力技 |
アーケードカード第2弾「龍虎の拳」。本作もアーケードカード発売直後のソフトであったのだが、PCエンジンFANなどでは餓狼2ほど扱いは大きくはなかった。
理由としては餓狼2同様にキャラパターンの移植は可能であっても、アーケード版同様の拡大・縮小はさすがにアーケードカードを持ってしても不可能なのは分かりきった事であるため、どうしても再現性と言う点で大きく及ばなかった点などがあるだろう。
もちろん単純に餓狼2の方が人気が高かった、と言う事もあるのだが、逆にあまり紹介されなかった事もあって、どのように拡大・縮小などが再現されているのか想像が膨らんだものだ。
結果的には拡大・縮小そのものはもちろん、キャラクターの大きさもアーケード版には及ばなかったが、それでも3機種の移植の中では最も上手く、そして大きく再現されていたし、当然アーケードのパターンもほぼ通用したため、性能を考えれば良くここまで、と素直に思わせたものだ。
がしかし、本作を語る上で避けられない致命的欠点が存在してしまう。それはロード時間のあまりの長さだ。餓狼2も大分待たされたものであるが、本作はデモ画面でCD音源が使われてしまうため、読み込み時間全てがローディング画面で行われてしまうのに加え、何回か1回かの割合で読み込みミスしてしまい、ミスする度に最初から読み込む羽目になってしまうのだ!
私はSUPER-CD-ROM2を使用しており、Duoなどを使っていた場合はどうなのかは知らないのだが、PCエンジンFANの投稿でも指摘されていたため、まあほとんどの人がこの長さを味わった事なのだろう。
よってあまりの読み込みの長さに辟易してしまい、よほど時間に余裕がなければとてもプレイする気の起きないゲームと言えた。
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PCE版の特徴 |
デモ画面はCD-DAと言う事もありかなり忠実だが、氷柱割りシーンの縮小はしない。
ステージ画面の特徴としては、雑誌でも指摘されていたようにゲージ部分が完全に真っ黒と言う事が挙げられる。よって見た目はいまひとつではあるのだが、PCEの性能を考えればやむを得ない部分であったため、特に不満を述べる人は少なかったであろう。
背景そのものの出来は良い。アーケード版も2重スクロールは一切存在しなかったので、これはPCEにとって幸いであった。終了後のスコア精算時はさすがに背景真っ黒になってしまう。デモ画面はほぼ忠実だが、台詞画面の2重スクロールはカットされている。
BGMは一応アレンジではあるものの、アーケード版の音源をそのまま生音として再現したかのような感じであるため、実質アーケード版の音源がクリアになっただけ、と言う感覚だ。よってまず不満を述べる人はいないと思うのだが、どういう訳か非常に音が小さめに収録されているので、いちいちボリュームを上げるのが面倒であった。
そして餓狼2と異なりほとんどのシーンでCD-DAが使用される。これはまあ豪華ではあるが、前述のようデモ画面でもCD-DA使用なためデータの読み込みがされず、それが余計に読み込みの長さを助長してしまっているのが難だった。SEはADPCM使用であり、餓狼よりか遥かに迫力があるのは嬉しい。
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個人的な思い出 |
餓狼2は非常に楽しみで発売と同時に買ったものですが、龍虎にはいまひとつ思いいれがなかったのと、前述のようPCエンジンFANでもさほど大きくは扱われなかったため、発売日からしばらくして購入した覚えがあります。
プレイした時の感想は大体これまで記した通りであり、やはり読み込みの長さはいかんともしがたかったため、あまり長くはプレイしていなかったように思えます。
ただBGMがサントラとして十分すぎるほどの役目を果たしてくれましたので、失礼ながらほとんどサントラとしての利用の方が高かったように思えます。
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