プロレス | |
任天堂 1986年10月21日発売 2500円 ディスクカード・片面 プロレス レスラー操作 Aボタン 大技をかける Bボタン 小技をかける |
待望のゲーム | ||||||||||||||||||
1986年の10月という月は、ワールドプロレスリングがそれまでの金曜夜8時から月曜夜8時へ以降し、力道山時代の'58年9月5日から28年間続いた金曜夜8時のプロレスが消えた時であり、プロレスが冬の時代へと突入していく前兆だった。 そんなプロレス界にとって厳しい時期に、発売されたのがこのディスク版プロレスだ。 プロレスゲームとしての完成度はかなり高く、売り上げ・書き換え共にかなりの数を記録しディスク初期を代表するゲームのひとつとなった。 |
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ゲーム内容 | ||||||||||||||||||
プレイヤーは6人のレスラーの中からひとりを選び、FWAとFWFの2冠王となるのが目的。 プレイヤー以外の5人に勝ち抜き、1周クリアを果たすとFWAの王者となり、今度はその5人を相手に2回ずつ防衛を果たすと、FWF王者であるグレート・プーマとのダブルタイトルマッチとなるので、そのプーマに勝利して2冠王となるとエンディングを迎えることが出来る。 要は3周すればいいのだが、ディスクでありながらセーブが出来ないのでかなりの長丁場となるのが辛い。 勝敗は3カウントによるピンフォールか、場外でのリングアウトのみの決着となる。 因みにFWAとFWFという名称は、それぞれファミコン・レスリング・アソシエーション、ファミコン・レスリング・フェデレーションの略となっている。 技はバックドロップやブレーンバスターなどの一般的に有名な技が用意されているが、ブレーンバスターはオーソドックスな背中から落とすタイプではなく、発売当時は故ディック・マードックしか使い手がいなかった、相手の頭を脳天から落下させる元祖ブレーンバスターであるところに、開発者の拘りが感じられる。 |
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攻略法 | ||||||||||||||||||
この任天堂ディスク版プロレスでは、バックドロップなどの大技は後のファイヤープロレスリングと同様、組み合ってからかけるようになっているのだが、タイミングを見計らってかけるようにはなっておらず、とにかく連射が速い方が技をかけれるようになっている。 前半は連なしでも何とか勝ち抜けることが出来るが、後半はかなりの連射が要求されるので、連射装置がないとほとんど技をかけるのは無理だろう。 逆に言えば、とにかく連射装置付きのコントローラさえあれば、勝ち進むことが出来るという訳だ。 基本的な攻略法としては、スタート直後にいきなりブレーンバスターやパイルドライバーなどの技をかけようとすると、まず確実に返されてしまうので、最初は小技をかけて相手にダメージを与えていくのが基本だ。 とは言ってもバックドロップは大技扱いにも関わらず、確実にかけることが出来てしまうので、要は前半はそれを連発するだけで良い。 それでは美しくない、という人は、ボディスラムや、ロープに振ってのジャンピングニーパットやラリアートなどを使って、少しずつダメージを与えていけばいいだろう。 |
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レスラー紹介 | ||||||||||||||||||
ファイター隼 必殺技 延髄斬り アゴが長い顔で必殺技が延髄斬りときたら、モデルはもちろんアントニオ猪木だ。現在まで実名以外のプロレスゲームのほとんどで猪木似のレスラーが登場しているのだが、この任天堂版プロレスにも登場しているところはさすがといったところだ。 ただこの当時のアントニオ猪木はすでに43歳と現役晩年の頃とはいえ、前田日明の挑戦から逃げ続けていたこともあり、ファンの間では落日の闘魂と呼ばれていた頃でかなり精彩を欠いていた時だった。 ゲーム中のファイター隼は極めてオーソドックスなレスラーになっており、基本技はほとんど使えるが、必殺技の延髄斬りを決めるのが非常に難しいので、割と地味な印象を受ける。コーナーポストから飛んでくる相手を延髄斬りで撃墜することなどもできるが、これは2Pプレイでないとまず無理だろう。 ファイヤープロレスリングではこの反省からか、相手のスタミナが少ない時に起こすとグロッキー状態になり棒立ちとなるため、延髄斬りやドロップキックなどの飛び技が決めやすくなっている。 スターマン 必殺技 サマーソルトキック フライング・クロスアタック メキシコ出身のマスクマンだが、見た目はキン肉マンで登場したペンタゴンの体の色をピンクに、星のマークやシューズを青色にしただけといった感のあるレスラーだ。 実際メキシコではほとんどのレスラーがマスクマンで、そのうちほとんどのレスラーが空中殺法を得意としているが、それに習ってこのスターマンも同様それを得意としている。 この2つの得意技のうち、"仮面貴族"ミル・マスカラスの得意技であるフライング・クロスアタックは、相手をロープに振って決めるのでゲーム中でもそのように決めるのだが、初代タイガーマスク考案のサマーソルトキックは相手をコーナーポストに振り、コーナーポストに寄り掛かった相手を踏み台にして1回転するので、コーナーポストに振れないこのゲームでは相手と組んだ状態から1回転するようになっている。 これは実際はまずありえない技だが、今でも回転する空中殺法はプロレスでも最高に華のある技のひとつなだけに、決まるととても格好良い技のひとつだ。 キン・コン・カーン 必殺技 モンゴリアンチョップ 空手キック 名前がカーン、そして必殺技がモンゴリアンチョップときたらやはりキラー・カーンのイメージだが、見た目はキン肉マンに出てきたモンゴルマンのような感じのレスラーだ。 必殺技のモンゴリアンチョップは、キラー・カーン引退後はしばらく使い手が出なかったが、新日本の天山広吉が使い始め、最近ではあの桜庭和志が使うことで再び脚光を浴びた技だ。 ゲーム中でもモンゴリアンチョップは延髄斬りと同じように間合いを計ってから出すのだが、当然自爆することはないので必殺技の中で最もお手軽に出せる技となっている。 ジャイアント・パンサー 必殺技 アイアン・クロー ヘッドバット 褐色の肌に黄色のコスチュームとくれば、ベビーフェース時代のハルク・ホーガンだが、必殺技にアイアン・クローがあるということはイメージからすると故ケリー・フォン・エリックあたりだろうか。 そしてこのジャイアント・パンサーの必殺技のひとつであるアイアン・クローだが、この名称は故フリッツ・フォン・エリックとその息子たちが使った時の名称であり、実際に相手の額を絞めあげる技はブレーン・クローが正しい名称だ。 確かにアイアン・クローという名称の方が通りがいいが、一度でも本家エリックのアイアン・クローを映像で見た人であれば、他のレスラーのクロー攻撃とは迫力がケタ違いということがわかると思うので、やはりエリック一家以外にこの名称は使ってほしくはないものだ。 ジ・アマゾン 必殺技 かみつき 凶器攻撃 私の知る限りこのような半魚人顔のマスクを被り、緑色の体をしたレスラーはいないので、このレスラーのモデルはキン肉マンのアトランティスだろうか。 かみつきと凶器攻撃は一昔前のヒールのお約束だが、実際これでフォールを奪うということは少なく、ゲーム中でもそれほど威力は高くはない。 キング・スレンダー 必殺技 シュミット式バックブリーカー 必殺技こそシュミット式バックブリーカーだが、このキング・スレンダー以外を選択した時にFWA王者として登場することや、白い髪の毛というところから、モデルはやはり当時のNWA世界ヘビー級王者のリック・フレアーだろう。 さすがに王者だからか、最も威力のある必殺技のシュミット式バックブリーカーがAボタンのみで必ずかけられるので、勝ち進むのがとても楽なキャラになっている。 シュミット式バックブリーカー自体は、実際のプロレスではただの痛め技と化しているが、このゲームの発売前年に初来日を果たしたザ・ロード・ウォリアーズが相手を抱えたまま3回連続でこの技を決めた時にはかなりの衝撃を受けたものだ。 グレート・プーマ 必殺技 ジャンピング・ネックブリーカー・ドロップ FWA王者として5人を相手に防衛を成功させると、最後の相手として登場するのがFWF王者のグレート・プーマだ。 漫画のタイガーマスクをただ茶色くしただけといった感があるが、出身がベネズエラとなっていますのでモデルは特にいないだろう。 技はCPU専用キャラという利点を活かし、通常技の他に6人のレスラーの必殺技のほとんどを使うことができ、プーマしか使えない技としてはジャンピング・ネックブリーカー・ドロップを出すことが出来る。 このジャンピング・ネックブリーカー・ドロップと言う技は故ジャイアント馬場さんの必殺技であり、NWA世界ヘビー級王座に3回就いた時のフィニッシュホールドが全てこの技であったことはあまりにも有名だ。 晩年こそ良く出していたものの、その全盛期には1年に1度くらいしか出さなかったので、「ここ一番の時の秘密兵器」として知られた技だった そういった日本のプロレス史から欠かすことのできない大技を、最後の相手の必殺技にもってくる部分に開発者の思い入れが伝わってくる。 そして奴からフォールを奪うとめでたく2冠王となりエンディングを迎えることが出来る。 |
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私の思い出 | ||||||||||||||||||
私にとって、初めて購入したプロレスゲームがこのゲームだったということもあり、それはそれは本当にハマったものです。 ゲーム的には前述のよういわゆるブレーンバスターやパイルドライバーなどの大技は、相手のスタミナが少なくならないとかけられないのですが、なぜかバックドロップはいつでもかけられるために、何度もバックドロップをかけて最後にパイルドライバーをかけてフォールを奪っていくのが基本的な戦術でした。 また場外でもほぼリング上と同じ技がかけられるのですが、このゲームでは場外にマットが敷いていないせいか、そこで技をかけるとグシャっとかなり強烈な音が鳴りますので、かなりいいストレス解消になったものです。 使用キャラは、ファイター隼とスターマンとスレンダーを主に使っていたと思います。ゲームに慣れないうちは初心者向けのスレンダーをよく使っていたのですが、そのうち隼で延髄斬りを決めるのが楽しくなって、ゲームに慣れ始めたら隼中心に使っていました。スターマンのサマーソルトキックも気に入っていたのですが、やはりアントニオ猪木似ということが大きかったですね。 それだけやり込んでも、3周するのは案外大変でしたので、プーマに勝利しエンディングを迎えることが出来たのは、少しだけだったような気がします。 このゲーム以降はプロレス界が冬の時代に突入したせいか、やたらと発売される野球ゲームなどとは対照的に、プロレスゲームはしばらく発売されることはありませんでした。 まあプロレスゲームはかなり容量を必要としますので、ファミコンでは容量が足りないということが一番大きかったのでしょう。そんな訳で翌年在庫処分でタッグチームプロレスリングを購入はしたものの、私がその次に購入したプロレスゲームはSFC版のスーパーファイヤープロレスリングであり、これから実に5年後のことでした。 |
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