極上パロディウス
−過去の栄光を求めて−

コナミ 1994年4月26日発売

横画面 横スクロールシューティング

8方向レバー 自機の8方向移動

  ボタン1:パワーアップ
ボタン2:ショット
ボタン3:ミサイル



横スクロールシューティングの復活
1993年、ゲームセンターは格闘ゲーム真っ盛りであり、かつてアーケードゲームの看板であったシューティングゲームはすっかりマイナーな存在へと追いやられていた。

縦スクロールシューティングこそ、ソニックウイングスや戦国エースがそこそこのヒットを飛ばしてはいたものの、パターン性を重視する横スクロールシューティングの発売は激減しており、その存在すら危うくなるという、まさに危機的状況に陥っていたのである。

そんな時、横スクロールシューティングの王者であったコナミが、ゼクセクス以来実に2年に渡る沈黙を破り、1994年春のAOUショー直前にに満を持して発表したのがこの「極上パロディウス 〜過去の栄光を求めて〜」だ。

久々の横スクロールシューティングの大作だったこともあり、AOUショーのアンケートの人気ランキングでは、ショー1番の目玉であるはずだったスーパーストリートファイターIIXを追い抜き、1位に輝いたほどの人気を集めた。

もちろん発売されてからも大ヒットを記録し、年末のゲーメスト大賞では見事ベストシューティング賞を受賞、1994年度No.1シューティングゲームに輝いた。







パロディウスシリーズの確立
前作「パロディウスだ!」では、ベルなど多少はコナミの他のシューティングの要素はあったものの、基本はグラディウスシリーズのパロディ版であり、自機のパワーアップやシステムなどはほとんどグラディウスのシステムを踏襲したものとなっていた。

しかし、この極上パロディウスでは、基本こそグラディウスがベースになってはいるものの、オプションが付かない代わりに装備そのものがパワーアップするキャラや、突然乱入してくるモアイ面など、それまでのグラディウスシリーズのイメージからはありえなかったシステムが採用されていた。




そのため当時はグラディウスシリーズの第6弾として数えられていたパロディウスだ!とは異なり、グラディウスからは離れた感のある出来となっていた訳だが、その分「パロディウス」というゲームのシリーズのイメージを確立した作品であった、と言えるだろう。

実際パロディウスはシリーズ化の道を歩み始め、家庭用オリジナルの「実況おしゃべりパロディウス」や、アーケードの続編「セクシーパロディウス」などがリリースされていき、いずれの作品も極パロのシステムやキャラを踏襲したものとなっていたが、極パロほどのヒットには至らず、ここ数年は続編が発表されていないのが残念だ。





改良点
前作は一般人もターゲットをしていたこともあり、パワーアップを自動的にしてくれるAUTOモードなるものが付いていたのだが、スピードを早めに上げてしまったり、ダブル系を選べない、そしてベルパワーをすぐに使ってしまう、などの欠点があったため、操作自体は簡単になっても難易度はマニュアルよりも遥かに上昇してしまうため、実際には全く使えないシステムであった。

その点が極パロでは改良され、AUTOモードにプレイヤーが任意でパワーアップを選べるようにした、SEMI AUTOというモードが加わった。これによりAUTOにしても、ダブル系を選べるようにはなったのだが、やはり一番プレイしやすいのはマニュアルであることに変わりはない。


その他の改良点では、コンティニュー画面でのカウントが20カウントと倍になり、前作のようにボタンを押してもスキップはしないため、コンティニュー画面でボタンを連打してもちゃんとネーム入力が出来るようになっている。

そして前作で最もシビアな要素だった難易度の設定だが、極パロはいくらか抑えられており、スピードアップによる急激な難易度上昇はカットされ、もちろん1周目から撃ち返し弾が発生することもない。

前作ではかなり不満の多かった難易度のシステムを、極パロではうまく改良し、初心者にも上級者にも楽しめる、非常に理想的なシステムに仕上げたのは、まさに完璧な続編の見本と言えるだろう。



面構成
極上パロディウスの1周の面構成は、通常面が7面と、2面クリア以降にスコアとランクにより出現する乱入ステージ、モアイ戦艦面の計8面構成となっている。

工場出荷設定では1周エンドとなっているが、システム設定により2周エンド設定にすることも出来る。

そして設定された周の7面をクリアし、エンディングを迎えると、まさにシューティングを愛するプレイヤーたちへのプレゼントとも言える超高難易度のスペシャルステージをプレイすることが出来る。




本来のエンディング後に、特別な面をプレイ出来るというのは、家庭用ではメガドライブ版の雷電伝説などでもあったが、アーケードでは極めて珍しい試みであった。そしてそのスペシャルステージが、シューティングの面白さを全て詰め込んだとも言える実に素晴らしい出来となっており、このスペシャルステージの存在が、極パロの最高の魅力となっていると言っても過言ではないほどだ。

もちろん1周全8面も、それぞれがプレイヤーを飽きさせないバラエティに富んだ面構成となっており、前作よりも1周の時間は短いものの、前作以上の満足感や充実感をプレイヤーにもたらしてくれた。当時のシューティングは2周エンドというのが主流であったが、1周と短くても十分プレイヤーを満足させることの出来るゲームバランスの良さは、まさに特筆すべき事柄であり、シューティングのコナミの力を改めて示した作品であると言えるだろう。


個人的な思い出
私が極上パロディウスを初めてプレイしたのはゲームセンターではなく、極パロが初めて出展された'94年のAOUショーの会場でした。

当然極パロの筐体の周りは黒山のひとだかりで、私たちは1回しかプレイ出来なかったのですが、オプション4つのツインビーをプレイ出来たのは、今となっては貴重な経験だったと思います。

しかし極パロが発売された頃はややゲームに冷めており、ほとんどプレイはしなかったのですが、横浜アリーナで行われたWWFマニアツアーの帰りに、町田のYOU2へ行った時に見た、スペシャルステージの見事なプレイは未だに印象に残っています。



その方は「あいつ」を使用してプレイしていたのですが、圧倒的な敵の攻撃をいとも簡単に抜けていくその腕の凄まじさというものは、あまりA級シューターのプレイを見たことのない私たちにとっては、プレイに釘付けさせるのに十分過ぎる衝撃がありました。

それから3ヶ月ほど経った頃、当時行き着けのゲーセンに極パロが入荷してからは一気にやり込むようになり、4面などで苦戦しながらも、1周はあっさりとクリアは出来ました。

しかしさすがにスペシャルステージは大苦戦し、これはクリアは無理じゃないか、と思いつつも、ゲーメストの攻略を頼りに継続しまくりながらやり込んでいき、1周クリアしてから2週間後ぐらいでスペシャルステージクリアを達成することが出来ました。

私がゲーマーだった当時は格ゲーの全盛期であり、ソニックウイングスや戦国エースを1周してもほとんどギャラリーは付かず寂しい思いをしていたものですが、さすがに高い人気を誇っていた極パロをプレイしている時は大抵ギャラリーが付いていたため、プレッシャーとなりながらも非常に気分良くプレイ出来たものです。

特に友人にスペシャルステージクリアを見せた時などは、20人ぐらいギャラリーが付いたこともありました。そのように極上パロディウスというゲームは、私にとって久々にシューティングで熱くなれたゲームだったのですが、スペシャルステージをクリアしたら何か全てをやり遂げたような感覚に陥ってしまい、極パロはおろかゲーム自体に冷め、ゲーメストを買うのもやめ、結局私のアーケードゲーマー人生の最後を飾るゲームとなってしまいました。

あとがき

今作は紹介・攻略ともにDC時代に製作されたものです。もちろん紹介ページはPC製作時にほとんど書き直されたため、当時とはまるで異なっています。後者は当時は全て文章のみでしたが、ビデオキャプチャ環境を入手してからSS版の画像を追加し、後にアーケード版に入れ替えました。ちちびんたリカ等にその名残が見えますね。文章は語尾やレイアウトには手を加えましたが、基本的内容はほぼそのままです。それなりに分かりやすく出来たと思っていますが、DC時代は当然分かり辛いと思っていましたので、掲示板に「参考になりました」と言う書き込みがあった時は驚いたものです。





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