沙羅曼蛇 | |
PCエンジン版 1991年12月6日発売 6000円 2M 横・縦両スクロールシューティング 十字キー 自機の8方向移動 Iボタン ミサイル IIボタン ショット |
家庭用初の忠実移植 | |||||||||||||||||||||
PCE版グラディウスの発売から3週間後に発売されたのが、このPCE版沙羅曼蛇だ。 任天堂ハード一辺倒だったコナミのPCE参入は当時大きな話題となり、PCEユーザーにも大歓迎されたが、参入第一弾のグラディウスは当時のファンから非難轟々の嵐を呼んでしまうほどの酷い出来だったので、この沙羅曼蛇の発売前にはコナミへの期待感は一気に冷めた感があった。 PCEの専門誌は否定的な意見はほとんどなく、軒並み好意的な意見ばかりだったが、それはやはり久々の大手メーカーの参入だっただけもあって、ご祝儀の意味が大きくかなり誇張が感じられた。 しかし、それまで家庭用唯一の移植作がアーケード版とはほど遠いファミコン版のみだったこともあり、ほぼアーケード版を踏襲しているPCE版は、出来が悪いとわかっていてもPCEユーザーのコナミファンの期待はそれなりに大きかったものだ。 |
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PCエンジン版の特徴 | |||||||||||||||||||||
前述のようのPCE版沙羅曼蛇は基本的にはアーケード版を忠実に移植しており、一見するとそのままのように見えるものの細かい部分でかなりの違いが見られる。よってアーケード版をプレイしたこのある人にとってはほとんどオリジナルゲームのように感じられてしまうことだろう。 まず一番の違いというのは、エクステンドがエブリ設定となっており、復活はある程度戻されてしまうという所だ。 エブリは間隔が短く、どんどん残機が増えていくのに加え、復活地点には必ずマルチプルやミサイルが出るようになっており、ちょっとゲームに慣れさえしてしまえば楽に先に進めるようになっている。 アーケード版のファンには不満であるだろう変更点だが、個人的には大幅にアレンジが加えられているとは言え、絶対にミスが許されないアーケード版の緊張感から解放されてプレイ出来るというのは、家庭用ということを考えたら良い変更点なのでは、と思われる。 システム面での違いは以上のような感じだが、自機のパワーアップにもかなりの違いが見られ、中でも最も違いが顕著なのは、レーザーが非常に短いことだ。 これはスプライトが64個しか出せないPCエンジンのハード上の制約から生まれたものであるため、ある程度仕方のない部分と言えるのだが、アーケード版より弱いのは明らかなため、連射をするかリップルを選んだ方が有利に進めるだろう。 フォースフィールドもアーケード版のように自機の周りに複数付けられるということはなく、自機の前方のみになっているが、アーケード版では複数付けるということは極めて難しかったため、大きな差はないだろう。マルチプルの動きはアーケード版のグラディウスII、IIIなどに近く、沙羅曼蛇独特の動きは再現されていない。 最後はアーケード版の売りのひとつであったBGMの移植度だが、さすがにこれは音源そのものが違うだけあってあのFM音源の面影はほとんどなくなっている。ただBGMそのものは良く出来ており、アーケード版のことを考えなければそこそこ聴けるようにはなっている。 |
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面紹介 | |||||||||||||||||||||
PCE版の沙羅曼蛇は当時のコナミの移植作に付きものだったオリジナル面という余計なものはなく、アーケード版と同じように6面から成っている。ただハードの性能上2重スクロールが出来ないため、面によってはかなりショボくなっているのが残念だ。 そのように忠実に再現出来ないことに開き直ったかどうかは知らないが、敵やパワーアップの出現位置がアーケード版とはかなり異なっており、アーケード版そのままの攻略法は通用しない場面が多く、面構成は同じであってもかなりオリジナル要素が強くなっていると言えるだろう。 それではそのほとんどオリジナル面と化している、PCE版沙羅曼蛇の全6面を紹介していこう。 STAGE1 BIONIC GERM この面はほぼアーケード版に忠実に移植がされている面だが、上下に大きくスクロールしてしまうのでそれには若干の注意が必要だ。 ボスのゴーレムはアーケード版と同じ誘導は出来ないため、2速でないとやや厳しい部分がある。またPCE版は誘導方法が異なるので、アーケード版のパターンは意味はない。 STAGE2 METEORITE SPACE この面もほぼアーケード版に忠実に移植がなされているが、ミサイルを当てても岩石の当たり判定がなくならないので、その分アーケード版よりも難しいと言える。 テトランは動き自体はアーケード版とそう変わりないが、コアが硬いので倒すのに時間がかかる。 STAGE3 BURNING CHAOS この面も1面同様上下にスクロールしてしまう。 炎のパターンはアーケード版1周目とほぼ変わるところはないが、ミニ太陽丸(仮名)や火鳥などが出現するジェネレーターを破壊することが出来ず、ミニ太陽丸の集団が上下から一気に出現する場所があるなど、アーケード版のようなパターンは通用しなくなっている。 ボスのイントルーダも2面の岩石同様にミサイルを当てても当たり判定は消えないので、アーケード版のように巻き込まれるよりも、大きく誘導した方が安全に倒せる。 STAGE4 VOLCANO このPCE版4面の特徴は、何と行ってもアーケード版と違って下にミサイルを撃つことが出来ないので、もちろん下のハッチを破壊することが出来ず、そのため下のハッチからの雑魚の攻撃がかなり怖い。 隕石の落下パターンもアーケード版とは違うためよけまくらなければならないし、その後の岩石も自然に分裂してしまうため急いで前に抜けなければならないなど、アーケード版と同じ感覚でプレイすると大変な目に遭うことだろう。 ボスの攻撃パターンはアーケード版と同じ青玉だが、PCE版は下に壁が存在せず、下に向かった青玉は2度と帰ってくることはないため、安全地帯など使わなくてもよけることが出来る。一応アーケード版に近い安地も存在はするが、半分近く壁にめりこませなければならず非常に怖いので、よけまくった方が安全だ。 STAGE5 ASTEROID HELL 見た目はほぼアーケード版と同じだが、敵の出現パターンが微妙に違い、一番大きな違いとしてはザブIIが8回出現するので、アーケード版と同じつもりでいると100%死んでしまう。 それに対しての攻略法は、PCE版の場合はレーザーを使っている場合は当たり判定が小さいため、同じ場所に居続けるのは危険なので、自機の前方のザブIIを倒したらすぐに前方へ抜け、後ろに伸びたマルチプルでザブIIを倒していくようにする。 一度ザブIIを全滅させたら、すぐに画面の真ん中へ戻って、再び同じようにしてザブIIを倒していこう。ここで死んでも、復活時にミサイルとマルチプルが出現するので、上記のようにやれば大丈夫だ。 ベルベルム編隊はアーケード版同様上下にマルチプルを広げていけば大丈夫だが、レーザーの当たり判定が小さいこともあり、事前にリップルに代えていった方が楽に抜けることが出来る。 ボスであるデスの攻撃パターンは全く異なっており、青玉を7方向に撃ってくるので、慎重な操作が要求される。 STAGE6 FORTRESS ZONE 最終面は前半はアーケード版とそれほど変わる所はなく、ビッグコアの安地もちゃんと使えるのだが、要塞に突入してからはダッカーが背後から出現するなど、アーケード版との違いが見られてくる。 ボスのゼロスフォースは一見するとアーケード版とほとんど同じなのだが、弱点が足ではなく目になっており、奴を倒すには目に撃ち込んでいく必要がある。 さらにグラディウスシリーズの伝統を打ち破り電撃による攻撃もしてくるので、撃ち込んだらすぐによけないとやられてしまう。さらにこの電撃はマルチプルも持っていってしまうのだが、これはほとんど意味はない。 脱出のシャッターのパターンはアーケード版と異なっているが、ちゃんと見ていけば楽に抜けられるだろう。 ENDING エンディングはアーケード版とは全く異なったものとなっているが、これはこれで良く出来ていると思う。 (エンディング画像はこちら。) |
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個人的な思い出 | |||||||||||||||||||||
このPCE版沙羅曼蛇もグラディウス同様、発売日に購入したのですがいつも買っていた店ではなく、駅前のプラモ屋で購入しました。 その時は塾に行く直前でもう夜だったのですが、そのプラモ屋のおじさんが良い人で、わざわざ夜遅く来てくれたのだからスタンプをおまけしてくれたり、前にウィザードリィ外伝Iを購入したことを感謝してくれたりして、今でも良い思い出のひとつとなっています。 ゲーム自体の完成度は紹介した通りですが、私はまだアーケード版の沙羅曼蛇はプレイしていませんでしたので、一応アーケード版準拠の移植であるPCE版沙羅曼蛇はそれなりに楽しんでプレイしていきました。 最初はビギナーでしたが、慣れてからはエキスパートでプレイしていき、グラディウス同様飽きるまで何周もプレイしていきました。 しかし翌年アーケード版をプレイし、このPCE版の移植度が悪いことをようやく知った私は、さすがにショックを覚えたものです。しかし難易度的にはアーケード版にひけを取らないこともあり、後のアーケード版初クリアにそれなりに参考にはなりました。 |
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あとがき このページもPCでの作成開始直後に作り始めたものです。なので上手く画像が収められませんでしたから、満足な面紹介が出来るほどの数が揃わず、それが現在まで続いています。ゲーム紹介はアーケード版との違いが顕著な分、とても楽に書けました。 |
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