餓狼伝説SPECIAL

ビクターエンタテインメント

MEGA-CD

1995年3月31日発売

CD-ROM 対戦格闘

6ボタンパッド対応



見た目はいいが
94年の年末頃に突如発表されたMEGA-CD版「餓狼伝説SPECIAL」。すでに完成度の高いPCE版が発売されていた頃であったため、新鮮味と言うのはなかったが、画面写真を見る限りでは画面構成、そしてキャラクターの大きさなどアーケード版と遜色ない、とまでは言えないがかなりの出来に感じさせたため、ファンにとっては非常にサプライジングな記事であった。

だがしかし、静止画こそ似ていても、やはりMCDでは忠実な移植は苦しかったか、実際にプレイしてみるとそれはそれはアーケード版はおろかPCE版にも遠く及ばない出来であった。






主な特徴
MCD版の特徴として、まずBGMがほぼオリジナルの音源である事が挙げられる。この当時はCDプレイヤーでも聴ける以上、通常であればまずアレンジされるのが当たり前だったため、これは実に気分を高揚させてくれた。だがしかし、本作で誉められるのはそのぐらいであり、あとは疑問符のオンパレードの移植であった。

見た目的にPCE版と比較して優れているな、と思わせたのは、ゲージが直に表示されていた事だろう。これは地味なようだが結構重要視されており、PCEでは苦しかったためさすがメガドライブ、と思わせてくれたものだが、実はとんでもない落とし穴が待っていた。



何とストIIダッシュとは異なり、この部分で背景1枚使われていてしまったため、通常の背景は全て1枚絵なのである!なのでテリーやアンディステージはPCE版と同様、ラインスクロールによる表現に留まってしまっており、ストIIダッシュの素晴らしい移植を見せられた後でこれでは「そりゃないだろう」と言う怒りが沸き立ってしまったものだ。

さらに背景の人物やエフェクトなどもほぼ完璧と言っていいほど省略されており、色数の問題もあって背景関係はほぼ終わっていると言っていい。その分キャラパターンに回されているのであるが、SFC版同様当然の如く拡大縮小はしない。

そしてアーケード版では必ずステージ順が決まっていたが、これも全く異なっていたため、PCEの素晴らしい移植を体感した後でははっきり言って不満の残る作品と言えた。



個人的な思い出
前述のように、雑誌での静止画を見た限りでは大変にインパクトのある出来でしたので、アーケード版の大ファンであった私としては実に衝撃的な記事でありました。しかし雑誌を買う事もなく、次世代機への移行時期だったこともあってメガCDのソフト自体出回りが少なかった頃でもありましたから、わざわざ探してまで買う事はありませんでした。

翌年たまたま入った店で新品が売られていた時にはちょっと迷いましたが、PSとSSどっちにしようかと迷っていた時期でもありましたのでスルーしました。それからまた3年ぐらい経ち、行き着けとしていたある中古ショップへ行った所、当時気になっていた本作が1980円と言う安値で売られていたことから、この時は迷わず購入しました。


アーケード版同様のBGMが流れた時には「おおっ」と思わせてくれたのですが、すぐにその酷い出来に気付く事となり、まともにプレイする気などまったく起きませんでした。







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