ナムコミュージアム
バーチャルアーケード

Xbox360 バンダイナムコゲームス

2009年11月5日発売

4179円

アーケード移植オムニバス


ボリュームは過去最大…しかし
Xbox360版「ナムコミュージアム・バーチャルアーケード」は、元々海外で発売された同名作品を日本向けとして発売されたもの。その収録数は過去最大の34本と、安い所で買えば単純計算で1本あたり100円を割るという、コストパフォーマンスとしてはこれ以上ないものと仕上がっている。

が、「タイトーメモリーズ」や「カプコンクラシック」の例を見るまでもなく、本数が多いという事はそれだけチェックやおまけ要素などが甘くなると言う事がすでにあからさまになってしまっている訳で、ご多分に漏れず本作もそれらと同じ轍を踏んでしまっている。




単純にレトロゲームをプレイしたい、と言う欲求を求めるのであれば文句は少ないと思うのだが、PS版のように「それらプラスアルファと開発者の拘り」などを要求するのであればかなり物足りない1枚となってしまっている。


苦言
本作品は34本のうち9本がすでにXBLAで配信済みであり、それらは全くLAと同じ仕様となっている。そう考えると未購入の人はかなり得と言えるのだが、どういう訳だかHDDにインストールしていてもドライブから爆音が止まないのだ。

ならば単純にDL版をプレイすれば当然爆音は止むのであるが、さすがに新たにそんな事する人はいないと思うので、これは実に困った仕様だ。

逆に言えばすでにXBLA版をDL済みの人にとっては損をしない仕様、と捉える事も出来るのだが、インストールが無意味になるこの仕様は本当に意味不明だ。



また私はこれで初めてゼビウスの完全版をプレイする事が出来たのだが、当然初プレイであっさり実績が全解除されてしまったのは拍子抜けだ。せめてもうちょっとやる気を起こさせる実績は付けられなかったのだろうか。もしこれがPS版時代にあればもっとマニアックな実績を付けた事だと思うのだが、この辺りでもスタッフの愛のなさを感じてしまう。

360初移植となる25本は基本エミュレータと思われる移植だ。しかしこちらは実績が一切なく、もちろんPS版のような資料やデータノート、そしてディップスイッチなどの再現も一切ない。あるのは難易度やキーコンフィグ、画面アジャスト機能ぐらいだ。




一応最低限のものはあると言う事ではあるのだが、やはりPS版と比べてしまうと物足りない。何より360ならではの実績も一切ないし、いまさら目指すものがハイスコアや1コインクリアしかないというのはやる気を削がれてしまう。

これで移植が完璧であればまあいいかもしれないが、ドルアーガなどではアイテムの表示に妙なバグがあったりするし、1度のプレイで100%気付くバグが直っていない時点でもはややっつけ同然なのだろう。ドラスピのライフが2のみと言うのも辛い。これぐらい選ばせて欲しいものだ。





わずか4000円程度でこれだけのタイトルがプレイ出来るのであればこの出来も仕方ないのかもしれないが、やはりレトロゲームに対する「愛」が感じられないのは残念だ。

ただ逆に、今思えば本当にPS版のスタッフと言うのはナムコ愛に満ちていたのだな、と言う事を改めて実感させられたと同時に、これから先もずっと大切にしておきたい、と思ったものだ。

かなり苦言を呈してきたが、HDMIの美しい画像と優れた操作系でレトロゲームを純粋にプレイしたい、と言うのが目的なのであればお勧めは出来るソフトだろう。




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