ポートピア連続殺人事件

エニックス 1985年11月29日発売

5500円

コマンド入力式アドベンチャー

コマンド操作 Aボタン 決定
          Bボタン キャンセル


ファミコン初のアドベンチャー
1985年7月、ドアドアでファミコンに参入したエニックスが、ファミコン第2作目としてリリースしたのがこのポートピア連続殺人事件だ。

今でこそエニックスというメーカーは、ゲームをしている人であれば知らない人はいないほど有名なメーカーだが、デビュー作品となったドアドアはそれほど話題にはならなかったため、その名はまだまだ浸透してはいなかった。

しかしこのゲームは原作者の堀井雄二氏が「ゆう帝」としてジャンプでライターをしていたことから本誌で大きく扱われ、ゲームの完成度の高さもあいまって一気にエニックスの名をユーザーに知らしめた作品となった。





ゲーム内容
元々はPCで発売されており、このファミコン版は移植という形になるのだが、PC版ではキーボードで直接命令を打ち込んでいたのに対し、このファミコン版ではコマンドを選択するという方式を取られている。

そのPC版があったせいか、ファミコン版の紹介記事でも「本体のみでプレイ可能」という説明があったりしたものだが、いずれにしろこのコマンド選択式というのが後の家庭用AVGのスタンダードとなっていった。

文字はほとんどひらがなだが、当時はゲームの文字と言えば英語が当たり前で全く読めないこともあって、このゲームをプレイした時の衝撃はかなりのものがあった。




グラフィックは後のAVGと比較するとさすがに寂しく、BGMも冒頭と最後のサイレンが鳴るのみだが、ゲーム自体の出来は素晴らしく良いため、すぐにハマれることだろう。

ただパスワードもバックアップもなく、電源を切ると一からやり直しとなってしまうため、当時はそれが当たり前と思いつつもさすがに面倒なものがあった。









私の捜査
私の場合は友人がドアドアのソフトを所有していたため、プレイさせてもらったことはあるのですが、特に面白いというゲームでもなかったため、エニックスというメーカーは覚えても、特に期待などはしていませんでした。

しかし、そのドアドアに続くポートピア連続殺人事件があまりにもドアドアとは趣が異なるゲームであり、しかもそれまで私が見たことのないゲームシステムを誇っていましたので、最初はかなりの興味を持ちましたね。

ただ私自身は当時コロコロコミックで大きく取り扱われるゲームしか興味を持てなかったので、私が購入するということはなかったのですが、友人が週刊少年ジャンプで大きく扱われるソフトを中心に購入していましたので、すぐにプレイさせてもらえました。


その後すぐに貸してもらい、自宅でプレイしていったのですが、当然自力では解けるはずもなくすぐに返す事になったものの、あまりにも面白かったため結局自分でも購入してしまいました。

相当やり込んだだけあってどの場面も印象深いのですが、やはり一番印象に残ったのはオリジナル版にはなかったと言われる地下迷路ですね。

当時はウィザードリィはもちろん、ディープダンジョンも発売されていなかったので、3Dダンジョンはファミコン初の試みだったのですが、白黒の色使いだけでも怖いのに、さらにBGMがないということが怖さに拍車をかけていましたので、突然シャッターが閉まった時は本当に身の気がよだつ感じがありました。



友人は私から返してもらった後に地下迷路の謎が解け、友人宅にてエンディングを見せてもらいましたが、地下迷路は大きなネタバレになるので私は見せてもらえず、最後の最後だけ見ることとなりました。

真犯人は誰もが知っているほど有名だとは思いますが、当時の私では想像も付かないことだっただけに、この展開は見事だったと思います。









クリア後の楽しみ
この手のゲームは一度クリアしてしまうと2度目というのはあまりプレイしないのですが、このポートピアに関してはクリア後もかなりプレイしていったような気がします。

というのはこのポートピアでは全員から聞き込む必要もないし、電話番号なんかはゲーム中ではまだ判明していなくても、自分が知っていれば進めてしまうんですね。

そのため一度クリアしても、次からはどのくらい早い時間でクリアできるか、という楽しみ方ができたのです。





これはパスワードやバックアップがないため、一度電源を切ってしまうとまた最初からスタートしなければならず、毎回プレイする度に全員から聞き込み等をしているとそのうち嫌になってクリアまでプレイしてもらえない、といったような考え方があったかも知れませんが、AVGというゲームの特性を考えたらクリア後も新たなプレイの仕方ができる、というのは凄いことだな、と思います。

ファミコン初のAVGでありながら、すでに完璧とも言える完成度を誇っていたこのポートピア連続殺人事件は本当に名作ですね。







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