グラディウス | |
PCエンジン版 1991年11月15日発売 6000円 2M 横スクロールシューティング 十字キー 自機の8方向移動 Iボタン パワーアップ IIボタン ショット ミサイル |
コナミ・PCエンジン参入第1弾 | |||||||||||||||||||||
1991年10月、PCEユーザーにとってはまさに我が目を疑うようなビッグニュースが各ゲーム雑誌で伝えられた。それはあのアーケードゲームメーカーの雄、コナミがPCE市場に参入する、というものだった。 そしてその参入第1弾のソフトが、コナミの看板中の看板作品であるグラディウスであった。 当時PCEはすでに高性能ハードというイメージはなくなってはいたものの、それでも移植されればファミコン版よりも出来が良いということは容易に想像出来るため、多くのグラディウスファンが期待して発売日を心待ちにしていたものだった。しかし…その期待はプレイ開始から3秒で大きく裏切られた形となった。 |
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移植とは | |||||||||||||||||||||
当時のPCE専門誌では、アーケードそのままとか、素晴らしい移植だとか書かれていたものだが、実際の出来は正直な所それとはほど遠い出来となってしまっている。 違いは色々あるのだが、まず最初に気付く違いと言えばとにかく画面の色が地味ということだろう。 PCEの発色数は512色であり、さらにそれらを同時に発色出来るのだから、グラディウスのグラフィックを再現するのはそれほど困難なことではないとは思うのだが、どうしてか明らかにアーケード版とは異なる色づかいとなってしまっているのだ。特にビックバイパーの色がかなり灰色がかっているのは、正直どうにかならなかったものか、と思う。 そしてもうひとつ欠かすことの出来ない違いに、2,3面以外のステージでもわずかに上下スクロールしてしまうという点もある。 ゲージとスコア部分が分けられているので、画面が狭くなってしまっている以上やむを得ないことなのかも知れないが、やはりプレイしていて物凄く違和感を感じてしまうし、ゲーム性にも大きく関わってくる部分なので、画面の上下が多少狭くなっても上下にスクロールと言うのは避けるべきであったと思う。 背景の星はアーケード版に近く再現されているのだが、PCEのスプライト性能では余計にチラつきを起こしているだけなので、後述のダブル同様単なるありがた迷惑だ。 サウンドも当然のことながらあの独特の金属的な音色は再現されていない。そのためドラムなどを加えて、PCEの特徴を活かしたアレンジがなされており、これはこれでまた聴けるサウンドではあるのだが、やはりアーケードのファンにとっては満足いくものではないだろう。 |
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パワーアップについて | |||||||||||||||||||||
パワーアップに関しては、ダブルが2連射となっているのが大きな違いだ。 一応モアイ面でかなりの威力を発揮してくれるのだが、余計に処理落ちを起こしてしまっているだけなのでほとんどありがたみは感じられず、むしろ余計なお世話と言った感がある。 レーザーはSFC版のグラディウスIIIのような感じのレーザーとなっている。それはいいのだが、処理落ちがかかりすぎると点滅の間隔が長くなり、非常に敵を倒しづらくなるので、3面のマザーや6面の触手でレーザーを装備していると、えらい目にあってしまう。そのためかマザーも触手も耐久力がかなり落ちてはいるのだが、結局多く敵が出現してしまうと倒せなくなってしまう。 オプションはちゃんと4つ付くがアーケード版のような動きはせず、グラIIに近い動きをする。 |
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面紹介 | |||||||||||||||||||||
PCE版グラディウスはアーケード版の7面の他に、MSX版グラディウスに存在したと言われる骨面が5面に追加されているため、全8面構成となっている。完全移植が不可能な代わりにオリジナル面を追加するというのは当時のコナミの移植作によくみられたものだが、アーケードのファンにとっては余計以外の何物でもないだろう。 それ以外は大体忠実に移植はされているのだが、最初に説明したように色がかなり異なっているため、どうしても違和感を感じてしまうのが残念だ。またオリジナル面の他に、2、3、4、6面にはエキストラステージなる面も存在する。ただPCE版では面ごとにある条件を満たさないと行けないようになっている。 1面 火山 ほぼアーケード版に忠実に作られている。 火山弾のラッシュは、アーケード版のようにやると危険なので、左端でオプションを縦に並べ、3つめのオプションを火山の火口の高さに置き、火山弾の噴火に合わせてレーザーを目押ししていく。 2面 ストーンヘンジ 最後のザブラッシュは、1回の出現数が少ないのに加え、出現の仕方が一定のパターンを繰り返しているだけなので、2周目以降も適当に動いているだけで抜けることが出来る。 またこの面で初めてフル装備でビッグコアと対峙することになるのだが、フル装備だとビッグコアを瞬殺することが可能だ。 エキストラステージは、左下の画像の上記のくぼみへ自機を合わせる。 3面 モアイ アーケード版同様ダブルで進むが、最後のマザーは上の方で説明したように、多く出現されるとレーザーでは非常に倒しづらいので、ダブルのまま倒していく。 エキストラステージは、中盤の地形の上下に計4つあるモアイの間に入るのだが、ここでは上下により行ける面が異なっている。 4面 逆火山 アーケード版とほぼ同じだが、最後のハッチ2つとアイアンメイデンが出現する場所では、アーケード版のように火山のすぐ下にオプションを並べると、ハッチを破壊してしまうので、点かせをしたいのであればアーケード版よりも下の位置でオプションを並べていく必要がある。 またアイアンメイデンは1体の間隔が長いため、1画面に最大3体ぐらいまでか出現しない。 エキストラステージは、途中の噴火する火山の火口の真下へ行く。一見危険そうだが、この火口のすぐ下は火山弾が出ていないため、火山弾が噴火していても入ることが可能だ。 5面 骨 PCE版オリジナルの骨面。地形のいたるところに骨があり、それらを撃つと骨が撃ち返してくるため、バリアを装備していないとややキツい。 敵もオリジナルのものが存在し、特に骨の顔が撃ってくる青い弾はやっかいだ。面の最後にはそいつらのラッシュがあるが、ここではオプションを上下に広げ、あまり動かずにレーザーを撃っていればいい。 6面 触手 アーケード版同様にダブルで進めばいい。前衛では早めにダブルに変え、バリアをスタンばっておこう。 7面 細胞 アーケード版と特に変わるところはない。ボスもアーケード版同様、ダブルで点かせが出来る。 エキストラステージは、ボス直前の狭くなっている地形の下の網状細胞を破壊し、その間に入っていけばいい。 8面 要塞 アーケード版同様にレーザーで進めばいいが、PCE版はオプションのフォーメーションを組みやすいので、かなり楽に進めることが出来るだろう。 エンディング エンディングは要塞の爆発シーンに加え、ビックバイパーが脱出するシーンが加えられている。そのあとにはスタッフロールが流れるのだが、この時のBGMはアーケード版パロディウスだ!のエンディングのBGMが流用されている。 またこのスタッフロールの文字は、画面の奥から拡大してきたりしてなかなか凝っているのだが、正直な話こんなことろに凝る余裕があるのならばもうちょっとゲーム本編をなんとかしてほしかったように思う。 (エンディング画像はこちら。) |
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個人的な思い出 | |||||||||||||||||||||
私がコナミのPCE参入を知ったのは、91年11月発売のファミ通の、最後の特報ページででした。 コナミは家庭用では任天堂ハード一筋というイメージがありましたし、他機種に参入するなど全く考えられない時代でしたから、そのページを見た時は本当に驚いたものです。 もちろん私は2本とも即購入を決意し、発売日にグラディウスを購入したのですが、それなりに期待はしていただけに初プレイ時は本当にがっかりさせられましたね。 本当にコナミには裏切られたような気持ちになりましたが、それでも6000円近く払って購入した手前、プレイしない訳にはいかず、それなりにやり込んでいき、アーケード版よりも遥かに簡単なこともあって飽きるまで何周もプレイしていきました。 |
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あとがき PCE版はシリーズ中でも最初期に製作したものです。最も苦労したのは画像で、もちろん自分でプレイしたのですがちょっとソフトのスナップ機能が悪く、えらく手間がかかりました。文章もまだまだコンセプトが掴み切れていませんでしたので、公開当初は自分が読んでも物凄く恥ずかしい文章でしたね。なのでその後数回加筆・修正を施してあります。 |
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