SFC版ドラゴンクエストI・II
サントラ紹介

スーパーファミコン版 すぎやまこういち
交響組曲 ドラゴンクエストI


ソニーレコード 1994年1月12日発売

前年末に発売されたSFC版「ドラゴンクエストI・II」のドラクエIからのサントラ。と言う訳で、ゲームはI・IIまとめて1作なのに、サントラは2作に分けられて発売されたため、当時は非常に割高感を感じたものだ。

本作はジャケットにあるよう、世界一の権威を誇ると言われる「ロンドン・フィルハーモニー・オーケストラ」による初のドラクエIの演奏となっている。

しかし音自体は綺麗なものの、どこか全体的に東京弦楽合奏団版よりも音が軽く厚みが感じられない部分があるので、アポロン盤よりも遥かに優れているとは思えなかった。



また「ラダトーム城」の出来もアポロン盤では物悲しげな演奏がずばりとはまっていたが、ソニー盤では対極的に力強さを感じる演奏となってしまい、私の琴線からはかけ離れた曲調となってしまった。これは完全に好みの問題であるが、ラダトーム城はライブ版なども全てアポロン盤の流れを汲んだ曲調となっていただけに、最初に聴いた時は大変に違和感を覚えた物だ。逆に「広野を行く」などはリコーダーから始まり、オリジナルのイメージに近い感覚なので綺麗にまとまっている。

オリジナルバージョンはアポロン盤とは異なり、全曲トラック別に収録されている。これは大変にありがたいのであるが、ファミコン版とは異なり特に音質向上処理などはされておらず、曲によってはノイズも目立ち、さらに音量が小さすぎるのも難。SFCの音源は音色こそ豪華であるものの、CDで聴くとその音質の弱さが露骨に出てしまうため、結局こちらもいまひとつに思えてしまった。




スーパーファミコン版 すぎやまこういち
交響組曲 ドラゴンクエストII


ソニーレコード 1994年2月21日発売

何故かIよりも1ヶ月以上遅く発売された、SFC版ドラクエIIのサントラ。前作が期待はずれだったが、今作もリアルタイムでアポロン盤を聴いてきた人にとってはそれ以上に首を傾げたくなる出来となってしまっている。

まずは何と言っても、ファミコン版では人気の高いBGMのひとつであった「LOVE SONG 探して」のアレンジだろう。

SFC版のオリジナルの時点で嫌な予感はしたが、やはりこのロンドン版も同様のアレンジとなってしまっており、これは本当にがっかりとしか言いようがない。




その次にはSFC用の新曲である「パストラール〜カタストロフ」が収録されているが、特に名曲でもないのでありがたみは薄い。ゲーム中でもこのおかげでプレイするまでに時間がかかるので、場面自体もどうでもよかったから尚更だ。

「遥かなる旅路」はオリジナルのスコアそのものが大分追加されたため、このような演奏になるのは仕方がないのかも知れないが、アポロン盤が好きだった人はちょっと違和感があるだろう。






ドラクエのアルバムはほぼ発売してすぐに購入してきた私でしたが、さすがに2作品別々にリリースすると言うソニーの露骨な商売路線には付いて行けず、当然新品では購入はしませんでした。

数年後に中古で2枚一緒に発売されていた時にまとめて購入しましたが、その時点ではロンドン版と言う事で大変な期待をしていたものです。

よって実際に聴いた時のショックは計り知れず、中古で買えて嬉しい以前に新品で購入しなくて良かった、と言う安堵の気持ちの方が大きかったものです。




GAMEMUSIC MEMORIAL


inserted by FC2 system