ARCADE MANIAC

アーケードマニアック 第14回


輸出版『グラディウス』


コナミ工業『ネメシス』





『ネメシス』はコナミ工業が'85年に海外に向けて発売した『グラディウス』の輸出版。ゲームボーイのそれとはまったく関係ないのであしからず。

『グラディウス』は言わずと知れたコナミの名作中の名作。パワーカプセルを取り、ゲージを合わせて自分の好きなようにパワーアップできる自由度の高いシステムはとても斬新だった。そしてグラフィックも他を圧倒するできばえで、驚異的な大ヒットを記録することになった。

『グラディウス』の基板はバブルシステムというもので、『ツインビー』がそのシステムの第1弾。『ツインビー』の基板を持っていれば、『グラディウス』のロムに交換するだけで走らせることができる。だが、汎用性を考えたこのバブルシステムは失敗に終わった。加速度的に進化していくコンピューターの世界に、その進化自体を止めてしまうハードの規格統一。それは他のメーカーにハード的に差をつけられる結果を招いてしまい、つまらないところで損をしてしまうからだ。それと、バブルシステム自体に潜在的な欠陥があり、トラブルが続出。しかも電源も特殊なものだったので、オペレーターから徐々に敬遠されていった。

そんな教訓を活かして、『ネメシス』は専用基板で海外の市場へ流された。専用基板ということもあり、いくぶんゲーム全体の速度が上がっているようだ。それと海外版として若干の変更を受けた。スタート時とボス出現時の間を完全にカット。よりテンポのよいゲームになった。しかしそれには理由がある。例えばアメリカでは1プレー25セント。日本円で30円ぐらいか。これでは儲けがうすい。じつは少しでもインカムを上げようとした苦肉の策だったのだ。

今になってこのゲームをプレイしてみた。意外にもかなり楽しめた。やはり、それは一瞬で終わってしまう虚像のようなゲームではなく、名作である証拠だろう。(渋谷)


GAMEST AND FAMITSU REPRINTED EDITION


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