウス DELUXE PACK」でも期待されたサウンドテストは不可能であり、ファンをやきもきさせていたが、99年になり、グラディウスIVのサントラ盤にボーナストラックとしてグラディウスの全曲が収録され、2002年には遂にI〜IVまでが収録された完璧なサントラ盤が発売されるに至った。


当時の思い出
私がグラディウスを初めてプレイしたのは、忘れもしない91年7月、アルカディア02年2月号で紹介された本厚木のゲームパークというゲームセンターででした。

当時は今のようにレトロゲームを置くゲーセンが少ない時代でしたので、発売から6年が過ぎていたグラディウスをプレイすることはもうかなわないのでは、と思っていた頃でしたから、一緒にいた友人が「グラディウスがあるぞ!」と言った時には本当に感激したものです。






その時はプレイしている人がいましたので、台が開いてからプレイしたのですが、その友人もプレイさせてと色々話ながらプレイしていったためうまくプレイすることが出来ず、同日にプレイしたグラIIとは対照的に1面で1ミスしてしまったので、あっさりとゲームオーバーになってしまいました。

それ以降も何度となくプレイしたのですが、当時はレバーをまだうまく扱えない頃ということもあってロクに進むことが出来ず、3面のモアイが高い壁となって私の前に立ちはだかりました。

なかなか進めないのにイライラしたことと、ストIIのブームの影響などでしばらくプレイはしなかったのですが、10月初旬に久々にプレイした時、それまでの最高であった3面をクリアすると、以降の面も難なくクリアしてしまい、とうとう7面まで進んでいってしまったのです。

しかし、さすがに私にとって初めてのシューティングゲームの最終面だったこともあり、緊張でそれまでの面のようにはうまくいかず、結局中盤でミスしてしまい、復活することも出来ず、結局1周することはかなわないままゲームオーバーとなってしまいました。

その後すぐにグラディウスはスパイダーマンに代えられてしまい、新宿辺りにでもいかない限りグラディウスはプレイ出来なくなってしまったため、長いことグラディウスをプレイすることはありませんでした。それから2年後の93年12月、新宿のモアで実に2年ぶりにプレイした私はやっと1周クリアを達成することが出来ました。


あとがき

初代はDC製作当時は手を付けておらず、完全にPC製作時での新作で、しかもIIIまでのシリーズ中最後期に作った物です。何故作らなかったかと言う理由については、いわゆる私はリアル世代ではないため、解説をしては当時のゲーマーの方々に失礼だろう、と思ったからです。それで長く作成はしなかったのですが、やはり初代がないのは不自然と言う事と、リアルでなければ駄目なら歴史の授業は成り立たないだろう、等と思いましたので製作に踏み切りました。

ただやはりリアル世代でない分、作成には苦労するかな、と思ったのですが、その割にはそれなりに説得力のある文章が書けたと思っています。特にサントラ盤の違い関しては、レコード会社の影響である事は意外に知られていなかったので、いつかは書き上げたいテーマでした。もっともこれは完全な持論なのですが、業界的なルールを考えたらレコード会社の関係以外はありえないはずなので、もちろん自信はあります。

面紹介は元々このページでされていたのですが、ちょっと長くなりすぎたために後に分けて公開しました。内容自体はほとんど同一の物です。ザブよけパターンは製作したかったのですが、画像で紹介するとえらく面倒かつページを割くために動画において紹介しています。





inserted by FC2 system