ファイナルファンタジーVII


スクウェア 1997年1月31日発売

6800円 CD-ROM3枚組

フィールド型RPG

メモリーカード対応

十字キー キャラクター・コマンド操作

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PSを天下へ導いた記念碑的作品
1997年当時の「次世代機」初、そして任天堂以外で初めてのシリーズでもあった「ファイナルファンタジー」の第7作目。

従来のFFシリーズと言うのは、発売日の2ヶ月ぐらい前になってほぼ完成版の画面写真が公開され、それからほぼ延期する事もなく発売日を迎える、と言うのが通例であったが、今作のVIIは異例とも言える前年の4月頃になっての発表であった。

何故スクウェアがPSを選んだかにおいてはすでにネットでも紹介されているので省略するが、当時はまだまだPS、SSの雌雄は決しておらず、アーケードの移植物も被っていたものが多かっただけに、ユーザーとしてはどちらを選べばいいのか難しい時期であった。


ただ96年初頭の段階ではバーチャファイター2やセガラリーの大ヒット、そして本体価格も一気に定価20000円まで値下げと、SS陣営がかなり攻勢をかけてきたため、SSへ気持ちがぐらついた人が多かった。しかし直後にこの電撃的なFFVIIのPS版発表により一気にユーザーを取り込むことに成功し、PSは飛躍的に販売台数を増やしていった。

そして当時としては最新鋭のCGを駆使したムービーがバンバンCMでも放送され、年末にはデジキューブによるコンビニ販売など全ての歯車が絡み合い、それまでゲームとは無縁であったライト層をも取り込む事に成功し、最終的には300万本をも超える大ヒット作品にまで上り詰めた。




デジキューブ
91年の4月頃、当時まだ隔週刊であったファミコン通信が実施した「ドラクエ・FFのここが嫌い!」と言う街頭アンケート企画があった。それはそれは様々な不満や願望が並べられたものだが、やはり「並ばないで買いたい」、「確実に記録がしたい」、「価格が高い」などの定番的意見も見受けられた。

もちろんリアル世代は誰しもが共感する不満ではあるのだが、少しでも当時の半導体事情を知っているユーザーであればそんなの最初から無理に決まっている、言う方がみっともない、と言う思いを抱く者がほとんどであり、誰しもがそんな不満が解決する日などやってくるはずがない、と思い込んでいたものだ。




しかし…驚くべき事に1997年の1月31日時点ではそれらが全て解決してしまっていた。前年から開始された圧倒的な店舗数によるコンビニ販売、そして半導体よりも遥かに低コストで大量生産が可能なCD-ROMメディアにより、購入時の不満、願望は全て解決されてしまっていた。

もちろん一般的にもかなり話題に上っていただけに、当日のニュースなどでも様子が紹介されたが、普通にコンビニで何事もなく購入している少年たちを写すだけの映像に終始し、かつてのようなお祭りや混乱騒ぎなどは全く報道される事はなかった。しかしFFでこのような報道がされたのは初めてだっただけに、それまで一般的知名度ではドラクエに劣っていたFFは、この日を境に一気にドラクエと肩を並べる存在となった。


そしてセーブデータも、PSのメモリーカードをちょうど1データ1ブロック分消費する仕様となっていたため、メモリーカードさえ用意出来ればいくらでも記録可能、さらにこちらは電池切れも起こす不安すらないなど、まさに技術の進歩恐るべし、ドラクエ全盛時代を生きてきたものとしては夢のような時代がやってきてしまったな、としみじみ思ったものであった。

その後はPS2などハード発売日には混乱こそ起きたものの、ゲームソフトに関しては限定版などを除けば大きな混乱もなく今を迎えている。





ドラクエVII、VIIIの時もかつてのような混乱もなく平穏無事な発売日を迎えたものだが、発売日を過ぎても普通に店頭に在庫が並べられている光景を見ると、それはそれで何だか寂しい思いと、購入意欲の減少にも駆られたため、逆に昔のような黒山のひとだかりが懐かしくさえ感じられたものだった。

よって今にして思えば、ゲーム自体の欲しさもあったものの、それより他人より早く買いたい、希少性のあるものを自分だけ真っ先に手に入れて人より優位に立ちたい、と言う思いの方が強かったがために、当時はあんな混乱を招いてしまったのかも知れない。






ゲーム概要
詳しいシステム等はWikiなどに詳しいが、このゲームの特徴と言えば美しいムービー、全く新しいマテリアというシステム、そしてやはり完全ストーリー重視な展開などが挙げられるだろう。

ムービーはすでに目新しさはなくなってはいたが、それでも当時としては最高クラスのCGであり、次世代機に慣れたプレイヤーを唸らせるには十分であった。

さらにシームレスと言う通常画面とムービーを境目なく進行させる技法や、エレベーターのシーンでは主人公らを画面に残したままムービーを再生させると言う手法まで展開させるなど、明らかに他社の数歩先を行っていた作りであった。



マテリアシステムは全く目新しいシステムであり、ライトユーザーにとっては難しい面もあったかも知れないが、個人的にはその場面にあった絶妙な組み合わせを考えるのがなかなか面白く、非常に見事なシステムと思ったものだ。

ストーリは完全なストーリー重視型だ。それはFFならではと思うので批判はないが、普通に戦闘をこなしていくだけで適正レベルに達していくため、経験値やギル稼ぎが足かせになる事はほとんどない。

よって非常にスムーズにストーリーが進行していくのであるが、それにより戦闘が単なる時間稼ぎに終始している感が見受けられる。まあ1回の戦闘に時間がかかるのでそれはやむなしなのだろうが、普通のRPGよりも大分戦闘する事の意味が失われているのは確かだろう。

ただポリゴンとエフェクトを最大限に使用した戦闘画面は見事であったし、魔法やリミットを駆使したシステムも良く出来ているな、と感心したので密度自体は高かったと思う。特に究極の召還魔法であるアルティメットエンドの「ここまでやるか」と開き直りは感心したものだ。

あえて不満を挙げるのであれば、1枚絵の2D画面が若干分かり辛いのと、音源が前作よりもパワーダウンしている事だろう。特に後者はいかにも内蔵音源と言った感じの音源であり、やはりCD使わないとこんなものか、と思わされたものだが、それだけにセフィロスのボーカル音源には2重のインパクトがあったものだ。





個人的な思い出
私がPSを購入したのは96年3月末だったため、その前後から次世代機の情報を逐一チェックするようになっていたのですが、それがほぼFFVIIの発表と重なったため、個人的にもこの時の状況と言うのは良く印象に残っているものです。

ただそれまではほとんど知らず、当然任天堂とのいざこざも知らなかったので、その辺りのいきさつ自体は良く知ることはありませんでした。

しかしFFは従来ムービー重視でしたし、CD-ROM使用でポリゴンにも強いPSで出すと言うのは十分納得できる範囲でしたから、特に驚きと言うのはなかったと思います。



むしろ前述のよう、ここまで早い時期に開発中の画面を使ってまで情報を公開する、と言うのがFFにしては珍しかったので、そちらの方がインパクトはありましたね。

まあ個人的にはそんな感じでしたが、FFはV以外は最後までプレイしていましたし、嫌いでもなかったのでとりあえずPSを選んでおいたのは正解だったな、と思いました。世間的にも秋頃には完全にPS優位の状態でしたし、FFVIIの影響の大きさを改めて実感していったものですが、個人的にはSSも十分面白いソフトが集まっていましたし、まだ一概にPSの方が絶対、と私的には思いたくはありませんでしたね。




それでも年末、予約開始と同時に歩いて5分のセブンイレブンに予約を入れ、発売日には何事もなくソフトを購入する事が出来ました。この時の状況も先に記した通りですが、かつてのドラクエの混乱をリアルで体感しているため、何て凄い時代になったものだ、としみじみ思ったものです。

ゲーム的には今は賛否両論あるそうですが、BGMがやや残念だっただけであり、全体的には最初から最後まで何の不満もなく、非常に楽しむ事が出来ました。

懸念されたCDの読み込みも、ほとんど気になる事なく調整されていましたし、初のCD-ROMである事を思えば見事としか言いようがなかったものです。


ただユフィとヴィンセントだけは分からず、ファミ通の記事を読んでしまいましたが、その後は海チョコボもナイツオブラウンドも自力で見つける事が出来ました。

このようにクリア後にも楽しみを残してくれている事や、中盤のゴールドソーサーのようなおまけなど、これまでのFFにはなかった要素もてんこもりでしたので、私的には大変満足のいくゲームであったと思います。








PLAYSTATION AND SEGASATURN FOREVER 90's


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