ストリートファイター

カプコン 1987年6月30日発売

横画面 格闘アクションゲーム

大型筐体版

8方向レバー キャラクター操作

圧力センサー付きボタン1:パンチ
圧力センサー付きボタン2:キック

テーブル版

8方向レバー 自機の8方向移動

パンチボタン×3(弱・中・強)
キックボタン×3(弱・中・強)



"元祖" ストリートファイター
1991年3月にカプコンから発売されたストリートファイターIIは、発売されるや否やたちまち世界中のアーケードゲーマーたちを熱狂の渦に叩き込んでいったがその偉大なるストIIの前作こそこの「ストリートファイター」だ。

ストIIによって完全に対戦格闘ゲームのスタンダードとなった、2本先取の3ラウンド制、各国を渡りながら強敵と闘っていくシステム、そして必殺技の存在や独特のガードシステムなどは、全てこのストリートファイターから受け継がれていったもの。



それらの要素をストIIから4年近くも前に採用していただけでも、十分このゲームの凄さというものが伝わってくるだろう。しかしやはり初代ストリートファイターを語る上で絶対に欠かすことの出来ない要素と言えば、アクションゲームでは異例とも言えた大きな筐体と、それに備え付けられた圧力センサー付きのパンチボタンとキックボタンだ。


圧力センサー
このストリートファイターで使われていたボタンはラバー製で非常に大きく、その中には圧力センサーが内蔵されている。これによってどれだけの力でボタンを叩いたか、ということが測定されそれがそのままゲームに反映されていくという、非常に特殊なシステムが採用されている。

このため、当然のことながら強い攻撃を出したければ強くボタンを叩かなければならない。よって基本的にはテーブルゲームでありながら、普通のゲームの何倍も体力を消耗してしまうという、ある種体感ゲーム的な一面を持っているのだ。


そうなると単純に考えて、やはり力の強い人が有利なのかと思う事だろう。しかし実際のところはボタンを強く叩いているだけでは一人目に勝利することすら難しく、とても全面クリアなどは狙うことは出来ない。ではこのゲームで勝ち抜くためにはどうするか、という疑問が浮かび上がって来るのだが、その答えが「必殺技」だ。


必殺技
主人公の隆と拳は波動拳、昇龍拳、竜巻旋風脚という3つの必殺技を体得しており、それらは通常の攻撃とは全くことなったコマンドを入力することによって出すことが出来る。それらはさすがに必殺技と言うだけあって非常に威力が強く、2発も決めれば一瞬にして相手を瀕死の状態に追い込むことが出来る。

必殺技一発の威力というのはどれも同じなのだが、昇龍拳などは一度に3発当てることが出来るため、開始直後に出せばまさに相手を瞬殺可能だ。




これはストIIでは味わうことが出来ない爽快感なのだが、それだけに入力がシビアで、ストIIのような感覚でコマンド入力をしていてはまず出すことは出来ないようになっている。

またストリートファイターではインストカードに必殺技が載っておらず、自分で探して出さなければならないという隠し技であったこともストIIと大きく異なるところだ。

私がプレイしていた頃は皆が知っていましたが、発売当時プレイしていた人にとって必殺技というのは、まさに幻の存在であり、出せる人はそれだけで優越感に浸れたものでもあったのでしょう。



6ボタンバージョン
これまで解説したように、元祖ストリートファイターの最大の特徴というのは大型筐体と圧力センサー付きのボタンにあった訳だが、後に後のストIIと同じくパンチボタンとキックボタンが弱・中・強の3段階に分かれたテーブル筐体バージョンも発売された。

ゲーム内容も少し変わっており、大型筐体バージョンでは日本とアメリカの2つからしか選べなかった最初の国が、テーブル版ではタイ以外の全ての国から選べるようになったことと、昇龍拳が上昇中・下降中ともに完全に無敵になったことだ。



これによって昇龍拳を連発しているだけでクリア出来るようになったのだが、それだけに入力のタイミングもシビアになっており、確実に出せるようになるには慣れが必要だ。

もちろん通常技の威力を確実に選択出来る、ということも大きいのだが、元祖ストリートファイターは元々通常技の威力をうまく使い分けながらプレイするようなゲーム性ではないため、必殺技が出せなければ面白さは大型筐体バージョンに比べると大きく半減してしまうのが残念だ。 やはり元祖の本当の面白さを理解するためには、大型筐体バージョンでプレイしなければならないだろう。


キャラクターの動き
このストリートファイターでは5つの国に二人ずつ存在する対戦相手と闘っていくのだが、IIや今日の格闘ゲームと比べた時、この元祖ストリートファイターにおける対戦相手の最大の特徴と言えるのが動きがあまりにも素早いことに尽きるだろう。

よって非常に敵の動きが見切りにくいため、パターンにもはまり辛くうまくなっても瞬殺されてしまうこともザラだ。しかし展開が読めないということは逆に言えば毎回新鮮な感覚でプレイ出来るということも言えるので、一時期のSNKの格闘ゲームのように、パターンにはめなければ勝つことが出来ないようなシステムに比べたらこちらの方が遥かに魅力的だ。

それでその10人の対戦相手だが、とりあえず波動拳さえ出せれば前半は楽に勝てることができる。特にアメリカのマイクなどはほとんどサンドバッグに等しいほど楽に勝利出来るのだが、中国辺りからはちゃんと狙って撃たないと勝ち進むのは難しくなっている。

ただ前にも触れたようにこの元祖ストリートファイターでは必殺技の入力タイミングが非常にシビアであり、出したい時に思うように出すことが出来ないということもザラなので、その辺りはやや運に左右されることもあるだろう。



最終ボスはストIIでもお馴染みのサガットで、必殺技のタイガーショットはこの元祖ですでに放つことができるのだが、さすがに最終ボスだけあって威力が半端ではなく、一回喰らっただけで実にゲージが三分の二近く減ってしまうほどの威力を誇っている。

しゃがんでいればタイガーには当たらないのだが、そうすると今度は膝蹴りで一気に接近されてしまい、非常に辛い状況に追い込まれてしまうため、じっと待っている、という訳にもいかないのだ。




その膝蹴りに昇龍拳をぶち当てればすむことだが、得てしてこういう時には出辛いもので、失敗してしまうと一気にダメージを食らってしまう可能性もあるので、昇龍拳を当てていく戦法は賭けに近い。結局最も確実性の高いのは、タイガーをしゃがんでかわした直後に波動拳を撃つという戦法なのだが、近いとタイガーを見切れないし、遠いとガードされてしまうので、間合いを計ることが重要になってくる。

以上のような戦法を駆使して無事サガットに勝利することが出来れば、サガットに代わり世界最強の座を獲得することが出来てエンディングとなる。


キャラクター・ボーナスステージ紹介
烈(日本)

元少林寺拳法の師範だったが、私闘を繰り返しすぎたため破門になったという拳法家。

奴は飛び蹴り主体で攻めてくるので、波動拳をよけることが多いのだが、この飛び蹴りにはしゃがんでさえいれば当たらないので、その隙に足払いなどを決めていこう。





激(日本)

見た目通り忍者であるが、流派は不明。

忍者らしく手裏剣で攻撃してきたり、突然消えては現れたりするので、2人目でありながらかなりの強敵。

手裏剣を飛ばしてきたらガードし、波動拳を撃っていこう。





ジョー(アメリカ)

初代タイガーマスクばりのローリングソバットを得意とする、アメリカ出身のマーシャルアーツ・ファイター。

ラッシュを決められると一気にやられてしまうので、近付かれる前に波動拳を決めていこう。







マイク(アメリカ)

試合中に相手を殺してしまい、ボクシング界から干されたという、レスラーやボクサーがゲームに出た時の定番のプロフィールを持っているボクサー。

奴は波動拳をモロに食らうので、3発撃てば終わり。







李(中国)

見ての通り中国拳法の達人。

力よりもスピードを重視する中国拳法の使い手だけあり、パッと見ただけでは何をしているのかわからないほど動きが素早い。

飛び蹴りに昇龍拳をカウンターで合わせよう。





元(中国)

中国拳法を自身でさらに発展させた、独自の暗殺拳を操る。

元が使う、片手を地面で支えて、相手を両足で蹴るキックは、ストIIの春麗の元伝暗殺蹴(しゃがみ大キック)の元となった技だ。

奴には竜巻旋風脚がよく決まるので、連続して出していこう。



バーディ(イギリス)

ヨーロッパ出身の格闘家は、格闘技だけでは生計が立てられず、本業で酒場などの用心棒をしている選手が多いが、このバーディもそのような用心棒という設定になっている。

こいつの攻撃はかなり強いので、間合いを離して波動拳か、昇龍拳の連発で倒していこう。





イーグル(イギリス)

二刀流の棒術使いだ。

奴も用心棒という設定だが、ステージを見ればわかるように、貴族の用心棒という設定になっている。

波動拳が決まりやすいので、それを連発していけばいいだろう。





アドン(タイ)

最終ボスのサガットの一番弟子であり、ストリートファイターで最強と言われるキャラクターだ。

アドンの特徴と言えばやはり回転しながら蹴りを決めてくる、回転キックだろう。

このため波動拳は決まりにくいので、回転キックに昇龍拳を決めていくしかない。




サガット(タイ)

闇の帝王と言われ、素手の格闘では世界最強と謳われる男。

立場上は悪役なのだが、子供の頃に不良に片目を潰されたのをきっかけとして、強い男になることを決意し世界最強まで登りつめたという設定も併せ持っているため、男のロマンをも感じさせるキャラクターとなっている。



さすがに最終ボスだけあってかなり強く、特にタイ式波動拳と呼ばれるタイガーショットを食らうと、ゲージが3分の2ほど減ってしまう強さを誇っている。間合いを離し、タイガーを撃った直後に波動拳を食らわせるか、膝蹴りで接近してきた所に昇龍拳を決めて倒していこう。

ボーナスステージ(瓦・ブロック割り)

日本ステージクリア後は瓦割り、中国ステージクリア後はブロック割りとなる。

左のTIMINGゲージに合わせて、強パンチボタンを叩いていこう。







板割り

アメリカステージ後は3枚、イギリスステージクリア後は4枚の板を割っていく。

上の板はジャンプ頂点で弱パンチ、下の板はしゃがみ弱パンチで割っていこう。








個人的な思い出
私がこのストリートファイターをプレイしていた頃は、すでにストIIが発売されていたのですが、このIIの人気があまりにも凄すぎたためか、相乗効果により初代もかなり見かけることが出来ました。

さすがにテーブル版がほとんどだったのですが、運良く私の友人たちの行き着けの店には大型版が置いてありましたので、私たちはストリートファイターの本当の面白さを知ることが出来たものです。





それからそのゲーセンに行った時はほとんどプレイしていたのですが、やはりそれまでプレイしたことのなかったタイプのコンパネだけあって慣れない内は悪戦苦闘し、一人目の烈にさえ勝利することが出来ませんでした。

そのうち初代でのコマンド入力のコツを理解し始めていき、波動拳はほぼ出せるようになったのですが、それでも中国あたりでやられてしまい、1回だけバーディーまで進んだことはあったものの、そこでもう諦めてしまったため、以降プレイすることはほとんどなくなってしまいました。


なのでプレイ期間は短いものでしたが、やはりストIIでは味わえない波動拳をぶち当てた時の快感を体験出来たことは、私のゲーマー人生の中でもとてもいい経験だったと思います。

ただゲーム内容そのものについての感想としては、必殺技の占める割合が非常に大きいため、弱・中・強の使い分けがほとんど活かされていないのはやや問題があったのではないでしょうか。

大型筐体であればボタンを強くぶったたくという行為自体が楽しいのでまあいいのですが、テーブル版では正直オリジナルのコンパネまで用意する必要はなかったような気がします。

まあそれでも最初にボタンの使い分けを導入したゲームであった以上、いきなり完璧なものに仕上がるということはないですから、こういった意見は野暮というものなのでしょう。

逆にストIIがあれほどの完成度を誇っていたのも、初代のシステムにやや難があったせいで、何とかこのシステムを改善していこう、という考えから生まれたものなのだと思いますし。 いずれにしろ今日の2D格ゲーではすっかりスタンダードとなった、威力の使い分けをすでに19年も前に導入していたストリートファイターは、やはり歴史に残る偉大なゲームであることは間違いないところです。


あとがき

このページは、全レビュー中初めてPCで製作されたものです。単純にこのゲームの1コインクリアをたまたま収められたから、と言う理由だけなのですが、もちろん最初と言う事もありまだフレーム等は使用せず、画面全体を使ってのページ製作でした。ページ作りのコンセプトも確立していなかったものですから、ゲーム紹介の所にいきなりサガットの攻略を載せるなど、明らかに今とは趣が異なるのが分かりますね。ただゲーム紹介の部分は自分でもそれなりに上手く書けたとは思っていますので、内容自体はほとんど当時そのままです。


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