餓狼伝説SPECIAL

ハドソン PCE

アーケードカード専用CD-ROM2

1994年12月2日発売

CD-ROM 対戦格闘

6ボタンパッド対応



執念の移植
PCEによるネオジオ移植版第4弾にして、最後のPCE移植版となった「餓狼伝説SPECIAL」。

前3作のノウハウが蓄積された本作の出来は実に素晴らしく、キャラパターンは当然の事として操作性、CPUのアルゴリズムなど、ほぼ完璧と言っていいほどアーケード版そのままに移植がなされており、アーケードゲーマーをも唸らせるのに十二分すぎるぐらいの出来を誇っている。

そして操作性だけでなく、アーケードカード最大の欠点であった読み込みの長さも改善されたのも忘れてはならない。



地球が回るシーンがないためVS画面に移る時間は2より短いにも関わらず、コールが終わった直後ぐらいにステージへ移る、つまりアーケード版で全くスキップをしなかった時間とほぼ同等の時間で読み込みが終わってくれるため、前作や龍虎をプレイしてきたプレイヤーにとっては驚かざるを得なかったものだ。

もちろんBGMも新たに再アレンジがなされており、オリジナルのイメージを壊さずなおかつ重厚なそのアレンジは、普通にCDサントラとしての役目も十分に果たしてくれているといっても過言ではない。これならオリジナルのファンにとっても納得のいく出来となっているだろう。



このように素晴らしい移植の本作において、欠点らしい欠点と言えば、やはりSEが全て内蔵音源のためショボ過ぎる、と言う事と、そして何より残念なのはアーケード版の発売から1年以上が過ぎた移植となったため、ネオジオCD版にも先を越されてしまった事もあり、旬を完全に過ぎてしまった、と言う事であろうか。

ただそれだけの時間があってこそこの移植が実現できた、と言うのであれば納得せざるを得ず、アーケードカード所有者にとってはまさにこの1作さえあれば、わざわざ買った甲斐があったというものだ。





ステージなど
前作同様、基本的にラインスクロールで再現出来る箇所以外は全て1枚絵となっているため、その部分ではベア面の太陽以外ほぼ変わりはないのだが、前作でチラつきまくりだった舞ステージの旗がほとんどチラつかず、処理落ちも全くおきないのは大きく改善されている。

一体どのようにしてこれを実現しているのか今もなお分からないのであるが、とにかくこれにより全く普通の感覚で舞ステージをプレイ出来るようになっただけに、まさに移植チームの執念恐るべし、であった。




他の特徴と言えば、ローレンスステージの牛は速度が速くなったが基本2と大差ない。ギースステージのふすまは2枚に減り、拡大も再現されてはいない。タン面やクラウザー面の縦スクロールはもちろんそのままだ。





個人的な思い出
アーケード版はそれこそ3ヶ月ぐらいはやりにやり込んだほど大好きな作品でしたから、PCE版の発売は実に待ち遠しい限りでありました。ただ最初は9月発売予定で画面写真もほぼ完成バージョンが発表されていたにも関わらず、延期につぐ延期でなかなか発売されなかったのにはちょっと辟易した覚えがあります。

その間、夏に一足先にSFCに移植はされ、ゲーメストで紹介された事もありちょっと興味が沸いたものですが、さすがに前作2でTAKARAの移植はこりごりだったため、何とか最後の1歩を踏み出すのはとどまりました。




そしてもちろん発売日に購入し、その移植度の高さには驚いたものですが、さすがに旬を過ぎてしまったせいかさほどやり込んだ記憶はないように思えます。

しかし、さすがにネオジオROMやCDを買う気にはなれませんでしたし、ネオジオ本体を購入するまで家でプレイするにはこれしか手段がなかったため、やるゲームがない時などはその後もちょくちょく起動してプレイしていたものです。










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