グラディウスII


ファミコン版 1988年12月17日発売

5900円 2M+64KRAM

横スクロールシューティング

十字キー 自機の8方向移動 
      
      Aボタン パワーアップ
         Bボタン ショット ミサイル



ファミコン史上最高の横スクロールシューティング
同年3月に発売された、同名アーケードゲームのファミコン移植版。

この前年に発売された沙羅曼蛇のファミコン移植版が、忠実移植は不可能なことを受けて、アーケード版とはほど遠いゲームとなって発売され不評を買ったが、このファミコン版グラディウスIIに関してはそれよりも遥かにオリジナル色が強まってしまっている。

ファミコン版沙羅曼蛇も確かにオリジナル色が強かったのだが、一応BGMなどはアーケード版のものを使用しているのに対し、ファミコン版グラディウスIIはBGMも半分近くオリジナルのものに変えられてしまっているので、正直なところアーケード版の移植とは言い難いほどだ。




しかし、ファミコン版沙羅曼蛇がファンの不評を買ったのに対し、このファミコン版グラディウスIIはそれよりも遥かに忠実でないにも関わらず、ファンからの不満はほとんど聞かれることはなかった。

何故か?それはこのファミコン版グラディウスIIというゲームは、とてもファミコンとは思えないほど凄まじい出来を誇っており、開発者のいいゲームを作ろう、という意地や執念がゲームを通じてプレイヤーに真っ直ぐに伝わってきたからだ。

シェアこそダントツであれ、性能はすでに他のハードに圧倒的に差をつけられていたファミコンというハードで、ここまでのゲームを作られては文句を付けるプレイヤーなどいるはずもなかった。もちろん当時のファミコンユーザーは初めてプレイした時誰もが驚嘆し、同時にコナミというメーカーが特別な存在となっていったものだ。


4つのオプション
このファミコン版グラディウスIIというゲームは、上記で述べたようにそれまでのファミコンソフトとは一線を画しているほどの素晴らしい技術を誇っているのだが、それらの中で、最初に特筆すべき点というのは、やはりオプションが4つ付くという点だろう。

普通にオプションが4つ付くぐらいであればファミコンでも特別な技術などは必要はないのだが、オプションを横に4つ並べてもチラつかないと来ればこれはちょっと話が異なる。

ご存知のように、ファミコンでは横ラインにはスプライトを最大64ドットまでしか並べることが出来ないため、オプションの拡大・縮小のタイミングをうまく調節し、ぎりぎりにスプライトを64ドット以内に抑えているのだ。



このグラディウスIIで、初めてオプションを4つ付けた時の感動というものは、今日の性能が良くなったハードでは体験出来ないほどの感動があったものだ。

それだけスプライトを使用している以上、チラつきが激しいのが辛いが、そんなことは些細な問題だろう。

またオプションを4つ取っている状態でさらにオプションを取ると、オプションが一定時間自機の周りを回転するようになっている。







限界を超えたグラフィック
もちろんファミコン版グラディウスIIの凄さはそれだけではなく、ボスのグラフィックなどもとてもファミコンとは思えないものがあった。

当時ファミコンでもすでにデカキャラというのは珍しくなかったが、それらの大半はただの背景と化していたり、動いても画面中を普通に動きまわる程度のものだった。

しかし、このグラディウスIIではただ単に動くだけではなく、アーケード版と同等のアニメーションを行うのだ。

特に1面ボスのフェニックスやボスラッシュのカバードコア、そして6面のクラブなどは、一体どうやったらファミコンでこのような動きを表現出来るのか、とまで思ってしまうほどの、凄い出来を誇っていたものだ。。




ゲーム内容
まずパワーアップに関しては基本的にアーケード版と同様だが、シールドがなくなりフォースフィールドのみとなっている。

スプレッドボムはちゃんと青い爆風が表現されてはいるが、さすがに大きさは小さくなり、ミサイル自体がただの丸となっている。

レーザーは沙羅曼蛇のものをそのまま流用しており、小さいレーザーが等間隔に並んでいて、2段階にパワーアップするようになっている。

リップルは大きさがアーケード版の半分ほどの大きさしかないので、レーザーと比べて有利な点はほとんどない。




アーケード版ではダントツで4番装備が最強だったが、このファミコン版グラディウスIIでは硬い敵が多いことと、上からの攻撃があまり激しくはないので、上に向かって撃つ必要がないなどの特徴があるため、最も威力が強い2番装備を選んだ方が楽に進めるだろう。

BGMに関しては内蔵音源のみだが、それでもファミコンの音源を最大限に活かした出来となっており、特に沙羅曼蛇ボスのBGMなどは必聴に値する。

またタイトル画面も凝っており、最初にグラディウスIIのイメージイラストのビックバイパーが映し出され、その後GRADIUSのロゴが文字を描くように表示されていく演出などは、格好良いの一言だ。



このように、このグラディウスIIというゲームは、最初から最後まで、一切の妥協がされていないゲームである、ということが、これまで挙げた例でわかってもらえただろう。




面紹介
このファミコン版グラディウスIIの面構成は、基本的にはアーケード版を踏襲してはいるものの、かなりアレンジが加えられているため、ほとんどオリジナルと化していると言っていい。

それでもどの面も非常に良く作りこまれているので、アーケード版とは異なるとは言っても不満を唱える人はほとんどいないだろう。

特に1面、3面、5面などは、ファミコンとは思えないほどの素晴らしい出来となっている。


1面 人工太陽

アーケード版の1面と同様の人工太陽面だ。

前半は大きさこそ小さいものの、アーケード版の人工太陽をよく再現しており、ドラゴンもデザインは異なるがちゃんと出現する。

後半は上下スクロールが止まり、大きな太陽が沙羅曼蛇の3面のようなプロミネンスを噴き出してくる。プロミネンスのある位置からは敵が絶え間なく出現してくるので、敵の出現のタイミングを見抜きながら先へと進んでいこう。

ボスもアーケード版と同じフェニックス。アーケード版と若干デザインが異なるものの、羽がちゃんと上下に動いているし、7方向のレーザーもちゃんと撃ってくるので、本当にファミコンなのか、と目を疑ってしまうほどの素晴らしい出来を誇っているボスだ。

奴に対してはオプションを下に伸ばし、スプレッドボムを当てていけばいいだろう。








2面 エイリアン

この面もアーケード版2面のエイリアン面の移植となっているが、面構成や敵にかなりの違いが見られ、BGMもオリジナルのものに変更されている。

前半はアーケード版と同様網を破壊しながら進んでいくのだが、途中で出現する団子状の敵がかなり固いので、オプションをまとめて破壊していこう。

中盤は上下スクロールが止まり、触手が出現する。

後半はアーケード版の後半で出現したエイリアンなどが出現してくる。

アーケード版2面のボスのビッグアイは、中ボスとして出現する。攻撃パターンはアーケード版と同じだが、さすがに腕から撃ってくる弾は少なくなっており、背景に張り付くこともないので、苦戦することはないだろう。

奴を倒すと先へ進み2面ボスとの対決となり、そいつの攻撃パターンは、上下にジャンプし、ある程度経つとアーケード版のデスMk-IIのようなレーザーを撃ってくる。

最初左下へと接近してくるので、その位置にオプションを伸ばしておきスプレッドボムを撃っていけばすぐに倒せるだろう。











3面 逆火山・結晶

この面はアーケード版の逆火山面と結晶面がひとつの面となっており、前半が逆火山、後半が結晶という構成になっている。BGMはアーケード版のものではなく、どちらともファミコンオリジナルのBGMだ。


前半 火山

グラディウスシリーズではお馴染みの逆火山面だが、さすがに前2作よりもグラフィックが凝っており、地形の質感が非常に良く出来ている。

噴火する火山はファミコン版沙羅曼蛇同様、噴火口を破壊することが出来る。

地形が入り組んでいるところにあるハッチは、ローリングオプションを使って破壊していこう。








後半 結晶

上下に並んだ火山を抜けるとBGMが変わり、後半の結晶面へと進んでいく。

アーケード版と同様画面一杯に破壊出来る結晶がやってくるが、さすがにファミコンの性能ではチラつきまくりなのが辛い。

破壊出来ない結晶は背景の書き換えで表現されているため、動きこそぎこちないものの、ファミコンの性能を考えたら見事なものだ。

ボスはアーケード版3面のクリスタルコア。腕と本体から撃ってくるレーザーのどちらも数が少なくなっており、アーケード版と比べたらかなり弱くなっているものの、ファミコンでこれほどまでのグラフィックを表現されては文句を付ける人などいないはずだ。








4面 モアイ

グラディウスシリーズには欠かせないモアイ面。

この面は上下スクロールに限界こそあるものの、アーケード版同様前半が通常モアイ、後半が怒りモアイに分かれており、BGMもテンポアップこそしないもののアーケード版のBGMが使われている。

ただファミコンである以上さすがにイオンリングの数が少ないので、難易度はかなり下がっている。

ジャンピングモアイは1体しか出現しない。ボスもほぼアーケード版に忠実に移植がなされている。








5面 ボス・オンパレード

このボスオンパレードはアーケード版グラディウスIIで初めて取り入れられた試みですが、このファミコン版グラIIでもしっかりと再現されている。

出現順はまず赤ザブと通常ザブのザブラッシュから始まり、ビッグコア、ゴーレム、テトラン、ゼロスフォース、カバードコアの順に出現するようになっている。

どのボスキャラもファミコンとは思えないほどしっかりと再現されているので、ボスが出現する度に感嘆せずにはいられないだろう。

BGMもあのグラディウスと沙羅曼蛇のボスBGMが流れ、どちらともファミコンの音源を最大限に活かした出来となっている。











6面 要塞

グラディウスにおいて要塞面は最終面と決まっているが、このファミコン版グラディウスIIでは最終面のひとつ前の面となっている。

スタート直後は従来の要塞面をそのまま踏襲した作りとなっている。

中盤は高速スクロールとなっているが、アーケード版の6面のように複雑ではないので、慎重にいけば問題はない。そこを抜けると、アーケード版のグラIIと同じ中ボスとの対決となる。攻撃方法も同じだが、耐久力が低くなっているので、あっさりと倒すことが出来るだろう。

中ボスを倒すと先へと進み、上下から壁が迫ってくる地帯を進んでいき、こを抜けると、背後からクラブが出現する。

アーケード版と異なり倒さないと進めないのだが、オプションをあらかじめ後ろに伸ばしておけば、足をくぐらなくても倒すことが出来る。

この壁地帯と、クラブはファミコンの処理能力ではかなり辛いと思うのだが、どちらともファミコンとは思えないほど見事に再現されている。











7面 細胞

要塞面に代わって最終面に設定されているのが、ファミコンオリジナルの細胞面だ。敵の攻撃自体は緩やかだが地形がかなり凝っており、初めてこの面に来た時は驚くことだろう。

最終ボスはアーケード版のゴーファーを見事に再現しているが、口から青い玉による攻撃をしかけてきたり、弱点が顔だったりと、アーケード版との違いも見られる。











エンディング

ゴーファーを倒すと無事1周クリアとなり、エンディングを迎えることが出来る。

エンディングはアーケード版の要塞から脱出するシーンが、3Dによる脱出シーンに置き換えられているが、それ以外はアーケード版をほぼそのまま再現している。

(エンディング画像はこちら。)


個人的な思い出
私はこのファミコン版グラディウスIIが発売された時は、ゲームと言えば野球ゲームしかプレイしない頃でしたので、存在を知ったのは翌年4月頃に購入したファミコン通信の広告だったと思います。

しかしその頃はグラディウスに対して何の思い入れもなかったため、そういうゲームが出ている、という思いしかなく、特に気にかかることはありませんでした。

その翌年、当時の部活の仲間たちが、グラIIの発売当時グラIIにかなりハマっていたことや、GB版ネメシスの影響などでグラディウスに興味を持ち始めていたことなどが重なり、ファミコン版のグラディウスシリーズもプレイしてみたい、と思い始めたので、近くのゲーム店でまずグラIIを最初に購入しました。


そのような過程で私はグラディウスIIというゲームを知ったのですが、初めてプレイした時の印象はやはり難しい、の一言でした。当時家庭用ソフトの主流はすでにRPGとなっていましたので、私も女神転生やウィザードリィばかりプレイしていたということもあるのですが、購入当日は1面のプロミネンス地帯を抜けることが出来ませんでした。

それでも私はこのグラディウスIIというゲームは、プレイしていて本当に面白いゲームだと感じていたため、投げるということなどはせず、苦戦しながらも毎日確実に進歩はしていきました。

そして購入から1ヶ月経った頃、ようやく私は1周クリアを達成することが出来ました。特別嬉しいという感覚はなかったように思いますが、やはりステージを進むごとに大きな衝撃を最後まで与えてくれましたので、今でも忘れられない名作のひとつとなっています。


あとがき

ファミコン版のグラIIは、家庭用ではかなり思い入れのある作品ですので力を入れて書きました。公開当初からちょっと絶賛しすぎているかな、と言う思いはあったのですが、やはりそれだけの作品であると思っていますので、今でもレイアウト以外の変更はほとんどありません。


ゲーム成績表
キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
3.75 4.05 3.72 3.80 3.57 3.43 22.32






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