MOTHER


任天堂 1989年7月27日発売

6500円 3M+64KRAM

フィールド型RPG

キャラクター・コマンド操作 Aボタン 決定
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糸井重里プロデュース
コピーライターの糸井重里氏がプロデュースしたRPGとして発売された作品。

当時はどの雑誌でも大きく扱われていたが、ファミコンユーザーには糸井氏の知名度が低かったためか、ユーザー間での前評判はそれほど高くはなかった。

発売してからもそれほど話題には上らなかったが、次第に温かみのある独特の世界観、ファミコンの音源を存分に活かした美しいBGMがユーザーの心を引き付け、MOTHERは名作として後世に語り継がれる作品となった。








ゲーム内容
これまでRPGというと、ほとんどが中世ヨーロッパの雰囲気を醸し出していたがこのMOTHERではRPGとしては初めて現代を舞台にしており、呪文は超能力(PSI)、武器はバットやフライパン、鎧や盾の代わりにペンダント、などという設定に置き換えられている。

アメリカが舞台となっているため、もちろん通貨単位はドルとなっているが、アイテムの値段は既存のRPGを参考としているため、ハンバーガーが$25もするなど実際の相場はほとんど無視されている。

その$は敵から直接入手は出来ず、敵を倒した数に見合った$を、遠く離れた場所にいる父親がキャッシュ・ディスペンサーに振り込んでくれる。




多少面倒なシステムだが、糸井氏は従来のRPGのように敵を倒して金品を巻き上げるのは強盗だ、とでも思ってこのようなシステムにしたのだろうか。またセーブも父親に電話をしてセーブするようになっているが、ゲーム開始から2時間経つとどこにいても電話がかかって来て、ゲームの中断を勧めてくれたりもする。

敵は前半はユーモラスなものが多く、既存のRPGのような殺伐とした雰囲気からはかけ離れているが、それだけに戦闘意欲が沸いてこず、前半はどうしてもゲームにのめり込むことが出来ないような感じがする。

音楽は鈴木慶一氏が担当しており、途中でゲームを中断して聴き惚れてしまうこともあるぐらいに素晴らしい名曲ぞろいとなっている。特に最初の仲間と一緒になった時のフィールドの曲や、メインの戦闘テーマなどはゲーム史上に残る名曲と言っても過言ではないだろう。


当時のお話
最初に書いたように、私は発売されてすぐにMOTHERを購入したのですが、最初は敵がユーモラスなことなどがあったため、いまひとつのめり込むことが出来ませんでした。

それでもテディを仲間にしたあたりからストーリーは盛り上がりを見せ、ホーリーローリーマウンテンの小屋での主人公とアナのイベントや、ロイドが助けに来る場面などでは感動しましたし、ゲームが終わって見れば素直に良かった、と思えるゲームでしたね。

ただ、このゲームの広告コピーは「エンディングまで、泣くんじゃない」というものだったのですが、私は一度たりとて泣くことはありませんでした。まあ糸井氏は大人の方にプレイしてほしい、という事も言っていましたので、今プレイしてみればまた違った見方が出来ると思います。


また発売から2ヶ月後ぐらいに、小学館から「マザー百科」なる公認のマザー本が発売されたのですが、これは攻略記事中心だった当時のファミコン攻略本とは異なり、読み物として非常に充実した本となっているため、ゲームの世界観を知ることが出来るとても読み応えのある本でした。

このゲームは発売から時が経つにつれて評価が上がっていき、ファミマガのゲーム通信簿でも、年度末の集計では発売直後の集計よりもかなり点数が上がり、ファイナルファンタジーIIに続く'89年度の年間2位まで行ったのですが、何故か付録のオールカタログでの紹介は4分の1ページのみでした。せめて1ページは使ってほしかったですよね。






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ゲーム成績表
キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
4.30 4.46 4.17 4.37 4.02 4.18 25.50



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