餓狼伝説
−宿命の闘い−

SNK 1991年11月25日発売

NEOGEOシステム 格闘ゲーム

8方向レバー Aボタン:パンチ
         Bボタン:キック
        Cボタン:投げ


ネオジオ初のヒット作
1990年春に発売されたネオジオは、業界初のアーケードと家庭用の垣根を越えたシステムとして注目されたが、ヒット作に恵まれなかったため、システムの面ばかりが一人歩きしている感があった。

その状況は1991年、家庭用ネオジオ本体とソフトが値下げされても変わることはなかったのだが、秋も深まった頃になってようやくヒット作と言えるゲームをリリースすることが出来た。

それが、この格闘アクションゲーム「餓狼伝説」だ。




ゲーメストの人気ランキングでも、ネオジオのゲームとしては初のトップ10入りを果たし、MVS筐体以外の通常の筐体にも収められたほど、当時のゲーセンではストIIに次ぐ人気を誇っていた。


ゲーム紹介
プレイヤーは3人の中からひとりを選び、計8人の敵と試合をして勝ち抜いていくのが目的。

レバー操作はストIIと同じだが、攻撃の強弱はなく、Aボタンがパンチ、Bボタンでキック、Cボタンで投げとなっている。必殺技は威力が非常に強いが、その分出し辛くなっており、斜め下をしっかり入力することがうまく出すコツとなっている。

そのように非常にストIIと似たシステムになっているのだが、プレイ感覚はストIIではなく、ストI、つまり従来の1対1の格闘ゲームのような感じに近い。



見た目はストIIそのままのため、当時のプレイヤーたちは当然のようにストIIのパクリと思ったのだが、開発者のコメントによると、企画がスタートしたのがストIIの発売直前であったので、一応ストIIの影響ではないらしい。

ただストIIにあまりにも近かったのは事実らしく、そのため出来るだけ差別化するようにキャラクターの変更や、ライン移動のシステムなどを導入されたという。

このようにライン移動は半ば苦し紛れで付けられたため、プレイヤー自ら移動することは出来ず、ただ単に敵の後を付いていくだけという、かなり中途半端なシステムになっている。


2Pプレイはまずふたりが協力してひとりの敵を倒し、次に1P、2Pプレイヤー同士が対戦して勝利した方が1Pプレイが出来る、というシステムも一風変わったシステムだが、これもまた苦し紛れと言った感が強い。

BGMが1ステージ中流れっぱなしになったのは後の格ゲーのスタンダードとなっていったのだが、後の格ゲーに与えた影響はこのぐらいで、1作目とはいえ斬新なシステムは見受けられない。

それでも各キャラクターやBGMはなかなかしっかりと作られているため、このタイプのゲームが好きなプレイヤーであればすぐにのめり込むことが出来るだろう。



プレイヤーキャラ紹介
テリー・ボガード

餓狼伝説第1の主人公で、いかにも主役といった感のある数々の格好良い必殺技を得意とする。

基本的な攻略法は飛び蹴りとパワーウェーブ、バーンナックルを駆使していけばいいだろう。基本パターンは遠目からの飛び蹴り→逃げ蹴り、ダウンさせたら相手の起き上がる所にパワーウェーブを重ねてダメージを与えていく。

クラック・シュートはそのままでは出しづらいので、一旦しゃがみキックを出してその間レバーを上まで回しクラック・シュートを出すようにする。





アンディ・ボガード

テリーの実弟で、喧嘩芸骨法という日本武術を得意とする。骨法というのはあまり馴染みのない格闘技だが、一般的には船木誠勝や獣神サンダー・ライガーが自身のスタイルに取り入れたことで有名となり、掌底や浴びせ蹴りなどの技を知らしめた。

アンディの使う技にも掌底や浴びせ蹴りに近い技が見られるが、必殺技はゲームオリジナルのものだ。特に斬影拳は出しやすい上非常に使い勝手が良いため、ほとんどのCPU戦では相手の起き上がりに重ねているだけで勝ててしまう。とりあえずクリアだけを目指したいのであれば、アンディを使うのが一番の近道だろう。





東丈

日本人のムエタイ使い。

通常技も必殺技も使い辛いのが多く、そのためもっともクリアまで遠いキャラとされる。東の必殺技と言えばやはりハリケーンアッパーだが、餓狼伝説では出し辛いため利用価値は低く、その他の必殺技も出し辛い・使い辛いので、CPU戦は非常に地味な闘いを強いられるだろう。

通常技ではしゃがみキックのスライディングが強く、敵によってはこれだけで勝つことが出来る。





敵キャラクター紹介
リチャード・マイヤ

ブラジルに伝わる足のみを駆使する格闘技、カポエラの使い手。棒にぶら下がって攻撃してくるが、さほど強くはないので、基本パターンで適当に攻撃していれば勝てるだろう。





糖胡芦(タンフールー)

太極拳の使い手。

通常時は何てことはないが、ある程度ダメージを与えると巨大化し、旋風拳などを出してくる。巨大化したらとにかく飛び蹴りで少しづつダメージを与え、旋風拳はしゃがんでやり過ごす。飛び道具を出すと波動脚を食らう可能性があるので、巨大化している時は撃たないほうがいいだろう。





マイケル・マックス

見た目通りボクサーだが、トルネードアッパーなる飛び道具を撃ってくるため、離れていても油断は禁物。遠目から飛び蹴りからの逃げ蹴り、または登り蹴りで攻め、奴の近くに着地したら投げてしまおう。





ダック・キング

ダンスを駆使する格闘家。ローリングアタックは素直にガードして耐える。テリーとアンディは基本パターンで攻め、ジョーは奴の動きにうまくスライディングを合わしていく。





ホア・ジャイ

ムエタイ使いで、ある程度ダメージを与えると酒を飲みタイガーキックなどを出してくる。

テリーは開始直後にクラック・シュートを当てる。ダウンすると酒を飲むので、飲み終わった直後にパワーウェーブを出す。そうすると奴がタイガーキックを出した瞬間カウンターで当てることが出来るので、ダウンしたら再びそれを繰り返して終わりだ。

アンディとジョーは基本パターンでいいだろう。








ライデン

マスクマンで毒霧を吹いてくるというプロレスラー。テリー、アンディの場合、遠目でパンチを出すと毒霧を吹いてくるので、吹き終わった直後にバーンナックル、斬影拳を当てる。

ジョーは画面一番後ろで逃げ蹴りを出すと、ボディアタックをしてくるので、うまく着地を投げる。








ビリー・カーン

棒をこちらに投げてくるか、投げを決めるかして棒が奴の手から離れると、奴は何も出来なくなりしばらくすると仲間が新しい棒を渡してくるが、その着地の瞬間を狙って投げていく。投げると再び棒が奴の手から離れるので、また投げを狙っていく。

基本的にはこの繰り返しで倒せるが、時間がかかるので面倒だと思ったら普通に攻撃して倒してしまおう。








中間デモ








ギース・ハワード

普通に攻撃をしようとするとほとんど返されてしまうが、うまく奴の正面に着地するよう空ジャンプで飛び込むと何も攻撃はしてこないので、そのまま奴の方へ歩いていって投げていく。烈風拳を飛び越えて投げていくのがベストだが、行き過ぎて奴の後ろへ着地してしまっても投げることは出来る。

テリーの場合は投げたらパワーウェーブを重ねていこう。














エンディング











個人的な思い出
当時私がストIIをプレイしていたゲーセンにも、すぐに餓狼は入荷しましたので、どういうゲームなのかはよく知ってはいたのですが、友人たちは良くプレイしていたものの、事情をまだ知らない私はどうしてもストIIのパクリというイメージが付いていましたので、見ているだけでプレイすることはありませんでした。

それから2年経ち、餓狼伝説スペシャルが発売された頃ようやく私も餓狼を始めることとなり、餓狼2などもプレイし始めたのですが、とりあえず元祖もクリアしておこうと思い、発売から2年経ってようやく初プレイすることになりました。クリアはテリーであっさりと出来ましたが、下手なゲームよりもかなり楽しめましたので、これなら発売直後からプレイしていればなあ、と少し後悔したものです。


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