ファイナルファイト

カプコン 1989年12月17日発売

CPシステム基板

横画面 横スクロール格闘アクションゲーム

8方向レバー 自機の8方向移動

ボタン1:アタック
ボタン2:ジャンプ



'90年度年間No.1ゲーム
ファイナルファイトは、カプコンのCPシステム第7弾として発売された横スクロールの格闘アクションゲームだ。

発売当初はグラディウスIIIなどの影に隠れていたものの、段々と人気に火が付き始め、最終的には'90年度のゲーメスト大賞を授賞するほどの大ヒットを記録した。

また横スクロール格闘アクションゲームを表す時、このゲームの発売後はファイナルファイトタイプという言い方が完全に定着するなど、その後のゲーム業界に与えた影響も大きかった。





キャラクターの魅力
このファイナルファイトというゲームの、最大の魅力はやはりその魅力あふれるキャラクターたちだろう。

プレイヤーキャラクターである3人や、面の最後に出現するボスはもちろん、普通のゲームであればおろそかになるであろう雑魚まで、余計とも思えるほどの作り込みがなされている。

そして画面上に表示されるキャラクターのサイズも非常に大きく、かつなめらかに動くのもこのゲームの凄いところであり、特にプレイヤーキャラの歩行アニメーションのなめらかさに驚いた人は多いだろう。



そのプレイヤーキャラはコーディー、ガイ、ハガーの3人から選択することができ、3人にはそれぞれ特徴があるため、一度ひとりのキャラクターでクリアしても、また別のキャラクターで楽しめるという部分も、ファイナルファイトの大きな魅力のひとつだ。

そしてこの楽しみは、ストリートファイターIIに受け継がれる。


3人のメインキャラクター

コーディー

このゲームの主人公であり、もっともスタンダードなキャラクター。 さすがに主人公だけあって使いやすく、パンチ、キックの威力も申し分ないのだが、コーディーの一番の強みはナイフを投げずに刺すことが出来ることだ。

しかもナイフのモーションがパンチ連打の3段目のボディーブローのモーションを代用しているため、隙がほとんどなく敵が集団で向かってきても一度倒してしまえば、あとはその横でナイフを連打しているだけで倒せてしまう。

そのように非常に強く、使いやすいキャラクターなのだが、欠点のなさが魅力を欠いたせいか、人気は他のふたりより下だった。



ハガー

マッドギアにさらわれたジェシカの父親で、メトロシティの市長で元ストリートファイター。

ひとつひとつの技は3人中でも最も威力があり、なおかつバックドロップやジャンピング・パイルドライバー、フライング・ボディアタックなどのプロレス技が使えるなど、3人の中で一番個性的なキャラクターなのだが、やはりプロレスラータイプのためかパンチのスピードが遅すぎるのが辛すぎる。

そのためパンチを連打していてもアンドレの体当たりに負けてしまうので、ハガーを使っている時は常にアンドレの様子に気を配ることが必要だ。


そんなこともあり、3人の中では一番使い辛いキャラクターになっているのだが、パンチからのバックドロップの連発などに代表されるよう、使っていて一番爽快なキャラクターなので、極めれば最高のキャラクターになるだろう。

それらに加え、市長という設定も当時のプレイヤーに大ウケしたため、結果的には90年度のベストキャラクターに輝いてしまった。因みに新日本プロレスに来日したこともある元ミネソタ州知事のジェシー・ベンチュラ氏は、知事になる前は市長であったので、リアル版のマイク・ハガーと言える人物は実在するのだ。

WWE Hall of Famer Jesse "The Body" Ventura.


ガイ

コーディと共に修行積んでいた、武神流忍法第39代目継承者という忍者。忍者というだけあって、3人の中でもっとも動きが素早く面白いように画面中を動き回れるが、反面悲しいぐらいにパワーがないので、敵を倒すまでに時間がかかるのが難。

操作はほぼコーディーと同一だが、壁が存在する場所では壁を使うことにより、三角飛びが出来る。

三角飛びをしての蹴りは通常の飛び蹴りよりも強いので、ガイを使う時は欠かせない攻撃だ。また忍者だからか刀を使った時のリーチが他の2人より長く設定されているが、振りはあまり速くはないので過信すると危険だ。




ゲーム性の魅力
ファイナルファイトのゲーム性の一番の魅力は、何と言っても攻撃ボタンを連打するだけで敵をブッ飛ばせる爽快感だ。しかし実際それだけでは1面をクリアするのさえ難しく、そのため一見するととても難しいゲームだという印象しか残らない。

それでもパンチの連打からの投げで敵をまとめて倒したりするテクニックや、強敵に対しての対処法などを理解していくと、また新たな面白さを見出せることが出来るため、プレイヤーはそれを知ることが楽しくて難しいとわかりつつもついコインを投入してしまうのだ。




さらにこのファイナルファイトでは敵が毎回どう動くか予測出来ない事や、設置物の中に入っているアイテムなどのランダム性も多数存在し、そのため相当やり込んでいても毎回どうなるかわからないという緊張感が生まれるので、飽きにくいという事もファイナルファイトの大きな魅力のひとつだ。

この難しいながらもプレイヤーを引き付け、気が付いたら簡単なゲームに思えさせてしまうというファイナルファイトの魅力のひとつもキャラ選択の楽しさと同様、ストリートファイターIIにも見ることが出来る。


問題点
ファイナルファイトの魅力は上記に挙げた通りだが、逆にその難しいながらもやめられないという面白さが、問題を引き起こすきっかけともなった。

というのはファイナルファイトは継続をすると体力フルの状態で復活し、なおかつ敵が一斉にふっ飛ぶため、継続によるデメリットがほとんどないのである。

このため金さえあれば必ず先に進めてしまうため、コインを大量に積み上げて継続プレイするプレイヤーがやたらと目立った。




もちろんゲーマーたちもうまくなるまでには相当なお金を注ぎ込むわけだが、彼らのように1コインクリアを目指して継続プレイをする人たちと、上記に挙げたように何も考えもなしに継続プレイをしまくる人たちとでは、やはり後者の方が圧倒的に数が多いのが現状だった。

よってそういう人たちにより、アーケードゲームというのはとにかく金を注ぎ込んでクリアしていくものだ、と一般人に認識させてしまったのだ。

そのため後の人気ゲームなどでも、後ろに待っている人がいてもおかまいなく継続プレイをし、他の人がプレイしたくでも出来ないという光景が、当時はどこのゲーセンでも見られたものだ。

ゲーム内容自体に関しての問題点と言えば、やはりBGMの弱さだろう。同時期に発売された、グラディウスIIIと同じFM音源とは思えないほど音が貧弱で、ゲーセンでまともにBGMを聴けた人はほとんどいないだろう。

ボイスやSEはかなりの迫力があったので、それらを引き立たせるためあえてBGMを弱くしたのかもしれないが、もうちょと頑張って欲しかったと思う。


ゲーメストの動き
'89年12月号のAMショー特集において、ストリートファイター'89という名称で初紹介されたが、この時はグラディウスIIIやR-TYPEIIといった名作シューティングの続編の方が圧倒的に注目度が高く、ゲーメストスタッフ陣の目にも止まっていなかったため中カラーという扱いだった。

翌90年1月号ではファイナルファイトの名称で再登場し、プレイヤーキャラやアイテムなどの主な内容が紹介される。

2月号では最終ページで5面までの面紹介。

3月号は主な場面を使用しての、いかにもゲーメストらしい馬鹿記事に終始する。ヒットゲームに初登場。プレイヤー人気4位、インカム3位を記録する。

4月号でやっと攻略が開始され、3面までの攻略が掲載される。ヒットゲームでプレイヤー人気、インカム共に1位を記録する。

5月号では6面まで攻略が行われ、ひとまず面攻略は終了。

6月号では2Pプレイのコツと、1コインクリアのエンディング、そしてカプコンサウンドチームへサントラCDについてのインタビューなどが掲載され、ファイナルファイトの攻略はこの号で一旦は完全に終了する。

8月号でプレイヤー人気1位を初登場の「パロディウスだ!」に奪われる。

しかし翌9月号では再び1位に返り咲くなど、人気は衰えを見せず。

10月号はゲーメスト創刊50号記念ということで、表紙は歴代有名キャラクター勢ぞろいであったが、そのイラストの中心はハガーであった。

そして発売から半年以上経っても人気が衰えなかったのを受けて、ファイナルファイトの大特集。内容は3面までの2P攻略に加え、開発者インタビューまで行われキャラクターのモデルなどが明らかになり、開発チームによるイラスト付きの各敵キャラクターのプロフィールなども公開される。

またインタビューの最後に、企画のNIN氏が「いま、なかなかすごいゲームを作っているので楽しみにしていてください」というコメントをしているが、もちろんこれはストリートファイターIIのことだ。

91年2月号では毎年恒例のゲーメスト大賞が発表され、大賞はもちろんファイナルファイトであり、大賞以外にもベストアクション賞、ベスト演出賞なども授賞し、ベストキャラクター賞にもハガーが輝いた。


当時の思い出
ファイナルファイトの発売当時、私はアーケードゲーマーではありませんでしたから、このゲームの存在はほとんど知りませんでした。

ファミマガのアーケードゲームのコーナーに紹介記事が載ったりしていたのですが、当時は気にもとめていませんでしたので、紹介されていた事に気付いたのはずっと後の事でした。

後SFC版の記事でようやくFFの存在を知る事となったのですが、あまりこの手のタイプのゲームはプレイしたことがなく印象も良くはなかったため、ほとんど気にも留めていませんでしたね。


しかしSFCを購入した頃、友人がこのゲームを持っていたこともあって早速プレイさせてもらったところ、一気にハマッてしまい、それからアーケード版もプレイするようになりました。

最初はSFC版でカットされたガイを選んでプレイしてみたのですが、SFC版でさえミスしまくりの私ではさすがに歯が立たず、一面さえノーミスクリア出来なかったので、「これは無理だな」と早々諦めてしまいましたので、やり込むということはほとんどありませんでした。

因みにその友人はこのゲームを以前からプレイしており、なおかつクリアしたとか良く言っていましたので、その時は凄いと思っていたのですが、継続しまくりのクリアだと知って「なぁんだ」と思ったものです。

まあそういう私も、その後2回友人と2人同時プレイでの継続しまくりプレイでクリアしたりしてましたけどね。

その後はストIIにハマっていったこともあり、ファイナルファイトは置いてあったらプレイする、程度のもので、しばらく縁がなかったのですが、2年後にメガCD版を購入し、それでファイナルファイトをプレイする上でのセオリーをようやく学んだおかげで、アーケード版も1コインで4面程度までは進めるようにはなりました。

ただすでにファイナルファイトは過去のゲームとなっていたため、新宿へ行った時ぐらいでしかプレイ出来ず、しばらく経つとアーケードゲーマー自体止めてしまいましたので、以降ファイナルファイトをプレイすることはなくなりました。

それから5年ほど経ち、かつてマルゲ屋宅配便がやって来た事もある鶴間のオレンジハウスに久々に行ってみた所ファイナルファイトが設置してありましたので、早速私はプレイしていきました。

その台は90万点までのエブリエクステンドが行われる設定にしてありましたので、1コインで初めて6面まで行くことが出来たのですが、さすがにアーケード版の5〜6面をひとりでプレイすることは初めてだったこともあり、クリアすることはかないませんでした。

現在はハガー、コーディーでノーマル設定で1コインクリア、ガイでも6面までは何とか進める様にはなりましたが、やはりゲーマー時代にそこまでプレイ出来るようになりたかったものです。


あとがき

攻略を追加してからはベストゲームへと移行しましたが、本ページに関してはほぼ初期の公開当時のままです。今作はほぼリアル世代と言っていいですから、内容的には詰まる事無く書き上げる事が出来ました。攻略はハガーで1コインクリアが出来た直後に製作されたもので、まだ比較的最近のものです。相当やり込んだ直後だけあって、こちらも楽に完成させる事が出来ました。





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