パロディウスだ!


ゲームボーイ版 1991年4月5日発売

3800円 2M

横スクロールシューティング

8方向移動 ボタン配置は2種類から設定可能


ゲームボーイ版パロディウス
90年4月に発売された、アーケード版パロディウスだ!の家庭用移植版では、ファミコン版に続く2作目となったのがこのゲームボーイ版だ。

前作のネメシスでは「さすが横シューの雄コナミだ!」、と思わずプレイヤーたちを唸らせるほどの素晴らしい作品を作り上げてくれたコナミだったが、このゲームボーイ版パロディウスだ!も、コナミはプレイヤーたちの期待を裏切らない素晴らしい移植を果たしてくれた。

モノクロ画面である以上、パロディウスならではの華やかさは薄らいでしまったものの、ゲーム本来の面白さはそのまま受け継いでおり、前作ネメシスでの不満点もほとんど解消され、ゲームボーイの横スクロールシューティングの頂点と言うに相応しい作品と言えた。


前年の11月に発売されたファミコン版はいまひとつの出来だっただけに、このゲームボーイ版の完成度の高さが余計に際立って見えたものだ。


ゲーム内容
前作ネメシスでは自機やショットはキャラクター単位で動いていたため、操作性に関してはいまひとつでな出来だったが、このゲームボーイ版パロディウスだ!では滑らかに移動出来るようになったため、操作性に関してはかなり向上している。

ただ、さすがにスプライトの制約が厳しいゲームボーイでは、パワーアップ等はアーケードそのままとはいかず、オプションが2個なのは仕方ないとしても、その他のショットやミサイルなどのほとんどのオブジェクトが点滅状態となっている。

しかもペン太郎に至ってはスプレッドガンが1発のみ、つまり連射が全く効かないので、ただでさえ不利なペン太郎がさらに厳しいキャラとなってしまっている。

ネメシスのレーザーも単発だったが、こちらは貫通能力があるため単発でも何とかなったものの、スプレッドガンは連射出来ないとどうにもならないため、ペン太郎にとってスプレッドガンは「!?」ゲージに匹敵するほどのパワーアップになってしまった。

しかし、軒並み不利になっているパワーアップの中で、唯一の例外がビックバイパーのレーザーだ。

前作ネメシスのレーザーを見れば分かるよう、ゲームボーイも横にスプライトを多く並べるのは厳しいため、やはりこのパロディウスのレーザーも短いと思われたものだが、このゲームボーイ版では何と端から端まで届いてしまうほどの長いレーザーを撃つことが出来るのだ。


もちろんこれはスプライトを使っては再現出来ないため、かつてのアタリのゲームでよく使われていた、ベクタースキャンという線画で画面を構成するゲームと似た原理だと思うのだが、プレイするまでは予想も付かないことだったため、初めてこのバイパーを選んでプレイした時は本当に驚いたものだ。

線画のためレーザーの質感などは皆無なのだが、長いレーザーで敵を一掃するという感覚を、初めて家庭用のグラディウスシリーズで体験出来たというだけでもこのゲームを購入する意味があった。

メインキャラクター以外のグラフィックも非常に高いレベルを誇っており、それに関しては文句の付けようはないのだが、画面の見やすさを考慮しすぎたためか敵弾が異常に大きいのはちょっと辛い。

滑らかに動くようになったぶん、残像も目立つようになったから、ネメシスほどの大きさでは見辛いと判断したのだろうが、シューティングの敵弾としての許容範囲を遥かに超えてしまっているので、これは厳しいものがあった。グラフィックに関しては以上の通りだが、BGMもうまくステレオ効果を活かしたかなりのいい出来を誇っていた。

ファミコン版では全体的に落ち着いたアレンジとなっていたが、このゲームボーイ版はかなりテンポアップされたアレンジとなっており、このパロディウスだ!というゲームの世界観にぴったりなBGMとなっている。サウンドテストは、コナミロゴでコナミコマンドを入力すると出来るので、飽きるまで聴いていこう。



通常のオプションのコンフィグでは、連射のスピード、最終面以外から最初にプレイすることの出来る面、3段階の難易度などを選択することが出来るのだが、最後の難易度が問題。腕に自信のある人であれば、最終的には当然最高難易度のDIFFICULTを選んでいくこととなるのだが、3面から撃ち返し弾が発生するので、1周するのは非常に困難となっている。このDIFFICULTを1周出来れば、かなりのシューティングの腕前を持っていると言っていいだろう。

最後にどのキャラクターが一番有利なのか、という点だが、これはやはりツインビーが一番だと思われる。ただでさえ基本性能がいいのに加え、ゲームボーイ版はバリアがファミコン版のツインビーのような形をしており、全体バリアでありながら判定が小さく、非常に使えるためだ。そしてゲームボーイ版ではスピードやバリアを装備しても、アーケード版のような急激に難易度は上昇しないためバリアは常に装備しても大丈夫なので、その辺りもツインビーに対しては非常に有利だ。

そんな訳でまず1周クリアを目指すのであれば、やはりツインビーを選んでいくのがいいだろう。


面紹介
ゲームボーイ版のパロディウスだ!の面構成は、アーケード版の7、8、9面がカットされ、3面にオリジナルの北極面が追加されているため、全8面構成となっている。

アーケードからの移植面も、かなりアレンジされているが、十分パロディウスになっているため、不満を唱える人はいないだろう。

そしてこのゲームボーイ版のパロディウスだ!にも、エキストラステージが用意されているが、ここで使われたBGMは後に極上パロディウスの4面でも使われた。

それではゲームボーイ版の全8面を紹介していこう。


1面 アイランド・オブ・パイレーツ


1面はアーケード版同様のアイランド・オブ・パイレーツだ。

ルーレットカプセルがある場所は同じだが、ゲームボーイ版はゲージの形が小さく目押しがし辛く、オプションが2個しか付かないこともあるので、無理してここでオプションを取る必要はないだろう。

中ボスの猫面船はファミコン版のように、スクロールが止まった状態から出現する。

ボスのキャプテン・ペンギンノフスキー3世は、ファミコン版よりもアーケード版に忠実に移植されているが、汗は最初から3つとなっている。








2面 ピエロの涙も三度まで


この面もアーケード版と同様の面だが、ピエロの上下の間隔が広く、3WAYがあっても同時に倒すことは厳しい。また破壊しても当たり判定は消えないので、接触しないように気を付けよう。

中ボスのちちびんたリカは、声こそ出ないもののグラフィックは忠実に再現されており、腰もちゃんと振ってくれるので、ファミコン版よりも遥かにいい出来となっている。

ボスのイーグル・サブワシノスケはリップルの連射が2個までとなっているが、画面に対して奴の体がかなり大きいので、体当たりには十分気を付けていこう。








3面 北極


ゲームボーイ版オリジナルの北極面であり、見た目はグラIIの結晶面をパロった感じのする面で、BGMはMSX版の名曲が使われている。

前半は結晶の塊が多く出現するので、それらを破壊しながら進んでいくのだが、塊自体はすぐに分裂するものの結晶はかなり硬いので、あまり深追いはしないようにしよう。

後半はアーケード版8面に近く、洞窟のような感じのする場所を進んでいくこととなる。このゲームボーイ版は弾の大きさが非常に大きいため、狭いところで弾が来るとよけ辛いので、バリアを常にスタンバっておくようにしていこう。

ボスはゴーレムのパロディ版のクリスタルゴーレム。最初は触手による攻撃をし、ある程度ダメージを与えると第2段階になり扇による攻撃と、下から雑魚などが出現してきたりするが、適当に撃っていればすぐに壊れてくれるだろう。








1面 ラビリンス 〜お菓子城の謎〜


アーケード版3面の移植だが、迷路の形がだいぶアーケード版と異なっており楽に抜けることが出来る。

中盤のつぶつぶ地帯は、ファミコン版ではロケットパンチが効かなかったが、ゲームボーイ版ではアーケード版同様一気に破壊出来る。またパンプキンヘッドは出現しない。

ボスのホットリップスは攻撃パターンは同じだが、計6匹しか出現せず、イレババの動きも遅いのでかなり弱くなっている。








5面 嗚呼! 日本旅情


アーケード版の4面の移植だが、若干道中の構成は異なる。

前衛ではアーケード版同様天使ブタが出現するが、ミサイル一撃で破壊出来ず、さらに矢を破壊することが出来ないのでかなり手強い。

中盤の走る桜、サクラ玉吉はちゃんと左右に動いてくれるが、アーケード版のようには動かないので急いで前に出る必要はない。またゲームボーイ版の桜はアーケード版と比べてかなり当たり判定が大きいので、出来るだけ桜には近づかないように気を付けよう。

ボスのブタシオはまわし攻撃をする前には倒すことが出来ないので、まわしを出そうとしてきたら左下付近にいてよけよう。








6面 宇宙戦艦モアイ


一部アーケード版と異なる部分があるものの、この面はほぼアーケード版に忠実に移植がなされている。

後半戦艦が下に下がる場所では、ゲームボーイ版ではそれほど下には降りては来ないので、微調整などの必要はない。

ボスのよしこ&よしおは、攻撃パターンこそ同じだが、よしおを出す間隔が長く、耐久力もないので、かなり楽に倒すことが出来るだろう。








7面 軍艦マーチで今日もフィーバー!


アーケード版6面の移植だが、グラディウスIIの8面のような中ボスが前半の終わりに存在するのがアーケード版とは大きく異なる点だ。

奴はかなりの弾を撃ってくるので、ここに来るまでにしっかりとバリアを張ってバリアをスタンバっておこう。そして前半はスクロールが他の面と変わらないが、奴を倒していくとアーケード版並にスクロールが速くなる。

後半の構成はほぼアーケード版に忠実だが、所々に存在する弾をはじくようなものが、ショットを当てると上下に動くので、これに対しては十分に気を付けて行こう。

ボスのVIVA COREはレーザーを撃ってこないので、左端で適当にショットを撃っているだけで倒せるだろう。








8面 タコの要塞


最終面も若干のアレンジが加えられているが、7面ほどではないのでさほど問題はないだろう。

後半のハッチ×4が出す雑魚は、アーケード版と違って蛇行しながら移動する。

終盤のシャワラン・ビューティーはアーケード版のように右下にいても、左から来る雑魚がまっすぐ自機を狙って弾を撃ってくるので右端の真ん中でよけていくのがいいだろう。そのシャワラン・ビューティーをやり過ごし、シャッターを抜けるとタコとのご対面となるのだが、シャッターからタコまでの距離がファミコン版並に長くなっている。

タコはアーケード版と同様全く攻撃はしてこないので、とっとと足を撃って倒していこう。











エンディング


エンディングは星が爆発するグラフィックなどはアーケード版とほぼ同じだが、基本的に内容もBGMもゲームボーイ版オリジナルのものとなっている。

BGMはパロディウスというイメージに合ったものとなっていはいるのだが、個人的にはやはりアーケード版の名曲をそのまま使って欲しかったように思う。








あとがき

GB版は購入当時のインパクトが物凄かっただけに、ネメシス同様良い所はほぼ全て書き上げるつもりでしたので、かなり力を入れて書きました。内容もレイアウトを除けばほとんど公開当初のままです。ただプレイしている期間そのものは短かったため、特に思い出もないため当時の事は書けませんでした。


ファミリーコンピューターマガジンの成績表
キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
4.34 3.82 3.77 3.84 3.84 3.67 23.72


ゲームボーイマガジンの成績表
キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
4.553 4.209 3.979 4.075 3.886 3.929 24.631





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