ファイナルファンタジー | |
スクウェア 1987年12月18日発売 5900円 2M+64KRAM フィールド型RPG キャラクター・コマンド操作 Aボタン 決定 Bボタン キャンセル |
新しい風 | ||||||||||||||
2002年6月現在、シリーズ全11作を数え、家庭用RPGで最長のシリーズとなっているファイナルファンタジーシリーズの記念すべき第1作目。 ファミコンにおけるコマンド式RPGの元祖といえば、もちろんドラゴンクエストだが、ドラクエは難易度こそ万人向けに易しくなっているものの、元はウィザードリィとウルティマという2大RPGを参考にしているため、オリジナリティという部分には少し欠けるものがあった。 しかし、このファイナルファンタジーでは、それらの既成のRPGの枠にとらわれず、実に自由な発想によって作られており、今でこそ見慣れたシステムであっても、当時はそのシステムのほとんどが私たちプレイヤーの目には非常に斬新なものとして映ったものだ。 発売2ヶ月後にドラゴンクエストIIIの発売日が控えていたため、その存在は影に隠れがちだったものの、それでも54万本を売り上げるという大健闘で、当時RPGと言えばドラゴンクエストとその亜流しかなかったファミコンのRPGシリーズに新たな風を送り込んだ。 |
||||||||||||||
タイトル画面 | ||||||||||||||
このゲームで最初に驚かされるのは、何と言っても電源を入れてもタイトル画面が出てこない、ということだろう。 そのままゲームを開始し、最初のボスであるガーランドを倒して、コーネリア近くの橋を渡ろうとすると突然画面が切り替わり、そこでようやくタイトル画面が現れるため、タイトル画面は電源投入直後に現れるという常識を根底から覆してしまった。 このようにゲームの途中でタイトル画面が現れるという演出はIIでは採用されなかったものの、IIIで再び見ることが出来たため、これはFFの専売特許なんだろうな、と思っていたものだから、あっさりドラクエがVで真似をした時には何だか凄く嫌な気分になったものだ。 |
||||||||||||||
魔法 | ||||||||||||||
それまでのファミコンRPGでは呪文・魔法はレベルを上げて覚えていく、というのが常識だったが、このFFでは魔法はお店で購入して覚えていく、という方式が取られている。 そしてレベルが8つに分けられており、それぞれのレベルにおける使用回数が独立しているという、いわゆるウィザードリィタイプの魔法使用方式も、ファミコンでは初めて採用された。 これらのシステムに関しては特に問題はないが、各レベルの魔法は4つ用意されているのに、3つしか習得出来ないことや、魔法使用回数があまりにも少ないという、このFF独自の特徴に関しては当然非難の声が多かった。 3つしか習得出来ないのは、プロデューサーの坂口氏曰く「選択という楽しみを入れたかった」と語っているように意図的に組み込まれたものだが、やはりプレイヤーとしては一度に全部の魔法を使ってみたいし、特にこのFFではセーブがひとつしか出来ないのでなおさらだ。 また使用回数はウィザードリィが各レベル最高9回までしか使えないので、それを参考にしているからこのFFでも少ないのだと思うのですが、ウィザードリィでは地下迷宮が舞台なため、いつでも城へ戻ることが可能なので各9回でも十分なのだが、フィールド型RPGのこのFFではそうはいかないため、9回ではとても魔法がもたない。 IIIでも再びこのシステムが採用されたが、IIIでは全ての魔法を習得することはもちろん外すことまででき、また使用回数も段違いに増えていたので、Iの不満点は全て解消されていた。 |
||||||||||||||
戦闘シーン | ||||||||||||||
敵キャラが正面を向いているトップビュー方式でなく、左側に敵グループ、右側にプレイヤーのパーティが並んでいるサイドビュー方式が採用されたのは、このゲームにおける最大の特徴と言ってもいいだろう。 そのおかげで、それまで攻撃してもメッセージが出るだけだった従来のRPGとは異なり、プレイヤーキャラが攻撃に応じてしっかりとアニメーションするという部分は、以降のファミコンRPG界に大きな影響を与えた。 その分時間がかかってしまうため、それを補うためかレベルが上がるのが従来のRPGよりもスムーズになっており、経験値稼ぎのための戦闘が少なくなっている。 |
||||||||||||||
その他の特徴 | ||||||||||||||
上記に挙げた特徴以外にも、Aボタンひとつで人と会話出来たり、宝箱を調べたり出来ることや、スタートボタンでステータス画面が表示されたりするシステムなども、ファミコンRPGではこのFFが最初に取り入れたものだ。 アイテムを使用する時などは多少面倒だが、使用回数で言えばやはり会話や調べるの方が断然多いし、このシステムのおかげでかなりプレイしやすくなっていると言っていいだろう。 セーブはわざわざ指定の場所まで行かなくても良く、フィールド上であればどこでもセーブが出来るため一見するととても便利に思えるが、その代わりからか全滅するとゲームオーバー扱いになってしまうため、それまで稼いだ経験値やギルが全て水の泡となってしまうのは非常に辛い。 |
||||||||||||||
当時のお話 | ||||||||||||||
私がこのゲームを初めてプレイしたのは、'90年の6月頃、つまりIIやIIIよりも後の事でした。 発売当時はドラクエIIIの情報を得るために毎号ファミマガを読んでいましたので、もちろんこのゲームの記事も見てはいたのですが、敵キャラのグラフィックがドラクエと比べて格好悪いな、という悪印象しか残らなかったため、とても購入しようと思うことなどはなかったのです。 それ以降も興味を持つことはなかったのですが、'90年になってIIとIIIをプレイした時に、このFF独自のシステムや世界観に惹かれましたので、原点であるFFIもプレイしてみたいと思い始め、発売から2年半経ってようやく購入したという訳です。 ただ購入したはいいものの、2年半前のゲームに今更本気になって取り組むというのも面倒に感じましたので、攻略本を購入して、それ見ながらプレイしていきました。それだけ適当にプレイしていきましたので、このゲームに対する思い入れなどほとんど生まれなかったですね。 先にIをプレイしていたら、攻略本も見ずにプレイしていったと思いますし、ゲーム内容に対してかなりの衝撃があったとは思うのですが、IIやIIIがあまりにもインパクトのある作品でしたので、その後にIをプレイしていっては、衝撃が薄くなってしまうのはやむを得ないでしょう。 |
||||||||||||||
ファイナルファンタジー ファミ通クロスレビューへ行く。 |
||||||||||||||
FAMILY COMPUTER |