たけしの挑戦状


タイトー 1986年12月10日発売 

5300円 1M+64KRAM

アドベンチャー

左右移動 コマンド選択 Aボタン 攻撃
              Bボタン ジャンプ

謎を解けるか、1億人
というコピーで1986年の年末、あのビートたけしがゲームを作ったということで大変な話題となったゲームがこのたけしの挑戦状だ。

著名人のゲームはすでに何作も存在していたが、ここまでの超大物、しかも出演ではなくたけし自身が製作したということで、雑誌などでもかなり大きく扱われていた。

プレイヤーはサラリーマンを操り、平凡な生活から飛び出して南の島へ飛び立ち、宝探しで一山当てて大金持ちになるのが目的。

目標自体は何てことはないが、謎が極めて難しく、さらに終盤のハンググライダーの難易度もえらく高いため、自力でクリアするには余程頭の切れる人でないと無理だろう。


一応ヒントはあるのだが、話しかけるためにはIIコンを使わなければならず、さらにヒントが出るまで4回程度はなしかけなければならないため、普通にヒントを集めていったプレイヤーはほとんどいないだろう。





私の道のり
後に散々酷評されたゲームですが、購入した時にはそれなりに楽しめました。

基本的にゲームというのは非現実的なものが普通なのですが、このゲームは主人公がひとりのサラリーマンでお店で酒を飲んだり本を読んだりして現実の人々と変わらない事ができるので、その辺りが私には面白く感じたものです。

またこんてにゅう屋のおやじをなぐろうとして逆に自分が死んだり、通行人を殴ってお金を奪い取ったり、普段は市民を守る警察官がいきなり殴りかかってきたりするなど、いかにもたけし的な無茶苦茶な要素にもかなり笑えたものです。



そんな訳でクリアを目指そうという気はさらさら起きず、購入してしばらくは適当に街をうろついていただけでした。

ただ最初の街の最大の謎である宝の地図の取り方はコロコロコミックに載っていましたので、カラオケで3回連続でうまいと言われるイベントはそれなりにやっていました。

それで地図をもらうことができると、ご存知のように数種類の選択肢から絵を浮かび上がらせるための方法を選択するのですが、どれを選んでも出来なかったのでこれには本当に悩まされました。

この謎に関してはCMでたけし自身が水につけた地図に向かってマイクで「出ろ!」と叫ぶシーンがあり、もちろん自分もすぐに試してみたのですがうまくいかなかったので結局自力では謎は解けずじまいでした。

それからしばらくして、当時小学館が発行していたナイスボーイという雑誌に、水につけるを選んで5分待ってからマイクで喋りかけるという記事が載っており、ようやくこの地図の謎の解き方を知ることができました。

そんな訳で、私は最初の解説本に載っていた太陽に当てて1時間、というのを1回も行わずに済みました。もっとも代わりじっとみつめるで放送終了のメッセージを表示させたことはありましたけども。

それでようやく街を脱出することに成功し、ひんたぼ島まで辿り着いてあとはいざ南の島までひとっとびというところまで行ったのですが、やはり最大の難関であるシューティングゲームでハマってしまいました。




最初はセスナを選んでいたため一番最後までは行けたので、これは何とかなるだろうとは思ったのですが、完全解決本を読んで雲に乗らないと上昇できないハンググライダーで行かなければならないということを知った時にはさすがにこれは無理だろうと諦めかけたものです。

それでもめげずにやり込んで鳥やUFOの攻撃パターンを覚えて、何とか目的の島へワープできるタンヒョー島へ着地はでき、あとは攻略本を参考にしてエンディングまでたどり着くことが出来ました。

もっとも事前に適当なパスワードでエンディングは見てしまっていたのですが、最初から続けてのクリアと言うのそれなりに達成感はありました。





フライデー事件とCM
ちょうどこのゲームが発売された頃、あの有名なフライデー事件が起こりました。

個人的にはこの事件によってたけしのことを嫌いになったりはせず、むしろ支持していたのですが、さすがにたけしは半年もの間表舞台から消えることになってしまいました。

ただそれでも事件以前に収録していたTV番組のVTRは放映されていましたので、このたけしの挑戦状のCMも普通に流されていました。

その内容はたけし自身がこのゲームをプレイしており、自らがヒントを出しているというもので、私が見たのはカラオケの曲で最も採点が甘い雨の新開地を歌っているバージョンと、前述した水につけた地図にマイクを使って「出ろ!」と叫ぶバージョンのふたつでした。

私の知る限りCMでヒントを出すと言うゲームは他になかったと思いますから、このあたりはさすがに超大物が製作したゲームであるな、と思ったものです。




最後に
80年代の週刊少年ジャンプにおいて「ファミコン神拳」なるコーナーが不定期に連載されていたが、その中の1メンバーである「キム皇」こと木村初氏が執筆した「ファミコン神拳110番」と言う単行本において、直接名前は出さなかったもののこのゲームの事を痛烈に批判していた。

特にこのゲームのファンでもなかったので、憤りと言うものはありませんでしたが、倫理上許される範囲内であればゲーム作りと言うものに制限はない以上、このようなゲームがあってもおかしくはないと思いましたので、何故そこまで敵視するのか子供心にも不思議な物を感じましたね。








キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
2.76 2.44 2.64 2.62 2.34 3.17 15.97



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