ドラゴンクエストII 悪霊の神々 |
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エニックス 1987年1月26日発売 5500円 1M+64KRAM フィールド型RPG 十字キー コマンド操作 キャラクター移動 Aボタン 決定 Bボタン キャンセル |
ロト伝説再び | ||||||||||||||
ファミコンに「RPG」という新たな波を巻き起こし、1作目ですでに伝説的存在となっていたドラゴンクエストの待望の続編がこの「ドラゴンクエストII 〜悪霊の神々〜」だ。 Iの発売からわずか8ヵ月後という、今ではとても考えられない早さで発売されたこのドラクエIIだが、Iの時とは対照的にどの専門誌も大々的に扱っており、発売前から期待感はいやおうなく盛り上がっていった。 ドラクエIIIのように混乱こそおきなかったものの、都内の売り場では長い行列もあったようで、発売からしばらく品切れ状態が続いていた。 当然のようにこのドラクエIIは大ヒットし、すでにマリオに次ぐファミコンのトップブランドとしての地位を築いたが、開発者が皆ウィザードリィ好きなせいか難易度が少々高く、そのあたりで賛否両論が巻き起こった。 |
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3人パーティ | ||||||||||||||
このドラクエIIの最大の売りは、やはり前作では寂しい一人旅だったのに対し、このドラクエIIでは3人パーティとなり、敵も複数出現するようになったため、RPGの醍醐味である戦闘の面白さが格段にアップしたことだ。 堀井氏いわく、いきなり3人では難しいだろうから、ひとりずつ仲間を増やして段々と慣れさせてパーティ戦闘の面白さを伝えていきたい、ということでこのような展開になったそうだが、この狙いは大当たりで、何も行き詰ることもなく、誰もが素直にパーティ戦闘の面白さを理解することが出来たのだ。 ただウィズの6人パーティとは異なり、補助が基本的に王女の一人となるため多く出現されるとキツいことや、ファミコンの性能上背景が真っ黒になってしまうなどの弊害はあったが、このドラクエIIのパーティバトルでファミコンRPGの戦闘システムは、ほぼ固まったと言っていいだろう。 |
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海原を行く | ||||||||||||||
前作では徒歩のみだった移動手段が、今回では新たに船が加わり、海を移動出来るのも大きな話題となった。 船を入手するルプガナまではほぼ1本道なものの、船を入手した後は自由に世界中を旅ができ、どのイベントからクリアを狙っても良いと言う自由さがドラクエIIの大きな魅力のひとつだろう。 しかし前作をプレイしたユーザーであれば、すぐ東にあるアレフガルドへと行くことになるだろう。 前作にハマッたユーザーなら誰もが胸を躍らせたことだと思うが、実際のアレフガルドは大きく縮小されてしまい、 街はラダトームのみでしかも城と町が一体化、竜王の城も大きく簡略化されるなど、とてもがっかりさせられる出来となっていた。 |
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BGM | ||||||||||||||
前作は一人旅ということもあってか孤独感を表現しているようなイメージがあったが、このドラクエIIでは3人パーティということもあってか明るいイメージで統一されている。 特に3人揃った時の「果てしなき世界」がその代表という感じだが、個人的には前作のような感じの方が好きだったので、3人揃った時に初めて聴いた時は物凄い違和感を覚えたものだ。 また名前入力や復活の呪文の呪文入力時の時に流れる「Love Song 探して」という曲も1日に必ず1度は聴く曲ということもあり、とても印象的な曲のひとつだったが、この曲は当時アイドルだった牧野アンナのボーカルによってEPが発売され、ファミコンとしては多分初のタイアップ曲となった。 しかし全くヒットすることはなく、牧野アンナもそれっきりとなってしまったが、後に安室奈美恵などを世に送り出したことで有名となった沖縄アクターズスクールのダンスの先生となるなど意外な所で有名となっていった。 ゲーム発売の翌月には前作同様オーケストラによるサントラが発売されたが、今回はフル・オーケストラではなく、一部にエレキギターなども使われているなど、音に幅が広がった。 カセットのB面恒例のオリジナル音源はステレオ化され非常に高音質で聴くことが出来るほか、内容もストーリー仕立てになっており、ゲームのヒント的な部分もあったりするなどこちらもとても聴き応えのある出来となっていた。 |
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復活の呪文 | ||||||||||||||
ドラクエIIの印象として真っ先に思い浮かべるだろう要素は、やはりあの長い長い復活の呪文だろう。 最初は短いものの、最終的には最高53文字にまで至るため、再開するだけでも一苦労だ。 長い分記憶データ量も限られるため、ドラクエIでは4パターンあった成長パターンがこのドラクエIIでは1つだけとなってしまい、誰がプレイしても同じパラメータになってしまうことや、アイテムによってはひとつでも所有していると、モンスターの宝箱から入手できなくなるなど、ゲーム性にかなりの制約が付いてしまった。 さらに後半になると、1文字も間違ってはいないのに再開出来ない、つまり復活の呪文そのものが間違えていることまであるのだ。 特にどこでも復活の呪文が聞ける「復活の玉」で復活の呪文を聞いてしまうと、かなりの確率で間違った復活の呪文が表示されてしまうなど、後半は複数の呪文を書き写していくのが当たり前だった。 以上のようにバックアップが当然の今日を考えると大変厳しいものがあったが、再開時は必ずHP、MP共に満タンの状態から開始されるなど、ゴールドが少ない時にはありがたい面もあった。 |
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私の冒険 | ||||||||||||||
86年の年末辺りは何故かファミマガなどをあまり読んではいませんでしたので、このドラクエIIの事も特に知らず、ドラクエIを貸してもらった友人も購入はしませんでしたので、発売日を過ぎても購入することはありませんでした。 その当時私は「リンクの冒険」を書き換えてプレイしていたのですが、ある時人から「リンクよりもドラクエII」の方が面白いと聞かれて、すぐにドラクエIIを購入することになりました。 ほとんど予備知識がない状態でプレイしていったのですが、前作よりも格段に面白くなった戦闘やBGMのおかげで一瞬のうちにハマッてしまいましたね。 当然自力でプレイしていったので、やはり船を入手してからは行き詰る所が多く、特に「金の鍵」や「ラゴスの居場所」では各1週間ほど足止めを食らってしまったものです。 最後の山場であるロンダルキアの洞窟はさすがに自力ではほとんど進めず、友人からファミコン神拳の攻略本を借り、レベル37にしてようやくエンディングまで辿り着くことが出来ました。 そしてクリアする直前、たまたまレコード屋のカセットの棚を見ていたら、ドラクエIIのカセットが置いてあるのを発見し、早速買ってもらいました。 どんな内容なのかよくわからないまま買いましたので、壮大なオーケストラによるアレンジがなされた各曲を初めて聴いた時は大変なインパクトがあったものです。 ゲーム自体はクリアはしていませんでしたので、シドーとエンディングの曲は何のことやらわかりませんでしたが、このアルバムは何日も本当に聴き続けたほど私のお気に入りとなりました。以後いくつものゲームミュージックのサントラを購入してきましたが、初めて購入したこのドラクエIIのアルバムはやはり特別な思い入れがありますね。 |
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