グラディウスシリーズファミコン最終作 |
'90年4月に、アーケードゲームとして発売されたパロディウスだ!の、家庭用初の移植版であるファミコン版。
ファミコンでのグラディウスシリーズは、あのグラディウスII以来約2年ぶりの移植となった訳だが、ファミコン版のグラディウスIIがあまりにも見事な出来だっただけに、このファミコン版パロディウスだ!の出来も当然プレイヤーたちに期待されていた。
しかし、どうしたことかあのグラディウスIIで見せた移植に対する技術の凄さは、このパロディウスだ!ではかけらも見ることが出来ず、ファミコンにおけるグラディウスシリーズ最終作としてはあまりにも寂しい出来となってしまった。
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強引さ |
このファミコン版パロディウスだ!プレイして一番目に付くものと言えば、スプライトのチラツキと処理落ちのひどさだろう。
これらはハードがファミコンである以上仕方のないことなのだが、前3作品はキャラクターを小さくしていたりして極力スプライトの数を減らしていたので、そこまで目に付くことはなかった。
しかし、このファミコン版パロディウスだ!では、アーケードのキャラクターの大きさほぼそのままでオプションやレーザーを再現してしまっており、さらに背景の星にまでスプライトを使用してしまっているため、チラつきや処理落ちの多さが半端ではないのだ。
前作グラIIではうまくスプライトを押さえていたのに、何故パロではこのような形になってしまったのかはわからないが、これではプレイし辛いことこの上ない。
それ以外にも、自機のショットの判定が非常に厳しく敵を倒し辛い、一部のボスキャラクターのデザインがアーケード版と似ていない、カニ女の動きが遅すぎる、オリジナルの遊園地面がいまひとつなどの問題点もかなり多く存在するなど、全体的にこのゲームは作り手のいい加減さが目立つ出来となってしまっている。
前作グラディウスIIの出来が素晴らしすぎただけに、ファミコン版パロディウスだ!の出来は残念としか言い様がない。
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面紹介 |
このファミコン版パロディウスだ!では、アーケード版の4、6、7、9面がカットされ、4面にオリジナルの遊園地面が加わった面構成となっているため、全7面構成となっている。
そしてこのファミコン版パロディウスだ!にもエキストラステージなるものが全4面に存在するのだが、このゲームの場合は面ごとにすべて異なったステージで構成され、さらに一部の面はアーケード版の4、9面をモチーフとした面となっている。
またスタート直後に難易度を選択するようになっているのだが、HARDを選ぶと1面から雑魚がほぼ確実に撃ち返してくるようになっており、最初に解説した問題点などもあることから、ファミコンとはいえ1周するのは至難の技だ。
それではそのファミコン版パロディウスだ!の全7面+エキストラステージを紹介していこう。
1面 アイランド・オブ・パイレーツ
基本的にアーケード版の忠実な移植だ。
まず、ひとつめのハッチのやや右上辺りをダブルで撃つと天井を破壊することが出来るのだが、その間へと上がっていくとエキストラステージへと入ることが出来る。
後半の猫面船はスクロールが止まった状態で出現し、以後もそのまま対決することになるのだが、倒してもスクロールせずにそのままボスの海賊ペンギンと対決することとなる。よって、アーケード版の後半はカットされているのだが、そのためか猫面船との対決シーンがかなり長く、顔を破壊してもしばらく出現したままとなっている。
ボスの海賊ペンギンは、攻撃パターンはアーケードと同じだが、グラフィックがかなりショボくなっており、まるで別キャラのようだ。
2面 ピエロの涙も三度まで
ハッチの数など若干の違いはあるものの、この面もほぼアーケード版に忠実な移植となっている。
アーケード版と異なり、ピエロは破壊しなくても当たり判定は存在しない。
カニ女はちちびんたリカから、服を着ているミス・ミシタリーナという別人のカニ女へと変更されたが、こいつがある意味このゲームの最大の壁となっている。というのは、奴の移動速度がアーケード版と比べて格段に遅く、とにかく出現している時間が長いため、イライラして仕方がないのだ。そのため足をくぐりやすいという利点はあるものの、そんな利点などどうでも良くなってしまうほど動きが遅いため、ここを抜けるためにはとにかく忍耐力が要求される。
ボスのイーグルサブはアーケード版とほぼ同じだが、グラフィックが若干違うため違和感がある。
3面 速いぜ! ジェットコースター
ファミコン版オリジナルの遊園地面。
この面はアーケード版6面の代わりとして入れられたのかはわからないが、とにかくルーレットカプセルが多いので、前衛でバリアをスタンバったら、道中ではなるべくカプセルは取らないようにしていこう。
ステージ最大のポイントは中盤の右下へと降りて行く場所だ。背後からジェットコースターに乗ったペンギンたちが出現するのだが、かなりの弾を撃ってくるため、右の方へよけようとすると追い込まれてしまう可能性があるので左へとよけていくようにする。また降りて行く直前、右の方に壁があるのだが、その壁を破壊しすぐに中へと入ると、アーケード版の9面をモチーフとしたようなエキストラステージへと入ることが出来る。
中ボスはモアイの形をした船、バイキングモアイだ。奴はただ左右へと動くだけなので問題はないのだが、その最中注射器が出現するので、うまくオプションを伸ばして破壊していこう。
ボスはアヒルのような形をしているウーンボットンだが、適当に撃っていればいい。
4面 ラビリンス 〜お菓子城の謎〜
中盤のつぶつぶ地帯がツインビーのロケットパンチで倒せなかったり、背景の絵がないなどの違いはあるものの、それ以外はほぼアーケード版の忠実な移植となっており、ルーレットカプセルの位置も同じだ。
5面 宇宙戦艦モアイ
よしだ君の口を破壊し、その中へと突入していくとエキストラステージへと入ることが出来る。
上に付いているモアイ艦長はアーケード版同様レーザーによる攻撃をしてくるが、アーケード版のように縦に大きく並んではいないので、楽によけることが出来る。
下に付いているハッチは、アーケード版と異なり2個しかない。中盤一番下に降りてくる場面では、一番下に降りた状態でも隙間が出来ているので、アーケード版のように微調整する必要はない。
ボスのよしこが出してくるよしおは、ファミコンではスプライトの関係により表現出来ないので、代わりに拡大縮小するハートが横に4つ並んだ、ラブラブハートなるものを出してくる。そのためハートの間を抜けることが出来るのだが、アーケード版のよしおほど厳しくはないので、そこまでする必要はないだろう。
6面 もっとも北の国から'90
アーケード版8面の移植だが、水中に入ってもスピードが落ちることはないので、アーケード版ほど難しくはない。
中盤の熱帯魚地帯は、しっかり撃ち返し弾が発生する。
最後に水中へと入る所に氷のブロックがあるが、その下の黒い部分に入るとエキストラステージへと行くことが出来る。
ボスのプーヤンはアーケード版ほど大きくはならないものの、ちゃんと拡大するようになっている。攻撃手段である針は、小さい状態ほど誘導が厳しいので、すぐにショットを撃ち込んで大きくしていこう。
7面 タコの要塞
背景の色などに違いはあるものの、それを除けばほぼアーケード版に忠実な移植だ。
中ボスのシャワラン・ビューティーは、アーケード版のように右端でよけていくことは危険なのだが、奴自体には当たり判定がないので、シャワーが降ってくる前に左へと抜け左端でよけていこう。
そしてシャッターを抜けていくと最終ボスのタコベエとのご対面となるのだが、何故かシャッターからボスまでの距離が妙に長い。
タコベエの弱点はアーケード版同様足なので、とっとと撃って倒してしまおう。
エンディング
エンディングは完全にファミコンオリジナルとなっており、特にBGMはファミコン版のために新たに作詞・作曲された「パロディウス音頭」という曲が流れるようになっているが、正直なところあまり面白くはない。
これなら普通にアーケード版のBGMを流した方が良かったのではないかと思う。
エキストラステージ
このファミコン版パロディウスだ!では、1、3、5、6面の4面にエキストラステージが用意されている。
内容は、1、5面がファミコンオリジナルで、3、6面がそれぞれアーケード版の9、4面をモチーフとした面となっており、BGMは1面以外ではアーケード版4面ボスのBGMが流れるようになっている。
グラディウスシリーズにおけるエキストラステージというのは、ボーナス面的要素が強かったのだが、このファミコン版パロディウスだ!ではその要素は薄く、特に6面のエキストラステージでは火山が撃ち返して来るなど、そう簡単にはクリア出来ないものとなっており、エキストラステージをクリアしても、次のステージには進まず、元の面のボスと対決するようになっている。
またエキストラステージの最後には赤青に点滅するカプセルが1個出現するのだが、これを取るとキャラクターが変化してしまうので、取らないほうがいいだろう。
下の画像は、左上から1、3、5、6面の順に並んでいる。
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あとがき
他機種との違いが顕著な分、ゲームの特徴はさらっと書く事が出来ました。画像もファミコンな分簡単に作成出来ましたので、ほとんど苦労する事なく完成しました。ただゲーム自体に対する思い入れは薄いため、思い出話等は書けませんでした。
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ゲーム成績表 |
キャラクタ |
音楽 |
操作性 |
熱中度 |
お買得度 |
オリジナリティ |
総合 |
4.44 |
4.01 |
3.83 |
3.99 |
3.86 |
3.78 |
23.91 |
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