三國志II


ファミコン 光栄(コーエー) 1990年11月2日発売

14800円 4M+128KRAM

歴史シミュレーションゲーム

バッテリーバックアップ

シリーズ第2弾
「三國志II」は、コーエーを代表する歴史シミュレーションゲームのファミコン移植版。

コーエーのファミコン版は値段が高いことで知られたが、この「三國志II」ではコーエー初の4MROM使用のゲームだけあってか、遂にファミコン本体と同額の14800円で発売され、サウンドCD付きのwithサウンドウェアでは何と17200円という、ゲームの値段を超越した価格で発売されていた。

さすがにこれは高すぎるだろう、と思ったものだが、「コーエーのソフト=高い」というイメージが出来上がっていたこと、そして何よりゲーム自体の出来が素晴らしいものだったため、雑誌などで叩かれることはほとんどなかった。



ゲームの特徴
私は前作はプレイしていないので、その後のシリーズとの比較しか出来ないのですが、この三國志IIに関してはまだ当時のコーエーの基本システムが導入されているといった感のある作りになっていますね。

基本的なゲームの進め方は、まずは内政のパラメータを最高まで上げて、国政を充実させてから徴兵、訓練、武装で戦力を充実させ領土を広げていく、といった感じです。

この辺りはコーエーの歴史SLGの基本と言えるものですが、三國志IIでは内政以外にも兵士に武装させなければならず、その分金のやりくりが厳しいのが辛い所です。

日数という概念はなく、金や兵糧の輸送、武将の登用などは距離など一切関係ないので、1ターンで行うことが出来ます。

パラメータは少なく、知力、武力、魅力の3つしかないところからもわかるように、まだ後のシリーズほど詳しく設定されている感はなく、武力99が関羽、張飛、趙雲の3人もいたりします。パラメータは少ない代わりに、画面に表示されないデータ、いわゆるマスクデータが初めてこの三國志IIで導入され、上記のデータの他に武将同士の相性、義理などのマスクデータが導入されました。

具体的には、君主との相性が悪いと忠誠度を100にしてもすぐに下がってしまうことや、義理が低いと登用してもあっさりと他国に引き抜かれてしまう、といった感じです。忠誠度は下がりやすい分、上がり幅も後のシリーズに比べかなり大きいのですが、やはり常に登用される可能性があるのは辛い所ですね。戦争画面は前作に引き続きHEX戦で行われますが、HEXが大きめのサイズだった前作に対し、今作ではコンパクトになりHEX画面も1画面に収められています。

戦場では新たに武将同士の一騎打ちが加わり、戦争開始時に勇猛な武将がいると一騎打ちを挑み、受けた側は一騎打ちをするか否かの選択を迫られますが、この時拒否すると士気が下がり兵士がいくらか逃げ出してしまいます。一騎打ちは先に武力=スタミナが0になった側が負けとなるシンプルなもので、敗北すると部隊がまるまるなくなります。

通常の戦闘ではもちろん武力のパラメータが一番重要視されますが、武力が70程度でも訓練度と武装度が100ならばそこそこ戦えることが出来ます。そのようにゲームを進行し、最終的に全ての領土を自国のものとし天下を統一するのが目的となります。






新君主
「三國志II」では、最初の君主選択時に空白地を選択すると、新君主でプレイすることも出来ます。ファミコン版ではルビにしか任意の名前を入れられず、漢字の表示は「新君主」のままなのかちょっと格好悪い感じですが、普通に君主を選択するよりかは思い入れが強まることでしょう。

新君主での進め方のコツは、オリジナルの武将は作れないため、配下武将がいない状態から始まるので新君主の武力を100に設定し、内政などは行わず戦力が整ったらすぐに他国へ攻め込み、領土と武将を増やしていくのがコツです。ただうまく武将を増やせても、武力を100にすると魅力を80程度までにしか上げられないし、ほとんどの武将との相性が良くないのですぐに忠誠度が下がるなど、厳しい展開が続いていくのが辛い所ですが、それだけに天下統一した時の嬉しさは格別のものがあるでしょう。



個人的な思い出
このソフトの発売当時、私の周りには三国志好きが多く、必然的に私も三国志の話を良く聞かされていたのですが、いかんせんコーエーのソフトは高いため買う気は起きず、「信長の野望・全国版」を借りてプレイしたくらいで、三國志には縁はありませんでした。

それから4年、古典の授業で三国志を勉強している時に、友人が頼んでもいないのに横山光輝の三国志のコミックスと、アニメ版を録画したビデオを借してくれるというので、とりあえず借りてみました。

そしてアニメ版から先に見たのですが、なかなか面白かったのですぐに三国志に興味を持つようになり、近所のゲーム店で三國志IIをやっと購入したのです。



歴史SLGはおろか、SLG自体ほとんどプレイしたことのない私でしたが、すぐに時間を忘れてしまうほど熱中してしまい、そこから三国志にハマっていきましたね。最初はやはり三国志演義の主役である、劉備でプレイしていきました。初心者向けは曹操なのですが、三国志演義では悪役ですし、ゲーム中の顔も悪役そのものでしたので、選んでみようとは思いませんでした。

それでも三国志のコミックスを読んでいくうちに、曹操からは信長に通じる凄さを感じましたので、諸葛亮を登用するまで連敗続きだった劉備よりも惹かれるものがありました。

その後すぐにSFC版の三國志IIIを購入しましたので、三國志IIをプレイしていた期間はそう長くはなかったのですが、三國志の世界にハマるきっかけのひとつとなったゲームですので、忘れがたい名作ですね。



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