北海道連鎖殺人
オホーツクに消ゆ

アスキー 1987年6月27日発売

5800円 2M+64KRAM

コマンド入力式アドベンチャー

コマンド操作 Aボタン 決定
          Bボタン キャンセル


堀井AVG第2弾
ポートピア連続殺人事件に続く、堀井雄二のAVGの第2弾として発売されたのがこの北海道を舞台としたオホーツクに消ゆだ。

前作はチュンソフトの開発だったが、今作ではタイトル画面を見ればわかるようログインソフトの開発となっており、同じアスキーのファミコン通信のスタッフが大きく関わっているのが特徴だ。

基本的なゲームシステムや画面構成は前作を踏襲しているが、一部コマンドに改編が見られるなど、さらに遊びやすく面白いゲームへと進化している。

そして前作と比較して最も目に付くのが、当時としては最大の2Mの大容量ROMを使用したグラフィックとBGMだろう。





グラフィックとBGM
この当時のAVGのイメージというのは、やはりポートピアのイメージが強かったため、グラフィックは一枚絵で人物は正面を向いているだけ、BGMは無音でゲームから発せられる音といえばメッセージと電話のSEというのがAVGのイメージだった。

しかしこのオホーツクでは、シーンは全200以上も用意され、キャラクターはセリフに合わせ口を動かすばかりかまばたきをし、BGMも場面に合った曲が流されるなど、相変わらずAVGと言えばポートピアのイメージしかなかった私などはとてつもないインパクトがあったものだ。

ファミ通の「べーしっ君」の作者である、荒井清和氏の見事な劇画調のグラフィックに加え場面により変わるキャラクターの姿、そして上野利幸氏によるあまりにも素晴らしいBGMなど、ポートピアよりも遥かに進化していたAVGの姿がそこにあったのだ。

特にBGMが素晴らしく、終盤のメインBGMなどは捜査の手を休めてずっと聴いていたいほどの名曲だし、クライマックスの炭鉱シーンでの危機感せまるBGMも、実にゲームの最後を盛り上げてくれる名曲だ。

アレンジ盤が収録されていたサントラCDは、それなりに昔からゲームミュージックのテープやCDを聴いていた私でも見つけたことはなく、一時はかなりのプレミアが付いたものの、2002年1月にたのみこむの力でオリジナルサントラ付きで再販されたので、オホーツクのファンなら必ず手元に置いておきたい。







トランプ
ゲームの進め方そのものはポートピアと同様、コマンドによって進行されていくので、システム的に目新しさというのはないが、一部コマンドに改編があり、そのうちのひとつに「トランプをする」というコマンドが加わったのがこのオホーツクの大きな特徴のひとつだ。

これは北海道編のみに登場するコマンドで、トランプをしてシュンに勝つとシュンは負けた悔しさから鋭いことを言う、というコマンドだが、とにかく行き詰まるとコマンド総当たりになりがちなAVGにおいて、全く趣の異なるゲームを加えてメリハリを生み、プレイヤーを飽きさせず最後までプレイしてもらうというこのトランプのアイデアは凄く上手いと思ったものだ。

ただ勝ってもたまにヒントを出してくれない事があるのは痛かった。





当時のお話
このゲームは同年に発売されたドラゴンクエストII同様、堀井雄二氏がシナリオを担当していますので、週刊少年ジャンプで大きく扱われていたのですが、ファミコン通信のスタッフも大勢関わっていただけあって、こちらでも大々的に扱われていましたね。

ただ私はどちらの雑誌も読んでいなかったことと、他に興味のあるゲームが多く発売されていましたので発売日はほとんど気にかけず、気が付いたら発売していた、という感じでした。

夏休みに入った頃に購入する気になったのですが、近所の店には在庫がなかったため、親のコネで取り寄せてもらって購入しました。




そしてこれまでポートピアやドラゴンクエストを借してもらった友人がこのゲームをプレイしたがっていましたので、購入した直後に電話をして今度は私がその友人の家まで行って一緒にプレイすることになりました。

それで二人で交代にプレイし、二日間のトランプの勝敗の合計が50ぐらいになるほどにプレイしまくって、どうにか犯人を逮捕することには成功したのですが、エンディングを見る事はありませんでした。

というのは捜査が終わると東京のデカ部屋の場面になるのですが、私たちはこれがエンディングだと思ってしまい、そのまま止めてしまったからなのです。




それからあまりプレイする事はなく、ずーっとその場面がエンディングだと思い続けていったのですが、2年後にファミ通を買い始めた頃の付録にファミコンゲームエンディングセレクション100なる付録があり、そこで始めてオホーツクにちゃんとしたエンディングがあることを知りました。

それで始めからプレイし、購入から2年してやっとエンディングを見る事ができたのですが、最初にプレイした頃は駆け足でプレイしたこともあっていまひとつストーリーが飲み込めなかったものの、ひとりで落ち着いてプレイしてようやく理解することが出来ました。








ゲーム成績表
キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
4.30 4.17 4.05 4.24 3.82 3.80 24.38



FAMILY COMPUTER

inserted by FC2 system