デジタル・デビル・物語
女神転生II

ナムコ 1990年4月6日発売

7800円 4M+64KRAM

3DダンジョンRPG

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シリーズ第2弾
87年に発売された、ファミコン3DダンジョンRPGの代表作である女神転生の第2弾。

前作では3D画面のみで、さらにそのダンジョンが非常に複雑で攻略本を読んでも一筋縄ではいかないほど難易度が高かったが、今作では2D画面も加わり、ダンジョンの難易度も若干下げられたため前作よりも遥かにプレイしやすくなっている。

もちろん最大の売りである悪魔合体もよりパワーアップし、グラフィックもサウンドも素晴らしい出来となっているので、ファミコンRPGの中でも屈指の作品と言えるだろう。






ゲーム内容〜前作からの変更点
前述したように、前作と比較した時にまず大きく異なる点と言えば、前作は3Dダンジョンのみが舞台だったのに対して、このIIは2Dのフィールド画面も存在する、という点だ。

これによって延々と続く3Dダンジョンに嫌気が差すことがなくなり、さらに地上ではマグネタイトが減らないため、前作と違ってマグネタイトを溜めようとする時には悪魔をコンピューターの中に引っ込めておく、ということもほぼ必要ないため、これだけでも前作と比べた時にかなり難易度が易しくなっていると言える。

そして最大の売りである悪魔合体は、前作では2身のみだったのに対して、このIIでは3身までの合体が可能となった。



悪魔の種族も前作よりも増えたが、まだ後のシリーズのようにDARKやLIGHTだのわかりにくい設定はなく、種族とレベルのみで造れる悪魔が決定されるため、前作をプレイしていない人でもすんなりとゲームに入り込むことが出来る。合体時のアニメーションもとても格好良いが、前作で好評だった「今後ともよろしく…」のセリフがないのは残念だ。

グラフィックに関しては、前作はどことなく愛敬のあるデザインだったのに対し、このIIでは金子一魔氏による、かなり凄味のあるデザインになっているため、この辺りが続編でありながら、前作とは異なった雰囲気をかもし出している要因のひとつだったと思う。

戦闘は前作同様1種族のみだが、その分スプライトが使えるため、ダメージを与えた時にはダメージの大きさに応じて動くし、背景もボスキャラ戦を除いてしっかりと表示されるため、他のRPGよりも迫力のある戦闘を楽しむことが出来るだろう。



サウンド
そしてこの女神転生IIを語る上で、絶対に欠かすことが出来ないのがサウンドの凄さだ。

前作もクオリティの高い出来を誇っていたが、今回のIIでは何と言ってもカスタム音源という拡張音源をカートリッジに積んでいるので、とてもファミコンとは思えない音が流れるのだ。

ソフト発売の翌年である'91年12月に2枚組としてサントラ盤が発売されたが、この出来もまた素晴らしかった。

オリジナル音源はファミコンを8台使って1音源づつ録音されたため、ファミコンでありながら非常に音質の高いサウンドに仕上がっており、もちろんステレオ収録であるため、とても聴き応えのある出来になっているのだ。

ファミコンゲームのサントラはほとんどがステレオで収録されるのが一般的ではあったが、クオリティの高さで言えばこの女神転生IIのサントラ盤の右に出るCDはないだろう。

2枚目はアレンジバージョンとなっているのだが、あまりにもオリジナル盤が素晴らしい出来だったのでアレンジはおまけと言った感があり、影が薄くなってしまったような気がする。この辺りはさすがナムコ、さすがビクターといったところだ。

またゲーメストの'92年1月号で、当時アイランド担当の栗原さんが大絶賛していたのも印象的だった。当時は家庭用紹介のコーナーがなかったため、家庭用ゲームのサントラ盤が紹介されるというのは非常に珍しいことであり、それだけでもいかにこのサントラ盤が素晴らしい出来だったかがわかってもらえるだろう。



当時のお話
この女神転生IIが発売されようとしていた頃は、ファミマガとファミ通を毎号読んでいましたから、もちろんこのゲームの記事もしっかりとチェックしていたのですが、何せ発売日がベストプレープロ野球IIとファイナルファンタジーIIIの発売日の間でしたから、とても女神転生IIまで買う余裕などはありませんでした。

それから半年ほど経った頃、その年に近所に新たに出来た中古ゲーム店で、このゲームが4900円で売っているという情報を得た私は、それは安いと思いましたので、すぐに買いに行きました。

今思えば決して安い値段ではないのですが、何せ当時のゲームソフトの値段というのは7000円前後は当たり前のようにしましたから、4900円という値段でも十分安いと思ったものです。


そして当然のように徳間書店の攻略本も一緒に購入し、すぐにゲームを始めていったのですが、まず最初に印象に残ったことと言えば、やはりBGMの凄さでしたね。

カセットに音源を積んでいるゲームがある、というのは知っていたのですが、実際にプレイしたことはなかったので一体どんな感じになっているのかは知りませんでしたし、もちろんこの女神転生IIに拡張音源が積まれている、ということも知りませんでしたから、初めて聴いた時のインパクトは凄いものがありました。






特にゲームを初めて最初のイベントが、前作をモチーフとしたゲーム内ゲームのデビルバスターだったため、前作のBGMからの進化がそのまま体感出来ましたから、余計に拡張音源の凄さが理解出来たものです。

システム自体も前作の遅い画面処理から一転し、文章をはじめ非常に速く進むようになっていましたし、このゲームに対する不満などは浮かびようがありませんでした。

シナリオ自体も攻略本とオートパイロットを駆使した悪魔封印技があったとはいえ、特に詰まる所もなくさくさく進められたのですが、やはり例のカエルのシーンはちょっと悩みましたね。




攻略本がとどめを刺したことを前提として進めていましたので、私もそれにならったのですが、その時はまさかエンディングが2種類あるなど知るよしもなかったため、特に何も疑問に思わずサタンを倒してエンディングを迎えました。

しかし、その後双葉社の攻略本を買った所、合体では誕生しない悪魔に一部の魔神が含まれていたことと、名前が伏せられていた悪魔がいたことに私は疑問を持ち始め、ひょっとしたらカエルがひとつの分岐点になっているのでは、と気付き始めたのです。

しかし、2つある内の1つのファイルを、バエルの手前でセーブしたデータを取っておく、ということはしなかったので、また初めからプレイするのはさすがに面倒に感じ、2度目をプレイすることはありませんでした。


その後近所に住んでいる友人がこのゲームを人に借りてプレイし始めましたので、ここで私は「カエルを持っていけ」と忠告しておいたのです。

そしてその友人がルシファー城の手前まで行った、というので、早速私は友人宅まで行き、もうひとつのシナリオはどうなっていくのかを見ることが出来ました。

その後私も2度目をプレイし、もうひとつの結末を見ることが出来たのですが、エピローグはこちらの方が凝っているところを見ると、やっぱりこちらが真のエンディングなんでしょう。

当時はRPGというと、誰もが同じストーリーを体験させられる1本道のシナリオが多かっただけに、この女神転生IIのストーリー分岐というのは、本当に凄いことをしていたんだなぁ、と改めてそう思います。


女神転生II ファミ通クロスレビューへ行く。



ゲーム成績表
キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
3.91 3.92 3.61 3.95 3.55 3.84 22.78



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