三國志IX

PS2 コーエー 2003年12月20日発売

9800円
(現在はベスト版として3800円で発売)

DVD-ROM

歴史シミュレーションゲーム

メモリーカード対応



原点回帰
同年3月にWindows版として発売された「三國志IX」のPS2移植版。

VII、VIIIと武将プレイ可能なシリーズが続いたが、今作では3作ぶりに君主プレイが復活し、原点回帰とも言えるシステムとなっている。よってシステム的にはIやIIの頃に近くなっており、当時プレイした事のある人であればすんなりと馴染める事だろう。

そのIXの特徴と言えば、やはり戦略・戦闘を同一の画面で行うシリーズ初の1枚絵マップと、戦略・進行の2つのフェイズに分けられたターンだろう。これだけではそのシステムの魅力は伝わりにくいのであるが、実際にプレイしてみるとリアルタイムに近いと言っていいこれらのシステムのおかげで、より一層の面白さと緊張感を引き出す事に成功しているのだ。



戦闘こそ三國志IX最大の魅力だ
例えばこれまでの場合、内政と戦闘は完全に分けられているものだったため、援軍や増援の要請などは出兵前にしか出来ず、それが可能となるまでは1ヶ月待たなければならなかった。しかしこの三國志IXでは常に同一画面で進行されるため、ターンごとに他地域からの計略・増援などが常に可能となるのだ。

つまりこういう事だ。例えば劉備軍に曹操軍が挑んできたとしよう。これまでならこの曹操が攻め込んで来る、と言う事が分かった時点では迎撃か撤退か、の選択しか出来なかったが、このIXでは1枚絵で進行されるため、つまりリアルタイムで行軍を確認する事ができ、当然時間的余裕もあるため、劉備軍は将兵らが来るまでに様々な戦略を行う事が出来るのだ。



よって劉備軍は曹操軍が城に辿り着くまでに迎撃部隊が出せるのはもちろん、その城に強力な武将を呼び寄せてからの出兵、城においての徴兵や計略、さらに他の城からの増援も行う事が出来るなどが可能となっているのだ。このため曹操軍が辿り着くまでに十分な準備を行えるか否か、この緊張感が実に面白く、時間を忘れて三國志IXに熱中してしまう最大の要因と言っていいだろう。

戦闘自体は完全なオートとなっているが、その分事前の戦略が実に重要となっているため、兵の配置や兵法などに十分気を配る事が必要となっている。またこれまでは1武将につき1部隊であったが、今作では最大5武将までが1部隊を結成出来るため、前方は戦闘、後方は兵法によるサポートと、これまで戦闘では出番のなかった文官系武将の役割も実に重要となっている。

当然攻撃系の兵法の効果も抜群であり、関羽や張飛など武力・相性が抜群な武将が兵法を連鎖して発動させた場合などは一気に1万近くの兵も減らす事が出来たりするなど、多少の兵力差などがあっても十分それをカバー出来てしまうほどであり、これも三國志IXならではの面白さ、と言えるだろう。

その分一騎打ちの有効性が少なくなっているのは残念でもあるが、やはり三國志シリーズにおける最大の魅力は戦闘である、と言う事を改めて確認出来る事だろう。






Windows版との違い
細かいシステム的な違いはネット上に出回っているので、そちらを参考にして頂ければいいだろう。実際にプレイしてみないと分からない違いとしては、やはり操作性と処理速度の重さだ。

普通に考えればどちらもWin版に太刀打ち出来る訳がないはずであるが、操作性は名前入力以外に関しては実に良く出来ており、個人的にはWin版にも決してひけを取らない所かそれ以上、と言ってもいいだろう。

特に重要な要素のひとつである「探索」が全員まとめて行えるのが楽な事この上なく、これだけでもPS2版の価値があると言ってもいいほどだ。



対して処理速度の重さはいかんともしがたく、戦略フェイズが終了した後に各勢力の「戦略中」が入り、もちろん進行フェイズもイベントや戦闘があった場合は格段に遅く、さらに画面をスクロールさせている間には進行されない。

よってこれはさすがにWin版をプレイした後だとかなり厳しいものがあるが、それまで家庭用しかプレイした事がないのならそれほど気になるものではないだろう。

画面構成は家庭用に合わせているため見辛さはないが、解像度の低さから武将や兵法を確認したい時などはやや面倒だ。BGMに関しては全く同じであり、当然ムービーもフル画面だ。




個人的な思い出
前作、前々作は武将プレイと言う、趣が異なった作品であったのでスルーしていましたが、このIXでは久々に君主プレイが復活と言う事でVI以来のプレイとなりました。もちろん最初はWindows版でプレイしたのですが、メイン画面に君主の顔がない不満こそあったものの、瞬く間にその魅力に取り付かれ熱中していったものです。

その後期間を置きつつ幾度かプレイして行きましたが、最近PS2版が廉価版となっている事を知り、いったい処理速度の段違いに遅いPS2でどの程度再現されているのか、と言う興味が沸きましたので、町田のヨドバシでD端子ケーブルと一緒に購入してきました。



Win版でやり込んだだけあって、さほど期待もせずにプレイして行ったのですが、操作性の良さ、探索の一括選択など快適さではWin版を上回っており、さらに敵も積極的に攻めてくる印象もありましたので、ほとんどゲームをやらなくなった自分にとっては信じられないぐらい熱中していったものです。

なのでゲーム性は大満足なのですが、BGMがやや今ひとつと言った感がありましたので、それがこのゲームの数少ない欠点だと思います。







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