ビデオ・ゲーム・ミュージック
CD紹介

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ポニーキャニオン/サイトロンレーベル 2001年3月23日発売

ゲーマーなら誰もが知っているよう、オリジナルはアルファレコードから1984年4月25日に発売された、日本最初のビデオゲームのオリジナル音源を収録したアルバムであり、オリコンでも19位を記録したまさに名盤中の名盤だ。当時はLP・CTのみの発売であり、CD時代となってからは完全に幻のアルバムとなっていたが、20世紀末から始まったサイトロンによるアルファレコード盤の復刻シリーズにより、オリジナル盤より17年にして初のCD化により再発売された。

ただ当時を知らないゲーマーにとっては、ゲーム自体は不滅の名作とは言ってもVGMは単調なメロディが流れるだけのゼビウスや、ほとんどSEのパックマンなどは一体どのようにして収録されているのだろう、と言う疑問が沸いたであろう。


しかしさすがに元YMOの細野晴臣氏が監修しているだけあって、リアルタイムではないゲーマーたちも思わず唸ってしまうだろう。それぐらいにSEの入れ方は絶妙なものがあり、単にSEを乗っけているだけの後のアルファ盤とは訳が違う。これこそが歴史的名盤と謳われる所以であり、当時を知らなくても数年でもアーケードゲーマーであった人であれば必ずや所有しなければならない義務があるだろう。

ライナーは当時の名だたるゲーマーの方が中心に執筆なされた新作と、当時の復刻ライナーの2種類が収録されているが、一部は某サイトからの流用となっており、もちろんそのお方の名前もしっかり記載されている。ジャケットも当時製作されたと言う2種類のものが表裏にそれぞれ印刷されている。


私はザ・ベストゲームにて本作の存在を知りましたが、すでにLPは入手困難であり聴ける環境もなかったため、完全に幻の作品となっていました。それから10年近く経った2001年にやっと復刻に至った訳ですが、リアルタイム世代でない私は正直乗り気ではなく、購入しようとまでは思いませんでした。しかしネット上での評判と、そして何と言っても遠藤氏が2chに光臨した事、その影響でゼビウス1000万点を達成した事などが重なり、4月頭になって購入しました。

やはり期待は出来なかったのですが、そんな杞憂は聴いた瞬間に吹っ飛び、古き良き時代のVGMをしっかりと堪能する事が出来ました。全体的にSE入りですが、それも全く邪魔にならないほどの構成であり、さすがに細野氏、他の方とは訳が違うな、と唸ったものです。

ただこれによりアルファ盤はSE入りが当たり前となり、後の作品では邪魔に思えてしまう事がほとんどになってしまったのは残念でした。本作はあくまでSEをメロディの一部として使用しているからこそのここまでの出来であり、単にSEを入れているだけとは訳が違うので、その辺りの違いをもっと認識して欲しかったものと思います。


GAMEMUSIC MEMORIAL


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